地域において担っている役割
本院は長年にわたり、救急医療や災害医療および小児周産期医療の中核病院として、地域の医療需要に応えてきました。また、平成24年には県央二次医療圏唯一の地域がん診療連携拠点病院として国から指定を受け、県央地域のがん医療のけん引役として治療や活動に努めています。これらのことから、本院が地域から求められる役割は、構想区域における基幹病院の一つとして、また急性期医療の拠り所としてあり続けることであり、その機能の充実と強化に努めていかなければならないと考えています。
経営の健全性・効率性について
入院患者1人1日当たり収益は増加傾向にありますが、病床利用率は全国平均を大幅に下回っており、その結果、経常収支比率や医業収支比率が悪くなるなど、病院経営は大変厳しい状況になっています。また、職員給与費対医業収益比率や材料費対医業収益比率も増加傾向にあるなど、費用に見合った収益をあげられていない状況になっているため、その原因を分析し収支改善に努めていくことが喫緊の課題と考えています。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率と器械備品減価償却率は全国平均とほぼ同じであることから、平均的な年数で有形固定資産と器械備品の更新を行なってきていると考えています。しかし、経常収支比率が100%を切っている状況であるため、更新費用については起債に依存している状況です。また、1床当たり有形固定資産も平均値を上回っている状況であるため、今後は経営状況を踏まえながら購入機器の選定や施設改修等の時期を見極めていくことが必要であると考えています。
全体総括
本院は構想区域における基幹病院の一つとして、また急性期医療の拠り所として、長年にわたり、地域の医療需要に応えてきました。平成29年度もこれまでと同様に、地域の方々に安心して安全な医療サービスを提供できるよう、医療機器の更新や施設・設備の改修などを行ってまいりましたが、経常収支比率および医業収支比率については前年よりも悪化するなど、大変厳しい状況となりました。今後も、多くの患者さんに頼られる地域の基幹病院として存在し続けていくためにも、収支改善に向けた分析を行い、病院経営が安定化できるように努めていきたいと考えています。