地域において担っている役割
地域医療支援病院として地域の医療機関等と密接に連携し、協力しながら、救命救急センター並びに総合診療機能を有する施設として、高度急性期医療を担っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率は過去5年間とも100%を維持している。また、累積欠損金も発生しておらず、経常収益を計上できていることから、健全かつ効率的な経営が行えていると言える。引き続き、経常収支率100%以上を維持できるよう、収益の増加および費用の削減に向けて取り組む必要があると考える。収益では、平均在院日数の短縮による影響で病床利用率は減少傾向にあるが、新入院患者、新外来患者は年々増加を続けている。また、入院患者、外来患者1人1日当たりの収益も増加している。費用では、職員給与費対医業収益比率が上昇しているが、必要な職員数を揃えることで診療体制の充実および新たな施設基準の取得に繋がっている。材料費対医業収益比率は高額な診療材料および抗がん剤などの高額な薬品の使用量増加により上昇したが、同時に患者1人1日当たりの収益も増加している。
老朽化の状況について
昭和58年の開院以来、増築工事や改修工事を繰り返してきたが、施設の老朽化および狭隘化が進んでおり、現在新病院への建替えに向けて取り組んでいる。機械備品減価償却率については平均を上回っているが、新病院への移行を考慮しつつ、計画的に医療機器備品の更新および購入を行っている。
全体総括
職員給与費や材料費が医業収益に占める割合は年々増加傾向にあるが、職員の確保、医療機器の計画的な更新等により医療の質の向上を図ることで、患者1人1日当たりの収益も上昇し、医業収益が伸びた。今後、さらなる職員給与費の増加や高額な材料および薬品の増加に伴う材料費の増加が予想されるため、それを上回る収益を得られるよう、引き続き患者1人1日当たり収益の上昇、病床利用率の上昇に向けた取り組みを行っていく必要がある。また、地域における当院の役割を果たすため、救急患者の積極的な受け入れを行うとともに、さらなる平均在院日数の短縮に努める。同時に、地域医療支援病院として「顔の見える関係づくり」を継続して他医療機関との連携を強化することにより、紹介率・逆紹介率の上昇や患者数の増を目指す。