地域において担っている役割
能登中部医療圏の自治体病院としての役割を果たすため下記の事項に取り組んでいる。・高度専門医療や救急医療への取り組み・回復期医療への取り組み・政策医療・不採算医療への取り組み・能登北部医療圏の公立病院への診療支援・地域医療連携への取り組み
経営の健全性・効率性について
平成29年度は昨年度に続き経常収支比率、医業収支比率ともに増加傾向であり、類似病院との比較でも平均値を上回っている。これは、薬品費の減少や建物に係る減価償却が順次終了していくことにより、医業費用が大きく減少したことが影響している。しかし、医業収益については、入院診療単価の減や外来患者数の減等により、減少傾向となっている。医業収益の減少や退職給付費の増加などにより、職員給与費対医業収益比率は昨年度に続き増加傾向にある。類似病院の平均と比べても高い数値となっており、今後は、適正な職員配置等により、給与費の抑制を図る必要がある。
老朽化の状況について
現在の病院施設は平成11年度に完成したもので施設の経年化が進んでいる状態である。建物に係る減価償却が終了する平成42年以降には30年以上経過することとなり、病院施設の建て替え等検討する必要がある。器械備品減価償却率は類似団体の平均を上回っており、経年比較においても上昇傾向であるため、更新整備が遅れている状況にある。このことから、限られた財源を有効に活用するため、更新が必要な機器を精査しながら更新整備を進めて行く。
全体総括
能登中部医療圏の自治体病院としての役割を継続して果たしていくためには、病院事業の健全経営を続けることが必要である。能登地域における少子高齢化や都市圏への人口流出など、年々患者数が減少していく中、診療報酬改定や地域の医療ニーズに適切に対応し収益を確保するとともに、地域における医師不足対策を継続しつつ人員配置適正化の検討により給与費の適正化を目指す等、引き続き経営健全化の取り組みを継続していく。