地域において担っている役割
急性期医療の役割を担う地域の急性期基幹病院として、がん治療、小児・周産期医療、救急医療等の高度で専門的な医療を提供するとともに、より重篤な患者への対応に注力できるよう、地域の医療連携のネットワークを強化しています。また、新基準での災害拠点病院、DMAT指定病院となり災害医療体制の強化に努め、神奈川県がん診療指定病院に指定される等、病院機能の充実を続けています。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、前年度比7.6ポイント増の108.5%となっており、健全経営の水準とされる100%を上回りました。一方、医業活動における経営状況を示す医業収支比率は依然として100%を下回っており、新型コロナウイルス感染症への対応に伴う補助金等の医業外収益に依存した経営状況となっています。また、病院施設の稼働状況を示す病床利用率は、前年度比1.7ポイント増の66.1%となっています。なお、入院外来収益単価ともに上昇傾向にありますが、新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬の特例の影響もあることから、今後の動向に注視する必要があります。引き続き、新型コロナウイルス感染症に的確に対応しつつ、経営の健全化に向けた取組を進めます。
老朽化の状況について
当院の現在の建物は、平成12年に西側が、平成15年に東側がそれぞれ完成し、現在まで時代の要請に応えるために診療機能の充実及び、建物の改修を行ってきました。平成31年度からは、病院機能の充実を図ることを目的とした別棟の建設工事及び本館の改修工事を順次実施しており、令和5年度中には全ての工事が終了する予定となっています。なお、医療機器の更新については、耐用年数を過ぎた機器が多数あるものの、各機器の状況に応じて修繕及び更新を順次行っています。
全体総括
平成28年度以降、大幅な赤字決算が続いたことを受け、令和元年9月に「茅ヶ崎市立病院リバイバル・ロードマップ」を策定し、将来にわたり健全な経営環境のもと、地域の基幹病院として市民に安全で良質な医療が提供できるよう、経営形態の変更に関する検討も含め、経営の健全化に向けた取組を進めています。一方、令和元年12月より世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症の影響により、今後の医療現場の見通しは非常に不透明な状況となっています。こうした状況の中にあっても、医療を安定的かつ継続的に提供することができるよう、新型コロナウイルス感染症の状況に的確に対応し、引き続き経営の健全化に向けた取組を進めていきます。