函館市：市立函館病院

地域において担っている役割

市立函館病院は，三次医療圏（道南）の中核医療機関であり，救命救急センター，地域がん診療連携拠点病院，地域周産期母子医療センター，災害拠点病院，臓器提供施設，地方・地域センター病院などの役割を担っております。このほかにも，第二種感染症指定医療機関として感染症や結核患者の入院施設等の役割を担っており，高度急性期・急性期医療を中心に，不採算部門を含め，地域医療を担保するという役割を担っています。

経営の健全性・効率性について

平成30年度以降は入院患者数の増加による病床利用率の向上や，入院患者1人1日収益の増加により医業収益が増加したことにより，経常収支比率，医業収支比率，累積欠損金比率が改善されています。令和2年度以降，職員給与費対医業収益比率が上昇しているのは，会計年度任用職員制度の開始による給与費の増によるものです。令和2年度および令和3年度の病床利用率の低下は，新型コロナウイルスの影響により一時，病床制限を行ったためです。

老朽化の状況について

当院は平成12年の移転新築から令和3年で21年を経過していることから，施設の老朽化が課題の1つとなっており，施設設備の計画的な補修，改修が必要となってきています。令和2年度から新型コロナウイルス患者の診療体制強化のために医療機器等の新規購入を行っていたため，器械備品減価償却率が低下しました。

全体総括

経営効率化に向けた取り組みを継続しております。①収益の増加地域の医療機関との連携を強化し，紹介患者を積極的に受け入れ，入院件数を確保するとともに，平均在院日数の適正化により病床利用率の向上に努め，入院収益の増加を図ります。②経費の削減共同購入への参加や使用材料の見直し等を行い，薬剤材料費の更なる削減に努めます。③役割の維持・継続市立函館病院は道南地域の救急医療の最後の砦であり，様々な疾病に対応できる診療機能を備えた中核医療機関です。また，地域の医療機関に医師等を派遣する地方・地域センター病院であり，現在担っている役割を維持継続し，地域全体で質の高い医療を提供できるよう努めてまいります。