経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は平成28年度から低下傾向にある。資本費平準化債の発行による影響だが、世代間負担の平準化を考慮すると適正な水準にあると考える。企業債残高対事業規模比率は類似団体平均値と比較し、低い水準を保っている。経費回収率は類似団体平均値を上回っており、使用料単価も最低基準である150円/㎥を上回る161.06円/㎥となっている。しかし、100%以下であることや全国平均と比較し低い数値となることから、今後は使用料の改定も検討する必要があると考える。汚水処理原価については類似団体平均値を下回っている。有収水量はほぼ横ばいで推移しているため今後も同程度の数値で推移していくと見込まれる。施設利用率は例年同程度の数値で推移している。有収水量・人口推計から見ても大きく改善することは見込めない。今後は効率的な利用のために農業集落排水事業から公共下水道事業への接続を検討している。水洗化率については微増傾向にあり、類似団体平均と比較すると高い水準にある。しかし、全国平均と比較するとまだ低い数値であり、水洗化のPRを定期的に行っているが大幅な増加が見込めないのが現状である。
老朽化の状況について
供用開始から30年以上が経過し、老朽化が進んでいる状況である。処理場・ポンプ場については平成28年から平成32年度を期間とする長寿命化計画に基づき改築更新を行っている。その後、管渠の更生工事を順次行っていく予定である。平成26年度に管渠の陥没が発生したことから、平成27年度から管渠のカメラ調査および清掃を行っており、優先度の高い箇所については随時、更生工事を行い、対応している。
全体総括
東金市の公共下水道事業の経営状況は比較的良好であると考える。使用料単価は150円/㎥を超えており、経費回収率も、近年高い水準を維持している。平成32年度からは地方公営企業法の適用を予定しており、現在移行作業を進めているところである。経営状況が明確になることから、より詳細なデータを得ることで経営戦力の策定や料金改定の算定に利用することを考えている。また、経費の削減を図るため、汚泥堆肥化施設の建設を検討している。