経営の状況について
豊明市水上太陽光発電事業は、平成28年6月に特別会計が創設され、市内のため池に発電出力1,500kWの施設を整備した。平成29年3月に施設は完成し、同月28日より発電を開始した。【収益的収支比率】当事業の指標が前年と比べて大きく減少しているのは、平成29年度は消費税還付金が38,853,000円あり総収益に貢献したが、平成30年度は消費税の納税に加えて、平成29年度の消費税還付金を原資とした地方債の繰上償還を行ったため、一時的に収益的収支比率が悪化となっている。なお、平成28年度から平成29年度にかけて、大きく指標が減少しているのは、平成28年度に施設整備費として繰入れた一般会計からの繰入金が平成29年度から繰り入れられなくなったことに加え、売電が開始され収入が増えたこと、維持管理による支出が発生したこと、地方債の償還が始まったことによる。【営業収支比率】当事業の指標が前年と比べて大きく低下しているのは、平成30年度から消費税の納税が始まったことにより営業費用が増加したためである。営業収益は年度比1.4%増となり順調な発電を行っている。【EBITDA(減価償却前営業利益)】当事業の指標が前年と比べて大きく低下しているのは、平成29年度は消費税還付金が38,853,000円あり総収益に貢献したが、平成30年度から消費税の納税が始まったことにより営業費用が増加したためである。なお、地方公営企業法を適用していないため、【流動比率】については、「該当なし」となっている。
経営のリスクについて
「1.経営の状況について」についてでも述べているが、本施設は平成29年3月に完成し、同月28日より売電開始をしているため、平成28年度決算では売電収入がない。また、平成28年度に特別会計を創設したばかりなので、現状では経営のリスクはないが、歳入は全て固定価格買取制度(FIT)で占められており、FIT適用終了後(平成49年3月)は歳入が大きく変動するリスクを抱えている。【設備利用率】売電収入も前年度比1.4%増で推移しており、現時点では問題はない。ただし将来的に設備の劣化が想定されるため、必要な改修を早期におこなっていることで設備利用率を維持向上していく必要がある。【修繕費比率】平成30年度においては、当初設計不良に対応したアース線の修繕工事、PCS故障に伴う修繕、台風被害に伴う修繕工事を実施した。初期不良の対応についてはあと一年程度継続することがを想定している。加えて台風等の災害に備えた安定的な発電が今後の課題となる。【企業残高料金収入比率】平成29年度より売電開始及び企業債の償還を開始した。今後16年間で償還をしていく。平成30年度においては繰上償還を実施し、当該比率が大きく改善している。なお、地方公営企業法を適用していないため、【有形固定資産減価償却率】については、「該当なし」となっている。
全体総括
国が定める固定価格買取制度(FIT)による売電事業であり、20年間は安定した収益が見込まれる。発電状況を24時間遠隔監視し、売電事業を安定して継続できるように努める。また、天災によるリスク、機器不良によるリスクなどもあり、保険及び早期改修を通じて安定した発電につなげて行きたい。FIT制度適用終了後(令和19年3月)の事業のあり方については、現時点でその方針は決まっていないため、FIT適用終了後の売電収入の変動リスク等を踏まえて、事業のあり方を検討することとしている。なお、経営戦略の策定は令和2年度を予定している。