地域において担っている役割
中核的な総合病院として、がん医療、救急医療などをはじめとする高度・専門・特殊な医療提供を行うとともに、筑波大学などと連携しながら地域の医療人材の教育研修機能を担っている。・県へき地医療支援機構・救急医療二次病院・難病診療連携拠点病院・第二種感染症指定医療機関・県がん診療連携拠点病院・専門研修基幹施設・連携施設・新型コロナウイルス感染症重点医療機関等
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、前年度に比べて8.9ポイント上昇した。②医業収支比率は、コロナ禍による受診控えがある程度解消したことや、地域連携医療機関の拡充や、主要な地域連携医療機関へ訪問し、患者紹介の働きかけを行ったことから、年度比2.8ポイント上昇した。引き続き医業収益の増及び費用の節減に努めていきたい。③累積欠損金比率は、前年度比11.0ポイント改善し、累積欠損金を解消した。④病床利用率は、前年度比0.4ポイント上昇し、類似病院の平均を下回っている。⑤入院患者1人1日当たりの収益は、前年度より増加したものの、類似病院の平均値を下回っている状況にある。更なる入院単価のアップなど、医業収益の増に努めていきたい。⑦職員給与費対医業収益比率は、前年度比2.7ポイント低下し、類似病院の平均値を大幅に上回っている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、上昇傾向にあり、類似病院の平均値を上回っており、施設の老朽化が進んでいることを示していることから、計画的な施設の更新等を検討する必要がある。②器械備品減価償却率は、前年度比1.1ポイント低下したものの、類似病院の平均値を上回っており、医療機械備品の老朽化が進んでいることを示していることから、計画的な医療機械備品の更新等を検討する必要がある。③1床当たりの有形固定資産は、類似病院の平均値を上回っていることから、適正な投資計画を策定する必要がある。
全体総括
医師確保、診療報酬のマイナス改定、消費税増税などに加え、新型コロナウイルス感染症に対応するための医療体制の整備が求められるなど、昨今の医療機関を取り巻く経営環境は、大変厳しさを増すとともに複雑となっている。高度急性期及び急性期診療を担う中核病院としての使命を果たすとともに、更なる入院単価のアップなど収益向上に努めるほか、診療材料の共同購入など経費節減に引き続き取り組むことで、収支の改善を図っていきたい。また、中央病院の本館は、既に築30年が経過して、施設の狭隘化・老朽化が進んでいることから、将来の医療需要や県立病院の役割等を踏まえ、病院の建替え等を含めた最適な整備のあり方を検討する必要がある。