地域において担っている役割
中東遠二次医療圏を中心とした静岡県西部地域における中核病院として、医師・看護師・薬剤師・その他医療技術者の確保と、地域の医療ニーズに対応するため必要な医療機器や設備の充実を図り、病診連携・病病連携を推進している。①高度急性期・急性期医療の提供②公立病院として政策医療の提供③各種センター機能の維持強化④地域医療機関との連携強化⑤教育支援・医療情報の発信
経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、前年度より2.2ポイント上昇し、医業収支比率は、1.6ポイント減少した。これは、医業収益は増加したものの、給与費や材料費など医業費用が収益を上回って増加したこととと、国・県補助金が収入され医業外収益が増加したことが影響している。累積欠損金比率が高いのは、高額な減価償却費等により純損失が続いているためである。病床利用率も、新型コロナウイルス感染症の影響により、前年より2.6ポイント減少している。1人1日当たり入院収益・外来収益は、平均値を下回っているが、診療科構成や医師の偏在等の影響もあるため、すぐに改善することは難しい。職員給与費対医業収益比率は、昨年より0.1ポイント上昇している。これは給与費が増加したことによるものである。材料費対医業収益比率は、薬品費の増加により昨年より1.4ポイント上昇している。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は66.4%であり、平均値よりも11.0ポイント高く、有形固定資産の老朽化が進んでいる。これは平成10年の病院開院から23年が経過したことによるものである。器械備品減価償却率は前年から1.3ポイント下がっている。1床当たり有形固定資産が約6,700万円と平均値を約800万円上回っているが、これは備品の購入・更新に積極的に投資しているためである。建物設備については2031年までの修繕計画に基づき修繕を行い、器械備品については既存器機の更新計画に基づき、適宜更新を行っていく。
全体総括
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により入院収益は減少したものの、外来収益が増加したことに加え、コロナ対策の補助金により医業外収益が増加したため、黒字化した。入院単価はアップしたが、患者数の減少により入院収益は減少した。外来収益は患者数の増加、高額薬剤の使用等による単価のアップにより前年より増やすことができた。入院・外来とも1人1日当たり収益が平均値より低いため、引き続き単価アップに努めていく。費用面では、引き続き設備や人材の有効活用に努め、経営の改善を目指していく。施設の老朽化には、2031年までの修繕計画をたて、計画的に対応している。