地域において担っている役割
地域の中核病院として、高度医療・急性期医療及び政策的医療である小児・周産期医療を持続的に提供すると共に、救命救急センターとして「断らない救急」の実践のほか、地域の医療機関との連携及び役割分担の下、地域医療を支援します。また、臨床研修病院としての教育機関、がん診療連携病院、災害時の医療拠点病院及び第二種感染症指定医療機関などの機能を持ち、それぞれの役割を果たします。
経営の健全性・効率性について
前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたものの、入院患者1人1日当たり収益、外来患者1人1日当たり収益が増加したことにより、医業収支比率は前年度から回復傾向にあります。医業収益の増加に伴い、材料費も増加したことにより、材料費対医業収益比率は前年度とほぼ同じ数値となった一方、職員給与費対医業収益比率は前年度より減少しました。補助金の影響により、経常収支比率は昨年度に引き続き100%以上となり、累積欠損金比率は前年度より減少しました。
老朽化の状況について
平成31年3月に完了した市民病院整備事業において、新館の建設及び既存棟の改修を行い、診療機能の高度化と診療体制の充実を図ったことにより、有形固定資産減価償却率は平均を下回っています。一方、建設投資をしたことにより、1床当たり有形固定資産は、平均を上回っています。また、器械備品の更新は、経営状況をみながら計画的な対応を進めます。
全体総括
昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症対応に追われた1年となりましたが、通常診療の継続に努め、地域医療や市民の安全を守るための重要な役割を果たしています。今後も、新公立病院改革ガイドラインに基づき策定した市民病院将来構想の実現に向けて取組を進めるとともに、必要な人材確保や高度医療の充実などにより収益の更なる向上を目指す一方で、効率的な運営により経費削減を図り、健全経営に取り組んでいく必要があると考えます。