経営の状況について
平成29年度は風車3機中2機が安定稼働している状況であったが、平成30年1月に稼働していた2機中1機が故障し、平成30年度は風車3機中1機の稼働となった。稼働している1機についても落雷のため約2ヶ月間停止していたこともあり、年間発電電力量は前年度比38%となった。また、風車稼働から15年が経過し経年劣化による修繕も増えてきている中、落雷による修繕も発生したため、修繕費比率は前年度比6.1ポイントの増加となり、供給原価も33,679.1円の増加となった。この結果、営業収支は赤字となり、EBITDAも減少している。収益的収支比率は前年度に比べ上昇しているものの、一般会計より繰入をしている影響であり、経営の状況としては悪化の傾向にある。
経営のリスクについて
平成30年度は風車3機中1機が稼働している状況であり、設備利用率は前年度と比べ7.9ポイント減少となった。稼働していない2機については故障した部品調達に長期間を要し復旧費用が高額になることから停止している。風車3機中2機が停止中の状況ではあるが、企業債は平成30年度をもって償還し終えたため、稼働中の1機が安定稼働すれば収益的収支は黒字となると思われる。ただし、運転開始から15年が経過し経年劣化による修繕費が大幅に増加するようであれば赤字となるリスクもある。
全体総括
当該施設は運転から15年が経過しており、経年劣化による故障が増加傾向にある。現在、当該施設の事業継承に向けて民間企業と共同検証をしており、風況観測塔を現地に設置し、風況観測データの解析後、事業計画を作成して町に提示、承認を受けてから本格的に土地利用申請、工事等の事業準備を開始する予定となっている。また、上記共同検証の結果がどうなるかに係らず、近年の稼働状況、耐用年数(17年)を踏まえ、メンテナンスを強化するとともに、事業の廃止等についても検討を進めていく。