地域において担っている役割
県西二次保健医療圏における基幹病院として、高度急性期・急性期医療を中心に、救急・小児・周産期といった公立病院に期待される医療を安定的に提供することで、地域の住民が安心できる役割を担っています。また、新型コロナウイルス感染症対策としては、神奈川県の医療提供体制「神奈川モデル」における県西地域唯一の高度医療機関として、県との協定に基づきコロナ専用病床を確保し、圏域内の疑似症から重症患者までシームレスな診療を当院で行いました。
経営の健全性・効率性について
「①経常収支比率」「②医業収支比率」昨年度に引き続き新型コロナの感染拡大の影響を受けましたが、コロナ禍においても収益の確保と費用の見直しを行い、平成28年度以降、6年連続で100%を超え、経常利益を計上しています。また、医業収支比率についても、昨年度から大幅に改善しましたが、引き続き新型コロナの感染状況に注視しつつ、経営改善に努めていく必要があると考えています。「④病床利用率」「⑤入院患者1人1日当たり収益」昨年度は新型コロナ感染拡大の影響から、病床利用率が大幅に低下しましたが、断らない救急の推進や患者の積極的な受入に努め、コロナ診療と一般診療を両立したことから、病床利用率は増加しました。また、患者単価は、コロナ診療や救急救命センターへ多くの重症患者を受け入れたことなどから増加しました。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」「②器械備品減価償却率」当院の建物は建設後39年以上が経過しているほか、医療機器は定期的なメンテナンスを行い、できるだけ長く使用するよう努めています。減価償却率の数値が平均値を超えていることから、他病院と比べ当院の有形固定資産及び機械備品は老朽化が進んでいると判断できます。現在当院では、老朽化と狭隘化の進む病院施設の建替えに取り組んでいます。令和8年の開院を目指し事業を進めていますが、新病院完成までの間においても、固定資産の計画的な維持や更新に取り組む必要があると認識しております。
全体総括
昨年度に引き続き、新型コロナの影響を受けましたが、病院職員が一丸となり経営改善に努めるとともに、新型コロナ関連の補助金を得られたことなどから、平成28年度以降6年連続で経常利益及び純利益を計上することができました。今後も医療を取り巻く環境は厳しいと予想されます。また当院は新病院の開院に向けて、設計や調査など様々な事業を実施しています。着実に事業を進めていくためにも、引き続き経営改善に努めていく必要があり、地方公営企業法全部適用に移行した効果を検証するとともに、更なる経営形態の見直しの可能性についても検討する必要があると考えています。