大館市：総合病院

地域において担っている役割

「大館・鹿角圏域」の中核病院として、次の役割を担います。①急性期医療の提供②救急告示病院としての役割③精神科拠点病院としての役割④周産期母子医療センターとしての役割⑤回復期医療の提供と在宅復帰支援⑥認知症疾患医療センターとしての役割⑦地域医療連携の推進

経営の健全性・効率性について

前年度に引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、患者数は若干持ち直したものの純損益が約４千万円減少し、①経常収支比率、②医業収支比率ともに、前年度より悪化しました。赤字が継続していることによる③累積欠損金比率の上昇を抑え、解消に向かうためにも、収入の根幹となる診療収入の増加が不可欠であり、平均を下回る④病床利用率の改善が急務となっています。また、⑤・⑥の入外患者の１日当り収益はほぼ同額となり、⑦については給与費の比率が増加していますが、これは新型コロナウイルスの検査などの診療対応による手当等の増加によるものです。⑧の増加の原因は抗がん剤等の高額な薬品の使用が増えたことによる薬品費の増加が影響しています。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率、②機械備品減価償却率については、ほぼ平均を下回っていますが、医療情報システムの更新と新型コロナ対応等による医療機器の購入によるものです。③については、昨今の厳しい経営状況により施設の改修や設備機器の更新など、建設投資を抑制してきたことが原因となっており、１床当り有形固定資産が平均値を下回る結果に繋がっています。

全体総括

当院は、地域医療圏における中核医療機関として、がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センターなどの役割を果たすとともに、新型コロナウイルス感染症患者受入医療機関として患者受入れに対応しました。課題であった地域救命救急センターの設置に向けては、循環器内科医師の増員配置により５月から心臓カテーテル治療を開始したほか、医療従事者の増員と待機体制が整ったことで１０月からは２４時間体制での緊急手術が可能になるなど、医療体制の拡充が図られました。今後も、市民が必要とする医療を地域で受けられる体制の構築を目指し、経営の安定化と安全安心な医療の提供に努めてまいります。