地域において担っている役割
埼玉県の都道府県がん診療連携拠点病院に指定されているがん診療専門の医療機関であり、地域の医療機関と連携して本県のがん医療水準の向上に努めている。平成25年度に病床数503床となり、多くのがん患者を受け入れる設備が整っている。令和3年度は、手術支援ロボット・ダヴィンチを活用した低侵襲の手術件数を増やすとともに、がん以外の正常組織への影響を最小限とする高精度放射線治療の積極的実施、がんゲノム医療の推進など、高度で先進的ながん治療を推進した。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、100%を0.8ポイント下回ったが、新型コロナウイルス感染症に関連する補助金が増加したこと等により、前年度を0.1ポイント上回った。②医業収支比率は、新型コロナウイルス感染症の影響で医業収益が減少したこと等により、前年度から4.9ポイント低下した。③累積欠損比率は、前年度39.0%であったが、地独化に伴い累積欠損を解消したため0.8%まで低下した。④病床利用率は、新型コロナウイルス感染症の影響により患者数が減少したこと等により、前年度から6.1ポイント低下した。⑤⑥入院患者、外来患者の1人1日当たり収益は、ともに前年度から上昇した。⑦職員給与費対医業収益比率と⑧材料費対医業収益比率は、独法化して医業収益に代わり営業収益が算式に使われることになったため、前年度の⑦47.5%、⑧39.8%を下回った。
老朽化の状況について
①~③の指標については、法人化に伴い県から資産を引継いだ際、減価償却累計額を差引いた額を取得価額とする整理を行ったため、前年度から大幅に低下している。今後、数年以内に新病院オープン時に購入した医療機器の更新時期がまとめて到来する。医療機器は高度・専門医療の提供に要する備品であるが、更新に備えて十分な医業収益を確保していく必要がある。
全体総括
平成25年度の新病院建設に伴い103床増床したが、がん治療の均てん化が進み、特に消化器外科系で競合が激しくなっている。令和3年度には患者サポートセンターを設置し、患者が安心してスムーズに治療できる環境の整備に努めているほか、がんゲノム等先進的な医療に取り組むなどしている。また、化学療法が入院から外来にシフトしているため、通院治療センターのさらなる充実を図っている。今後は地域医療機関と患者の紹介・逆紹介に努めるなど連携を強化し、充実した医療の提供を拡充していく。今後は、新型コロナウイルス感染症の動向を注視しながら、地域連携強化により患者数や病床利用率の増加を図り、より多くの県民への高度医療の提供に努めていく。