経営の状況について
●収益的収支比率比率上昇の原因は総利益の増加が原因と考えられる。R1年度は4か月ほど発電を中止していた期間があり、R1とR2の総利益に差ができた原因と考えている。収益的収支比率及び営業収支比率はともに100%を超えており、総利益もほぼ料金収入から成り立っている。●営業収支比率営業収支比率上昇原因は営業収益の増加が原因と考えられる。収益的収支比率と同様で、R1は4か月ほど発電を中止してた期間があるため、それが営業収支の差の原因だと考える。営業収支比率は100%を超えているが、削減できる経費等がないか検討する必要はある。●供給原価1MWhあたりの費用はR1と比べても半額程度になっている。原因は発電電力量が倍以上増加したことである。増加原因については、R1が4か月ほど停止していたのと、R2は一年中稼働してたため、その差であると考える●EBITDAEBITDAは年々増加しているがいづれも平均値以下である。総収益が増加すればEBITDAの数値も伸びるとは考えるが、そのためには発電量を増やすことが重要になる。だが、施設の老朽化も著しく、今以上に負荷をかけることは難しいと考える。
経営のリスクについて
●設備利用率年間発電量が増加したことが原因で使用率も上昇した。発電量増加原因はR1と比べてR2が1年間継続して発電を行えたことであると考える。小水力発電所の平均設備利用率が54.1%で、石見発電所の利用率が44.4%なので平均を下回っている。原因としては、水路や機器の老朽化が著しく、発電所竣工時のスペックで運用ができていない点だと考える。●企業債残高対料金収入比率料金収入が増加したことで、R1と比べても比率は下がったが、発電所は老朽化も進んでおり今後も企業債を利用する可能性はある。1年間継続して発電を続けることで、料金収入を安定させることが第一だと考える。
全体総括
●経営状況前年度と比べても比較的良い結果にはなっているが、H30・R1年度どちらも一年間継続して発電を行っておらず、R2年度は一年通じて発電が行えていたことから本来の経営状況はR2年度のような状況になると考えている。事故やトラブル等で長期にわたって発電を止めることがないように、専門的知識を持った専属職員の配置が課題だと考える。●経営のリスク設備使用率等が平均以下となっている。現在は一般事務職員が施設の管理を担っている点もあり、思うように施設を稼働することができないのが現状である。効率よく発電を行えば、設備利用率の向上や事故の低下にもつながると考える。