地域において担っている役割
周辺には急性期医療を提供する総合病院がないため、救急・小児・周産期・災害・精神などのいわゆる不採算・特殊部門にかかわる医療の提供を行っている。又、この地域の医療・介護連携の拠点的役割も担い、次世代に通じる包括的な医療・介護サービスをコントロールするハブ機能の役割も担う。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率が100%以上、医業収支比率も98%前後を維持しており、累積欠損金比率もなく、健全な経営状態であると思われる。また、収入としては入院・外来ともに1人1日あたり収益は全国平均を若干上回っており、経費的にも職員給与費対医業収益比率および材料費対医業収益比率は全国平均を下回っていることから、効率的な経営がなされていると思われる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率がほぼ全国平均値であり、全体的な老朽化は平均的である。また機械備品減価償却率が全国平均より下回っており、比較的機械備品については新しいものが多い傾向がある。また、1床あたりの有形固定資産が全国平均の1.8倍と大きい。これは当院より半径4km圏内には100床以上の総合病院がなく、305床という中規模施設でありながら、地域の中核病院としてPET-CT、サイクロトロンをはじめ手術支援ロボットや心臓専用SPECTなど高度医療機器を導入しているためと思われる。しかしながら、新しい高度医療機器の導入が集客と収入の確保につながっており、適切な投資の範囲と考える。
全体総括
健全で効率的な経営が維持できていると思われる。