地域において担っている役割
高度急性期及び急性期医療を担う鳥取県東部保健医療圏の中核病院として、高度・特殊医療の充実に努めるとともに、地域医療支援病院として、回復期、慢性期の医療を提供する医療機関との連携(病病、病診連携)による地域連携パスをさらに充実するなど、圏域で連携した医療システムの構築を目指す。これと並行して、圏域内外の急性期病院と互いの重点分野を踏まえつつ医師の相互派遣等を含める取組、地域包括ケアシステムの構築等、連携と協働の取組を推進していく。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、平均在院日数の短縮や手術件数の増加に努めた結果、入院単価が上昇し、医業収益が増加したことから、医業収支比率が改善。経常収支比率も3年ぶりに黒字となった。今後も、診療材料や薬品費の費用削減の取組(SPD契約の導入、メーカーの統一化や薬価交渉、後発医薬品の積極的採用等)をより一層進め、収益の確保と費用の削減に努めていく。また、令和2年度からはDPC一般病院群となったが、平均在院日数の短縮をはじめとする診療密度の向上に努めた結果、令和4年度から、より高い係数で診療報酬が算定できる特定病院群へ復帰した。
老朽化の状況について
旧本館は築40年以上を経過し、施設・設備の老朽化と狭隘化が進んでいたことから、地域の高度急性期医療の確保・充実のため、新病院を建設し、平成30年12月16日にオープンした。また、病院新築に伴い、病院施設及び器械備品についても一部更新を行ったため、有形固定資産及び器械備品減価償却率は類似病院の平均値に比べ低い状況にある。なお、県の基幹病院として、高度急性期病院の役割を発揮するため高額医療機器の整備を行っており、1床当り有形固定資産は全国平均を上回っている。
全体総括
当院は、高度急性期医療を担う地域の基幹病院として、心筋梗塞や脳卒中等、他の医療機関では対応が困難な三次救命救急医療、周産期医療、がん医療、災害医療等の分野で中心的な役割を果たすことが求められている。また、圏域外や急性期以外の病院・診療所との連携、介護専門職との連携、地域包括ケアを担う人材の育成等、地域包括ケアシステムにおける役割を果たすことも求められている当院に期待される使命を達成するために、今後も引き続き、経営強化や人材の確保・育成等の取組を推進し、安定した経営基盤のもと良質な医療を提供できる病院を目指していく。