経営の状況について
発電量においては、さほど大きな変動は発生していない。一昨年度のような大きな繰出しが無かった為に、昨年と同程度の値が示されている。H28年度よりの消費税の支払いが始まり収益は、やや下がっているものの、安定した収益が計上されている。町民債の償還も終了したため、予定されている次の大きな出費は設備の更新である。事業の開始から7年目を迎え、設備の老朽化を考えなければならない、設備について大規模な検査、更新が今後の課題となっている。①収益的収支比率について全国の施設の平均値141.8%に対して、当施設は176.3%の値である。本年度も昨年並みではあるが充分に平均以上の収支比率である。ここ近年は若干の減少傾向にも思えるが、これはH28から始まった消費税の支払いなどの結果である。町民債への償還も終了している為に収支比率は今後同程度が続いていくことを見込んでいる。更新以外には大きな出費は無くなっている為に、今後は環境問題に関わる事業へ、積極的かつ計画的な繰出しを行う予定である。②営業収支比率について消費税の支払いにより若干減少しているが、十分収益を上げている。今後の設備の更新程度により、若干だが収支が減少することを想定している。④供給原価について今年度も全国平均並みには、安定した供給原価で売電できている。⑤EBITDAについて太陽光発電事業は、設備を整え収益を得るシンプルな構造である。設備の経年劣化により微小に減少していく以外、今後も大きな出費が無ければ安定した直線が続いていくことを見込んでいる。
経営のリスクについて
今年度の値も全国平均と比較しても安定して推移している。今後は更新を見据えた設備の管理計画を進める。①設備利用率資源エネルギー庁のH27のワーキンググループの報告で設定されている太陽光設備の設備利用率の水準では14%が平均値となっている。一方、当施設では12%以上を確保している。そのうえで、事業開始から7年経過したわけだが、経年劣化もまだ見られず、安定した発電量を保っている。他収益等も見ても十分な発電量であり、特に施設の改善改修は考えていない。②修繕費比率小さな修繕は存在しているが、幸いにも未だ大きな施設の修繕等は無い。今後の経年劣化していくことについては、慎重に推移を見守りたい。③企業債残高対料金収入比率町民債の償還も終わり、収支的に安定し、順調に償還出来ている。⑤FIT収入割合当該施設は、実質にはFIT適用100%の施設である。現在は2社に売電を行っているが、令和3年度より中国電力1社になる。結果として一社に集中することによるリスクはあるが、他に代替えも無いために、やむを得ない。但し、FIT終了時の方針については継続して検討していく。
全体総括
令和2年度については、大きな変化は無く安定した経営が出来ていた。事業開始から7年が過ぎ、本格的に施設の更新などについて検討が必要になるので、老朽化等対策について十分な調査と、計画の検討を行う。