地域において担っている役割
加古川市をはじめ東播磨医療圏域において、高度急性期から急性期の機能を担っている。救急医療においては、2次救急医療機関として機能しており、特に循環器領域、小児・周産期領域においては、当該圏域を超え広く受け入れを行っている。また、地域の基幹病院として、消化器センター、心臓血管センター、こどもセンター、周産母子センター、がん集学的治療センターを設置し、5大センターを中心に多くの診療科と連携しながら高度専門医療の提供を行うとともに、地域がん診療連携拠点病院として、より充実したがん治療を提供している。
経営の健全性・効率性について
令和2年度は新型コロナウイルス感染症への体制整備が整うまで、一部診療制限を実施したため、医業収支比率が100%未満となったが、令和3年度は通常診療と新型コロナウイルス感染症への対応を両立させた結果、医業収支比率が100%を超え、医業収支は大幅に改善された。収入に関しては、患者1人当たりの収益が入院・外来ともに増加しており、収益も効率的に確保できている。費用に関しては、費用対効果に則して購入品を精査するなど、材料費の効率化を徹底した結果、材料費対医業収益比率が前年度と同水準に保たれており、効率的な病院運営が図られている。
老朽化の状況について
平成28年7月に新病院への移転に伴い、建物を新築していることや一定数の器械備品を更新していることから、有形固定資産減価償却率は他団体と比べても低くなっている。また、1床当たり有形固定資産も他団体より大幅に低くなっており、効率的な病院運営が図られている。現在、病院の増改築を進めているため、今後は1床当たり有形固定資産は増加する見込みとなっている。
全体総括
東播磨医療圏域における急性期・高度急性期医療を担う病院として、乳児から高齢者まで市民が安心して医療を受けることができるよう、地域の医療機関と役割分担や連携を図りながら、地域医療を支えている。令和3年度の経営については、通常診療と新型コロナウイルス感染症への対応を両立させた結果、経営状況は新型コロナウイルス感染症の流行以前の水準に回復し、全国の類似団体の平均値を上回った。開院から順調な経営ができているが、感染症の流行や物価上昇など先行きが不透明な状況が継続しているため、引き続きより一層の費用の節減など経営基盤を強化する取組を進めていく。