地域において担っている役割
当院は、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、救命救急センター、地域周産期母子医療センター等の指定を受けており、飯伊医療圏における中核病院として、救急医療、周産期医療、高度医療など急性期医療を中心に、地域の皆さんに安全・安心で質の高い医療を提供する役割を担っている。新型コロナウイルス感染症への対応では、感染症指定医療機関として、外来・入院診療を行っている。入院診療では長野県から重点医療機関の指定を受け、専用病棟に必要な病床を確保し、即応した対応を果たしている。
経営の健全性・効率性について
令和3年度決算は、純利益が2億3,200万円余となり4年連続の黒字決算となった。医業収支は患者減少などの影響により9億3,600万円余の損失を計上したが、新型コロナウイルス感染症への対応に対する補助金収入を7億5,700万円余得られたことなどから、黒字を確保することができた。令和3年度は市立病院中期計画(令和元~3年度)の最終年として、これまでの実績評価を踏まえ各部署で行動計画を策定し、基本方針の実現に向けた取り組みを進めた。
老朽化の状況について
当院では各施設の老朽化が進行していることから、飯田市病院施設等長寿命化計画により施設の長寿命化を進める。この計画は、各施設の現状を把握し必要な点検箇所や修繕計画を明確にすることで、施設の長寿命化を図る。また、概ねの目標使用年数を設定することにより、維持管理・設備更新・医療機器更新等を計画的に実施し、これらに係るトータルコストの縮減や予算の平準化を進めることにより、安全・安心な施設環境を確保していく。
全体総括
令和3年度は、これまでの中期計画(第3次)を振り返り、現在の地域医療を取り巻く現状や医療の方向性などを踏まえ、今後実現していきたい病院の姿を院内で共有し、新たに第4次中期計画(令和4~9年度)を策定した。新型コロナウイルス感染症の収束が未だ見通せない状況ではあるが、新たな計画で描いたビジョンを実現するための取り組みを着実に進め、地域の医療を守り地域住民の健康を支えるという当院の使命を果たしていく。