地域において担っている役割
地域医療支援病院、難治性の呼吸器疾患医療、結核医療及びアレルギー性疾患医療のセンター機能、エイズ治療拠点病院、大阪府がん診療拠点病院(肺がん)、難治性多剤耐性結核広域圏拠点病院、労災保険指定医療機関、大阪府アレルギー疾患医療拠点病院
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率:コロナ禍や肺腫瘍内科専門医の減少等により、延べ入院患者数は伸び悩んだものの、DPC適正運用の取組み強化による入院単価の大幅向上等により、医業収益が増加した。あわせて、コロナ患者受入れ等に関する補助金収益が増加したことから、前年度を9.3ポイント上回った。②医業収支比率:コロナ禍や肺腫瘍内科専門医の減少等により、延べ入院患者数は伸び悩んだものの、DPC適正運用の取組み強化による入院単価の大幅向上等により、主に入院収益の増に伴う営業収益が増加したため、前年度を4.3ポイント上回った。③累積欠損金比率:令和2年度以降累積欠損金は発生していない。④病床利用率:一般病床をコロナ専用病床として運用したことや、肺腫瘍内科専門医の減少に伴う、肺がん入院患者数の落ち込み等があったことから、前年度を6.6ポイント下回った。⑤入院患者1人1日当たり収益:DPC適正運用の取組み強化等によって、前年度より12,116円増加した。⑥外来患者1人1日当たり収益:前年度より372円減少した。⑦職員給与費対医業収益比率:退職金による給与費増加はあったものの、営業収益が増加したため、前年度より3.0ポイント改善した。⑧材料費対医業収益比率:コロナ禍等に伴う患者数減により材料費が減少したことに加え、営業収益が増加したため、前年度より1.9ポイント改善した。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率:前年度より2.4ポイント増加し、類似病院平均値を16.6ポイント上回った。老朽化が進んでおり、令和5年5月の新病院開院を予定している。②器械備品減価償却率:令和5年5月の病院建替えに向けて医療機器の大規模更新を見合わせていることから、前年度より4.6ポイント増加した。③1床当たり有形固定資産:②器械備品減価償却率と同様の理由により、前年度並みの実績となっている。類似病院平均値を15,630千円下回り、類似病院の7割弱にとどまっている。
全体総括
DPC適正運用の取組み強化により、診療の標準化、診療の質の向上が進んだ結果、入院単価の向上につながっている。一方で、コロナ禍ならびに当センターの診療の大きな柱の一つである肺がん診療に係る肺腫瘍内科専門医の減少により、延べ入院患者数が減少した。今後も良質な医療サービスを継続的に提供するために、医療ニーズの質の変化や患者動向等にも迅速に対応できるよう、医師をはじめとする医療スタッフの確保に取り組むとともに、建替えを契機に、専門病院・拠点病院として、さらなる診療領域の拡大・充実をはかることで、新規入院患者数の増加を図り、更なる経営改善、安定的な病院経営に取り組んでいく。