地域において担っている役割
地域医療支援病院として、救急医療の提供、及び紹介患者に対する医療の提供、並びに回復期・慢性期の患者における地域の医療機関との連携を推進している。また、地域がん診療連携拠点病院、地域救命センター、災害拠点病院、災害医療派遣チーム(DMAT)指定病院、へき地医療拠点病院、地域周産期母子医療センター、及び第二種感染症指定病院の指定・認定を受けるなど、高度急性期機能及び急性期機能を軸として、5疾病・5事業に加え、新興感染症の感染拡大時における医療を含めた医療提供体制を整えている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率について、R1には延べ患者数の減少により収益が減少し、100%を割ったが、R2及びR3には交付金等の増収により100%を上回った。医業収支比率について、R2は新型コロナウイルス感染症の影響による患者数の減少などにより悪化したが、R3は減価償却費等の減少により費用が削減されたことなどが影響し改善した。病床利用率について、新型コロナウイルス感染症患者の入院加療への対応に伴う一部診療制限等により減少した。入院患者1人1日当たり収益は平均を下回ってはいるものの、かかりつけ医の推進等、医療機能の更なる分化・連携を継続して進めてきた結果、上昇傾向にある。外来患者1人1日当たり収益は平均を下回ってはいるものの、外来化学療法の増加等に伴い上昇傾向にある。職員給与費対医業収支比率は平均値を上回っているが、不採算医療の提供が原因と考える。材料費対医業収益比率は平均値を下回り、25%程度を推移している。
老朽化の状況について
現在の建物は大規模な増改築から19年が経過しており、有形固定資産減価償却率が上昇傾向にあることからも老朽化が進んでいることがわかる。がん診療連携拠点病院や地域救命センターなど砺波医療圏で当院のみが指定・認定を受けている事業に必要な整備投資を行っているため、減価償却率は平均値に比べ高くなっている。H30は電子カルテシステムの更新を行ったことから一時的に器械備品減価償却率が減少したが、R01に償却開始となったことから再び増加している。
全体総括
病床機能の分化と連携を進め、新公立病院改革プランに基づき引き続き健全経営を目指すとともに継続的な経営改革の取組みを進めていき、経常収支比率100%以上を維持し、コロナ禍にあっても安定した経営のもとで安全で安心できる質の高い医療の提供に努める。施設等の老朽化の状況を適切に分析し、H30に策定した中長期修繕計画に基づき、R03は水熱源空調機器やチラー・冷却塔、ボイラーの更新を行った。引き続き計画的に設備更新等を進めていくこととする。