地域において担っている役割
むつ総合病院は、下北地域保健医療圏の中核的な役割を担う病院として、むつ市及び下北郡内4町村のほか、医療圏に隣接する周辺地域を含め約8万人の医療を支えています。当地域から三次救急医療機関までは90分以上を要するため、地域完結型の医療を提供する責務があり、救急外来をはじめ、小児科、産婦人科、メンタルヘルス科等の診療も行い、災害拠点病院、へき地医療拠点病院、地域がん診療病院等の指定を受け、高度で良質な地域医療の確保に努めています。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率・医業収支比率は、分娩件数の増加や新規の施設基準の取得等による入院診療単価の増加のほか、外来においては新型コロナウイルス感染症の影響による患者数の減少が回復してきたことに伴い、入院・外来収益が増加したため、増加しています。累積欠損金比率は、純利益の計上によって増加しています。病床利用率は、新型コロナウイルス感染症の影響による入院患者数の減少のほか、新型コロナウイルス感染症に対応するため新型感染症センター(20床)を建設したことによる病床数の増加に伴い減少しています。。入院患者及び外来患者1人1日当たり収益は、新たな施設基準の取得や高額薬品による治療が必要な疾患を有する患者の増加が影響し、前年度より増加していますが、診療単価の低いメンタルヘルス科の診療が影響し、全国平均を下回った数値となっています。職員給与費対医業収益比率は、入院・外来収益の増加により医業収益が増加し、退職手当組合負担金の減少により給与費が減少したため、減少しています。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率は、診療所においては80%を上回ってるところもあり、全国平均を上回り全体的に老朽化が進んでいます。1床当たり有形固定資産は、各診療所の有形固定資産数値も含まれており、むつ総合病院単独で見た場合は、43,722,848円と全国平均を下回っています。
全体総括
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による患者数の減少が回復してきたことに伴い診療収入が増加したことにより、前年度と比較して医業収益が増加し、純利益の計上によって累積欠損金比率は減少しています。今後は、新型コロナウイルス感染症の影響を見極めつつ、長年の課題であった老朽化の著しい一般病棟の建替えを見据え、更なる経営の健全化に取り組んでまいります。