地域において担っている役割
岐阜県東濃地域の基幹病院として近隣の医療機関等との役割分担・連携のもと、3次救急を担うとともに、NICU、地域周産期母子医療センター、精神科病棟、結核病棟、感染症病棟、緩和ケア病棟を有し、また地域がん診療連携拠点病院として高精度放射線治療センターを整備するなど、地域で必要とする高度急性期・急性期を対象とした医療の提供を果たしていきます。
経営の健全性・効率性について
●経常収支比率・医療収支比率・累積欠損金比率昨年度に引き続き赤字となり、経常収支比率は増加しました。医業収支比率は平均値より4.3ポイント高くなっています。●病床利用率平均値より5.2ポイント高い利用率となりました。今後も医療連携強化などにより入院患者を増やす努力をしていきます。●入院患者・外来患者1人1日当たり収益入院収益及び外来収益共に、平均値より低いため増収に向けて努力していきます。●職員給与費対医業収益比率平均値より2.6ポイント低くなっています。今後も適正な人員配置となるようにしていきます。●材料費対医業収益比率平均値以下であり特に問題ありません。引き続き薬価等の償還価格の算定に努めます。
老朽化の状況について
●有形固定資産減価償却率しばらくは中央診療棟の建替により増加傾向となりますが、計画的に更新等を行っていきます。●器械備品減価償却率平均値と比較して3.3ポイント高くなっていますが、今後は耐用年数を経過する医療機器が増えていきますので、更新計画に基づき優先度を考慮しながら更新していきます。●1床当たり有形固定資産基幹病院としての役割を担うため、施設の状況を考慮すると、更なる整備が必要な状況です。今後の中央診療棟の建替と資金及び劣化状況を判断したうえで、優先度の高いところから計画的な整備を行っていきます。
全体総括
当病院事業は、3年連続赤字となり、経営の健全性の確保のために努力していく必要があります。他の医療法人が行わない社会性を帯びた不採算な医療部分や、当面は新型コロナによる収入の減などの影響があると考えていますが、老朽化・狭隘化した中央診療棟の建替を進めるなどにより、十分な役割・機能を発揮することを目指します。併せて収益も国の医療制度改革や診療報酬改定等に迅速に対応し、効果的医療の推進、DPC特定病院群の取り組み、医療連携推進や役割分担強化による新規入院患者の獲得等を行っていきます。費用も、適正な人員配置、材料費や委託料の節減や多様な契約手法の導入などによる費用削減を目指します。今後も、岐阜県地域医療構想及び岐阜県保健医療計画に基づき、東濃地域の基幹病院として、近隣の医療機関との役割分担・連携の下、高度・先進医療、急性期医療、政策医療等の県民が必要とする医療を提供していきます。