地域において担っている役割
市立伊丹病院は公立病院として地域に必要とされる急性期医療の提供に努め、市民の生命と健康を守ってきた。地域医療支援病院として地域の診療所からの紹介患者を受け入れると共に、救急病院として急性期患者の受け入れを中心に阪神北準圏域における伊丹市内の救急車の受け入れについて基幹的役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は令和2年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により入院患者数が減少したものの、1人1日当たりの収益が増加したこと、及び外来患者数が回復したことに伴い、医業収益が上がったため、医業収支比率は僅かに回復した。また、国・県からの補助もあり、純利益を計上することができ、累積欠損金が減少した。収支の改善に向けて、引き続き、地域の医療機関との連携を強化し、患者数の増加を図ると共に、安全で効率的な診療に努める必要がある。
老朽化の状況について
当院の建物は昭和58年に建てられたもので、特に設備の老朽化が著しく進んでいる。そのため年次計画に基づく計画保全を実施しているが、経年劣化により想定外の故障・漏水等が発生し、応急的な修繕を行い、病院機能を維持している。また、高度急性期病床や回復期病床の不足などの地域医療の現状があることから、今後は地域医療構想における役割を果たすため、地域の基幹病院との統合再編を行い、統合再編基幹病院として建て替えを行っていくことになっており、実施設計を基に今後も計画的に整備を進めていく。
全体総括
施設の老朽化と医療機能の向上に対応するため、令和元年度に策定された「市立伊丹病院と近畿中央病院の統合再編に係る基本方針」に基づき、令和8年度中の開院を目指し、統合再編基幹病院の整備事業を進めている。今後も計画的に整備事業を進めるとともに、安定的・継続的に地域完結型医療を推進し、安全で質の高い医療提供体制を構築していくため、地域の医療機関と密に連携を図り、診療機能の充実と経営の健全化に努めていく。