地域において担っている役割
当院は、平成26年7月に救急科を開設、平成27年3月には救急・外来棟を開設するなど「断らない救急」を目指し、救急医療に力を入れている。また、心臓血管センター・脳血管センターを設置し、心臓血管疾患、脳血管疾患の患者を24時間体制で受け入れており、第二種感染症指定機関として、感染症病床10床を備え、新型インフルエンザ等の感染症発生時における入院治療なども実施している。令和2年1月には、医療機能の更なる充実と良質な療養環境を提供するため、入院・診療棟を開設した。新型コロナウイルス感染症への対応においては、感染が広がる中で第二種感染症指定機関として、通常診療を継続しながら、受入体制を確保し、感染症患者の入院治療を実施している。
経営の健全性・効率性について
②医業収支率及び④病床利用率については、新型コロナウイルス感染症の感染状況や県独自のものも含めた緊急事態宣言の影響による受診控えが大きく影響し、悪化している。一方で、①経常収支比率については、令和2年度では、新型コロナウイルス感染症関連の補助金の措置を活用しながら、受入体制を確保し、感染症患者の入院治療を実施することで、改善している。③累積欠損金比率の減少は、名古屋市立大学医学部付属病院化に伴い、不要となった退職給付金を取り崩し、特別利益に計上したことによる。⑦医業収益が減少したことに伴い、職員給与費対医業収益比率が増加した。
老朽化の状況について
令和元年度に入院・診療棟の開設に伴い、更新年度を迎えていた老朽機器等の更新が図られたこと等により①有形固定資産減価償却率及び②器械備品減価償却率は、減少している。また、③1床当たりの有形固定資産は、入院・診療棟の開設に伴う建物の固定資産が増加したことにより大きく上昇した。
全体総括
新型コロナウイルス感染症の感染状況や県独自のものも含めた緊急事態宣言の影響による受診控え等により、入院患者数が減少し、厳しい病院経営となっているが、引き続き、新型コロナウイルス感染症関連の補助金を活用しながら、受入体制を確保し、感染症患者の入院治療を実施していく。また、投資した施設・設備や人員体制を活用することにより収益の確保に取組み、経費等の削減に努め、安定した経営のもと、地域における必要な医療提供体制の確保を図り、高度・専門医療等を提供する役割を継続的に担っていく。