地域において担っている役割
市内唯一の公的病院として、東京都二次救急医療機関・災害拠点病院・地域周産期母子医療センターの指定を受け、地域から求められている二次医療、救急医療、周産期医療などを提供している。また、地域の医療機関との役割分担と連携を推進し、地域における後方支援病院として急性期医療を担っている。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率、②医業収支比率、④病床利用率は、平成29年度に一部診療科の常勤医師の不在により、いずれも2~3ポイント余り低下した。③累積欠損金比率は、平成26年度に公営企業会計制度の改正があり、退職給付引当金などの引当不足分を一括計上したため大幅に増加した。翌27年度に剰余金と欠損金を一部相殺する議決を得たため、再び30%を切る数値となったが、以降欠損金の累積により漸増している。⑤入院患者1人1日当たり収益は、平成29年度に新たな施設基準「退院支援加算Ⅰ」を取得し、入院早期から退院に向けた支援を行うことで平均在院日数が短縮し、単価が上昇した。⑧材料費対医業収益比率は、平成27年度に外来で高額医薬品を処方したことで一時的に上昇したが、その後院外処方やジェネリック医薬品の採用促進により低下している。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、平成28年度に更新した自家発電設備の減価償却を翌29年度から開始したため、伸び率が拡大した。②器械備品減価償却率は、経営改善の過程において医療機器等の更新を抑制しているため上昇している。
全体総括
新公立病院改革プランにあたる『町田市民病院中期経営計画(2017年度~2021年度)』の初年度は、常勤の呼吸器内科医の不在や平均在院日数の短縮などにより病床利用率が低下し、経常収支が悪化した。今後は診療体制の充足はもとより、地域の医療機関との連携をより強化し、紹介患者や救急患者をこれまで以上に受け入れることで、病床稼働を向上させ、早期の経常収支黒字化を目指す。