地域において担っている役割
国指定の地域がん診療連携拠点病院であり、かつ、地域医療支援病院としての役割を担っています。また、24の診療科を配置し、急性期医療における地域の中核病院として、二次救急医療、地域周産期母子医療センターとしての小児・周産期医療、がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病等の専門医療の提供、第二種感染症医療、豊中市地域防災計画に基づく災害医療等に取り組んでいます。
経営の健全性・効率性について
新型コロナウイルス感染症患者の受入体制確保に係る空床数が縮小したことにより、医業収支比率は前年度比で3.7ポイント増加するとともに、経常収支比率も前年度に引き続き100%以上となったことで、累積欠損金比率は0.1%まで改善しました。一方で、入院及び外来患者1人1日あたり収益については、いずれも前年度比で増加しているものの、類似病院平均値の上昇額には及んでおらず、更なる改善が必要です。
老朽化の状況について
建設から24年が経過し、施設の老朽化が課題となっています。平成24年度には長期修繕計画を策定し、計画的な設備更新に取り組んでいますが、有形固定資産の減価償却率は類似病院平均値を上回っています。また、器械備品の減価償却率についても、前年度比で3.2ポイント増で、類似病院の平均値を上回っています。これは新型コロナウイルスへの対応による補償や収支の状況が不透明な中、経営の安定化を優先し、不急の設備投資を抑制したためと考えられます。
全体総括
地域との連携や役割分担を行いながら新型コロナウイルス感染症の診療を継続しつつ、急性期中核病院が担うがん診療などの高度専門医療を提供するとともに、限られた一般病床を活用して救急医療や通常診療の新規入院患者受入れに取り組むことで、医業収益増による安定した病院経営に努めます。一般会計繰入金については、病院経営の健全化を促進し、その経営基盤を強化するため、地方公営企業法(第17条の2及び第17条の3)や総務副大臣通知(地方公営企業繰出金について)の考え方に基づく、適正な繰り入れに向けて、市財務部との協議を進めます。