地域において担っている役割
県全域を対象とした高度急性期病院として、質の高い高度・専門医療を提供するとともに政策医療にも積極的に取り組んでいる。具体的には、5疾病・5事業をはじめとする各種診療の高度化と効率化を図りながら、チーム医療を更に推進し、高度・専門・政策医療を一層充実していくものである。また、地域医療支援病院でもあり、県立唯一の総合病院として、医療従事者の育成や地域内の医療機関等との連携を強化し、地域医療の支援を行うものである。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は平均を下回っているものの、②医業収支比率、⑤入院・⑥外来患者1人1日当たり収益は、平均を上回っており、医療の効率化等による平均在院日数の短縮などに、地道に取り組んできた成果が表れているものである。④病床利用率は、新型コロナウイルス感染症の影響等により減少しており、新入院患者の受入のための医師確保、地域連携及びベッドコントロール効率化を更に推進する必要がある。⑦職員給与費対医業収益比率は平均を下回っており、診療報酬加算の取得・維持等とのバランスも見ながら、計画的に人員確保を行っている。⑧材料費対医業収益比率は平均を上回っており、当院ががん患者の比率が高いことが要因の一つと考えられる。このことを踏まえ、価格交渉や報酬算定の精度向上をより一層進めていく必要がある。
老朽化の状況について
現院舎を供用開始してから令和3年度で40年が経過し、建設当時の想定を超えた医療技術・産業技術の進歩や、高度化・多様化した医療ニーズへの対応が難しくなりつつある。また、当院に求められる高度、専門、政策医療を提供していくためには、最新の医療機器及びシステムを設置するためのスペース確保や、設備更新及び修繕など、施設の老朽化への対応が課題となっている。
全体総括
経営については、医療機能や地域との医療連携の強化並びに経営効率化に向けて地道に取り組んできた成果が表れているものの、引き続き新型コロナウイルス感染症への対応が続くと見込まれることなどを踏まえ、一層の緊張感とスピード感を持って対応していく必要がある。老朽化が進む現院舎、医療設備については、当院の現状と課題などについて、改めて分析・整理を進めつつ、今後必要となる病院機能などについて青森市との共同経営・統合病院の新築整備の検討状況を踏まえ、将来像を検討していく必要がある。