地域において担っている役割
当院が地域において担っている役割として、救急医療では、2次医療圏で唯一の救命救急センターとして地域の重篤な救急患者の受入れを行っています。がん医療では、2次医療圏で唯一の国指定「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」として質の高いがん医療の提供を行っています。周産期医療では、「地域周産期母子医療センター」としてNICUを整え、充実した小児・周産期医療を提供しています。また、令和2年9月より新型コロナウイルス重点医療機関として主に中等症以上のコロナ感染者の受入れを行っています。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、入院外来ともに患者1人1日あたり収益が前年度に比べ増加したことなどにより、医業収支比率は0.9ポイント増加しました。また、新型コロナウイルス感染症の重点医療機関として国・県からの財政支援を受けるなど、経常収支比率は112.5%となり、累積欠損金比率は22.9ポイント減少しました。結果として、コロナ禍における厳しい経営環境の中でも病院事業が維持されていますが、医業収支比率は依然として100%を下回っている状況です。また、材料費対医業収支比率は前年度に比べ0.7ポイント増加し、職員給与費対医業収支比率は平均値に比べ依然として高い水準で推移しているため、引き続き収支の動向に注視しながら健全な財政運営に努めます。病床利用率は、重点医療機関として特別な病床運営を行っていることなどから、コロナ禍前に比べ低い水準にあります。今後は、アフターコロナを見据えた効率的な病床運営も検討していく必要があります。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率、類似病院より高く、平成7年の開院から27年を経過し、老朽化に伴う施設・設備の更新の必要性が高まっていることを示しています。今後は、施設・設備の修繕計画を策定し、医療の質を確保するとともに、計画的な投資により、施設・設備の長寿命化を図っていきます。なお、器械備品減価償却率については、機器の更新が進み類似病院よりも低い値となっています。
全体総括
令和3年度も、前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症に対応する重点医療機関として、主に入院加療が必要な中等症以上の患者の受入れを担ってきました。現在は新型コロナ患者受入れに対する国・県の財政的支援により病院経営は維持できていますが、アフターコロナでは非常に厳しいものになると想定しています。また、病院建設から27年が経過し、老朽化した施設・設備の維持管理や修繕費用の増加、診療体制の充実に伴う給与費の増加、高額な抗がん剤をはじめとする薬品費の増加など、費用面の増加も厳しい状況が想定されます。そのため、本年度からスタートした第3次中期経営計画を着実に進める中で、より一層の効率的な病院運営が図れるよう取組み、経営基盤の安定化が図れるよう取り組んでいきます。