経営の状況について
〔収益的収支比率〕112.1%単年度の経常収支は黒字。経年比では減少しているが、施設の修繕費や保守費用の増加によるものであり、料金収入の収益により事業全体費用を賄えている。経年では昨年度からの地方債の元金償還開始に伴い、今後の収益的収支比率の大幅な改善は見込めないが、営業費用を必要最小限に抑制しつつ、改善に向けた取組を進めていく必要がある。〔営業収支比率〕551.8%単年度の営業収支は黒字。発電に適した気象が継続しなかったことで営業収益は減少しているが、施設の修繕費や保守費用が増加したため営業費用は増加している。累積欠損、他会計負担はなく、管理物品の他会計との共用や適度な保全状態の維持等、一般管理・維持管理費用を必要最小限に抑制しつつ、昨年度からの地方債の元金償還開始に伴う収益率の低下を最小限に留めていく必要がある。〔供給原価〕34,423.7円発電量の減少、総費用の増加と地方債の元金償還に伴い供給原価は対前年比で増加。設備利用率は12.4%と経年比では下降。発電量を維持しつつ、継続的に総費用の抑制に努める必要がある。販売電力量の実績値は計画値を上回る結果となったが、環境的要因及び事業特性から、経年による性能低下等の下振れリスクを考慮した運営管理を行い、継続して供給原価の圧縮に努める必要がある。〔EBITDA〕30,931千円収益性は確保されているが、料金収入及び収益性の増加は今後見込めないものと想定した正確な保守計画や劣化率評価に基づき、安定経営を維持することが必要である。
経営のリスクについて
事故、天災、土地利用、公害、制度改正等、様々な要因の経営リスクが存在する。また、FIT終了による経営リスク、投資を回収できない可能性を常に考慮し、終期を見据えた適切な施設の保全と経営の効率化を進める。〔設備利用率〕12.4%全国平均は15.2%。経年比では平成27年度よりほぼ同水準を維持し上昇傾向にあるが、日本海側に位置する積雪地域、かつ年間気象における当地の特性を踏まえると、国内の同規模施設の平均値より利用率が低くなる。引き続き、当地の気象特性に基づく設備利用率の実績値を踏まえた計画的な運営管理を行っていく必要がある。〔修繕費比率〕0.0%計画的な保守運用により安定稼働の継続に努める。〔企業債残高対料金収入比率〕760.7%単年度収支において、利益を適切に基金に積み立てることで償還財源を確保し、17年計画で数値低減を進める。〔FIT収入割合〕100.0%固定価格買取制度調達期間内(20年)での事業計画(投資回収)としている。
全体総括
継続的な安定経営を確保するため、経年における設備利用率の維持確保を進める。環境的要因及び事業特性から、事業開始時実績を一定の基準に置き、経年における性能低下等による下振れリスクを考慮した運営管理が必要となる。また、計画的な保守運用を継続することで一般管理・維持管理費用を抑制しつつ、地方債の元金償還に伴う収益的収支比率の低下を最小限に抑え、正確な水準評価に基づく安定経営を維持していく必要がある。単年度収支において償還財源を適切に確保し、17年計画で企業債残高対料金収入比率の低減を進めると同時に期間内での投資回収を実現し、市環境施策の推進と普及に寄与する事業とする。FIT適用終了(R16)後は、現時点では方針は定まってないが、15年目に改定を予定する経営戦略の中で、電力料収入の変動リスクも踏まえ検討することとしている。