地域において担っている役割
「患者の幸せを職員の幸せにつなぎ、地域から信頼される病院になります」という理念のもと、市内唯一の公立病院であり、急性期医療を提供する地域の中核病院として、良質な医療を安定的かつ継続的に提供しています。新型コロナウイルス感染症への対応については、発熱外来、帰国者接触者外来を設置しPCR検査を実施するとともに、重点医療機関として重症を含む入院患者を受け入れました。また、住民へのワクチン集団接種事業に当院医師、看護師、薬剤師が加わり、予防、診断、治療において一定の役割を果たしています。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症専用病棟確保等により病床利用率は7.6ポイント減少しましたが、入院単価が4,985円上昇したため、医業収支比率は1.3ポイント改善しました。また、新型コロナウイルス感染症関連補助金の増加等も影響し、経常収支比率は6.2ポイント改善しました。過去5年間の傾向として、材料費対医療収益比率は逓増し、職員給与費対医療収益比率は類似病院平均値に比べ高い割合で推移しています。改善に向けさらなる増収に取り組み、今後の健全経営につなげます(本項目における比較は、すべて令和2年度と令和3年度との比較)。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、S59年に竣工した病院開設当時の建物の減価償却が進んでいるため、平均よりも高くなっていると考えられます。器械備品減価償却率は、老朽化した器械備品も多いため高くなっていると考えられますが、今後も計画的な更新を図っていく必要があります。1床当たり有形固定資産が平均より高いのは、敷地面積及び床面積が類似病院より大きいこと、また、許可病床が過去の480床から減少していることが要因であると考えられます。
全体総括
地域医療支援病院としての役割を果たし、必要な医師の確保及び計画的に施設・器械備品を更新していくことで、経営の健全性・効率性の改善を目指します。