地域において担っている役割
救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療の提供
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、近年、平成27年度にハイケアユニット入院医療管理料取得等により100%を越え、類似団体平均値も上回ったが、それ以外の年度は100%に届いておらず類似団体平均値も下回っており、退職金の増等によりその差が拡大しているため、早期に100%を達成する必要がある。②医業収支比率は、経常収支比率同様減少傾向であるが、類似団体平均値よりも良好な数値で推移している。③累積欠損金比率については、平成26年度の会計制度改正により、退職給付引当金を計上したことで、特別損失が発生したため、累積欠損金が増加した。それ以降、類似団体平均値よりも高い値で推移しており、累積欠損金が解消されるよう経営改善を図る必要がある。④病床利用率は、70%を越え、類似団体平均値よりも良好な数値で推移している。⑤入院患者1人1日当たり収益は、循環器内科の常勤の専門医師など、点数の高い診療を行う医師の不在や不足により、類似団体平均値を下回っている。⑥外来患者1人1日当たり収益は、呼吸器内科の常勤の専門医師などの不在や不足により、在宅療養指導管理料等の指導管理料が算定できないことなどから、類似団体平均値を下回っている。⑦職員給与費対医業収益比率は、波はあるものの、類似団体平均値を上回って推移しているため、職員配置等が適切かについて検討する必要がある。⑧材料費対医業収益比率は、類似団体平均値よりも下回り、良好な数値で推移している。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、70%前後で推移しており、類似団体平均値よりも高いことから、資産の老朽化が進んでいると言える。②器械備品減価償却率は、75%前後で推移しており、類似団体平均値よりも高いことから、医療機械備品の老朽化が進んでいると言える。よって、新病院建設基本計画等に基づき、計画的な施設の更新を検討する必要がある。③1床当たり有形固定資産は、類似団体平均値よりも低い数値で推移している。
全体総括
経常収支比率が100%未満で、累積欠損金比率が類似団体平均値よりも高いことから、課題が残る。また、有形固定資産減価償却率が高いことから、施設の老朽化が進んでいるにも関わらず、更新投資を経常収益では賄えてはいない状況である。そのため、今後も新公立病院改革プランや中期経営計画、及び新病院建設基本計画に基づき、改善を目指す必要がある。また、志太榛原保健医療圏における公立4病院の相互補完体制を図り、地域完結型医療の更なる推進に努めていく。