地域において担っている役割
高度救命救急センター、総合周産期母子医療センターを併設し、三次救急、周産期、小児の高度救急医療、がん、脳神経疾患、心臓疾患等の高度急性期医療、骨髄移植等の質の高い医療や災害医療、感染症医療等を提供する県下の基幹病院、及び県下における医療人材育成に係る拠点病院である。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、収益については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、診療単価の増加及び医業外収益の増加により増収となった。費用については、職員数増により給与費が増加し、さらに高額医薬品の使用増により材料費が増加した。この結果、収益の増が費用の増を上回り、収支改善し、経常収支比率及び医業収支比率ともに類似病院の平均値を上回ったことから、概ね健全な経営が確保できている。職員給与費対医業収益比率及び材料費対医業収益比率は年々増加しており、類似病院の平均値を上回っていることから、更なる経費縮減及び医業収益の確保等により効率的な運営を図る必要がある。
老朽化の状況について
平成25年度に新病院へ建替えを行ったことから、有形固定資産減価償却率については、類似病院の平均値を下回っている。器械備品減価償却率については、類似病院の平均値を上回っており、経営への影響を考慮しながら計画的に医療機器等の更新を行っていく予定である。
全体総括
平成29年度から令和3年度まで経常収支比率は100%を超え、黒字を確保しており、また、累積欠損金も抱えていないことから安定的な経営ができている。ただし、H25年の新病院建替の際に整備した医療機器等の減価償却が進んでおり、順次更新していく予定としていることから、影響を注視する必要がある。愛媛県公営企業管理局では、県立4病院を対象とし、令和3年度から令和7年度までの5年間を実施期間とする「第2次愛媛県立病院中期経営戦略」を令和3年3月に策定した。引き続き、当該戦略に基づき経営の効率化など各種取り組みを進めていき、健全経営の確保を図るとともに、県立病院に求められる医療の提供を行っていけるよう努める。