経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は約18ポイント減少していますが、これは、平成29年度から資本費平準化債の借入れを行ったことにより、一般会計の負担する資本費が減少し、企業会計の負担する資本費が増加したためです。ただし、資本費平準化債借入額相当を控除した資本費で計算した場合の実質的な①収益的収支比率は、100.00%となります。⑥汚水処理原価が上昇したこと、⑤経費回収率が下落したことも同様の理由によります。しかし、類似団体の平均値と比べると⑤経費回収率は高く、⑥汚水処理原価は低くなっています。⑧水洗化率は約95%と高い水準にあるため伸びが期待できず、使用水量の増加も期待できません。今後は、規模に適した汚水処理方法に見直すなどの対策を講じる必要があります。
老朽化の状況について
網代地区が平成元年に、東地区が平成12年に、田後地区が平成16年にそれぞれ供用開始しました。現在のところいずれの処理区も老朽化による管渠の異常はみられませんが、マンホールポンプの更新時期が到来しています。東地区の処理場については、機械設備の更新時期を迎えます。今後、中期的には計画的なマンホールポンプの更新と管渠の適切な点検を行い、長期的には施設の更新時期を見極めて計画していくことが必要となります。
全体総括
本町の下水道使用料は高い水準にありますが、使用料のみで汚水処理経費を賄えない状況にあり一般会計の負担が大きくなっているため、資本費平準化債の借入により公債費負担の平準化を図っています。今後は、汚水処理施設の見直しを含めた検討を行うことが課題となっています。