経営の健全性・効率性について
令和2年4月から栗原市は、公営企業法を適用し特別会計から公営企業会計へ移行したため、各項目の指標は前年度と比較し皆増となっている。①経常収支比率105.48%経常的収支比率は100%以上となっており、単年度収支では黒字である。しかし、維持管理経費は増加傾向にあり、使用料収入のみでは経費を回収しきれていない状況である。③流動比率299.91%短期的な支払能力を示す値であり、類似団体の平均値を上回っている状況である。④企業債残高対事業規模比率258.69%下水道使用料に対する企業債残高の大きさは類似団体平均を下回り、規模に見合った借入がなされている。⑤経費回収率50.71%類似団体と比べ経費回収率平均値は同等であるが、回収すべき経費を使用料で賄えておらず、より一層の収入確保及び建設、維持管理経費の節減に努めることが必要である。⑥汚水処理原価407.02円汚水処理に要した1㎥あたり費用は、類似団体と比較し高く、より効率的な方策が必要である。⑦施設利用率49.15%⑧水洗化率100%類似団体の平均値と比較し施設利用率、水洗化率共に上回っている状況である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率10.17%償却対象資産の減価償却の指標であり、老朽化の程度は類似団体平均を下回っている。個別排水処理事業は、公共下水道区域又は農業集落排水処理区域以外の区域を対象にしている事業で、平成11年3月から供用開始し、最も古い市設置型浄化槽は21年が経過している。
全体総括
個別排水処理事業の持続可能な健全経営の確保のためには、浄化槽の維持管理経費及び更新費用を使用料収入で賄えることが必須である。浄化槽の耐用年数は30年以上とされ、これまで施設の更新又は老朽化対策工事当は実施されていないが、今後見込まれる浄化槽本体の更新や維持管理経費の増大を鑑み、地域の実情に見合った事業形態を模索し運営を図っていく必要がある。