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地方財政ダッシュボード

沖縄県粟国村の財政状況(2023年度)

🏠粟国村

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 農業集落排水


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

小規模離島である本村は、少子高齢化が進む典型的な過疎地域である。農業を中心とした産業構造で、第2次・第3次産業に係る企業が少ないことから税収が少なく財政基盤が脆弱であり、類似団体の平均を大きく下回っている。歳出削減に向け、公共工事の優先順位選定による新規発行債の抑制や公営企業の経営改善に取り組み一般会計からの繰出金の抑制に努める。

経常収支比率の分析欄

令和4年度91.8%から令和5年度96.9%(+5.1%ポイント)と増になっており、沖縄県平均より高い状況にあり弾力性が無い状況である。人件費、物件費等の義務的経費の割合が高くなっていることから経常収支比率が高くなっている。超勤手当の抑制や物件費の抑制などによる公営企業の経営改善に取り組み、一般会計から繰出金の抑制に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

1島1村で小規模自治体である本村は、通常の行政サービスだけではなく空港や航路もあることから、フェリーや船舶事務所及び空港に職員を配置しなければならない状況にある。引き続き、定員管理の適正化に努めるとともに、超勤手当の抑制や物件費(需用費や委託料等)の義務的経費削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

本村は全国町村平均98.6より8.4ポイント少ない90.2で低水準であるが、今後は個々のスキルを上げるためマネジメントをしっかりと行う等、人事評価制度を活用し対応を行う。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

離島である本村は、通常の行政サービス以外に港や空港に職員を配置することから必然的に職員数が多くなっている。今後は、退職者不補充や会計年度任用職員で対応するなど、住民サービスの低下がない範囲で抑制に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

今年度は公債費負担が増となっているが、今後も沖縄振興特別推進交付金等の普通建設事業伴う新規発行債の増額により実質公債費率の増加が見込まれることから、今後は普通建設費の優先順位を決め、新規発行債の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

令和5年度から将来負担比率は20.9ポイントも上昇(令和3年度からは100.5ポイント上昇)しており全国平均、沖縄平均よりかなり高くなっている。令和6年度よりハブ対策整備事業などの大規模な事業があるため、今後は可能な限り新規発行債の削減やその他歳出の削減に努め、基金からの繰入の抑制を図る。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

1島1村の自治体であるため、行政職は類似団体と比較して多く、空港や船舶等にも職員の配置を行っているため、人件費の割合が高くなっている。今後は超勤手当の抑制や職員の退職者不補充を行うとともに、会計年度任用職員の対応等で人件費削減の取り組みに努める。

物件費の分析欄

令和4年度20.9%から令和5年度22.8%(+1.9ポイント増)となり、県平均15.0%より7.8ポイント高い水準にある。離島である本村は、旅費の増や沖縄振興特別交付金事業・沖縄県離島活性化推進事業等による委託、システム保守の委託料等よる増額が主な要因である。今後は、委託料等の見直しを行い物件費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

扶助費は全国、沖縄県平均より低水準であり、主な比率は障害福祉や小中学校の扶助となっている。扶助費内容の精査を行い、今後も同水準の維持に努める。

その他の分析欄

その他に係る主な要因として、事業会計及び公営企業会計への公営企業繰出が多額であることが挙げられる。今後は公営企業戦略を策定し健全な財政運営に努め、一般会計からの繰出の抑制を図る。

補助費等の分析欄

福祉の向上を図る観点から社会福祉協議会への補助金及び、観光振興の向上を図る観点から観光協会への補助金の割合が高額になっている。今後は自主運営ができるよう事業の精査を行い、補助金の見直しに努める必要がある。

公債費の分析欄

公債費は全国や沖縄県平均より高い傾向にある。今後は普通建設事業費の優先順位を見極め、公債費の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は75.8%となっており、類似団体66.7%を9.1ポイント上回っている。物件費及び繰出金の増額が主な要因となっている。物件費は委託料の見直し、繰出金は公営企業の健全な財政運営を行うため公営企業戦略を策定し経営改善を図り、抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別歳出の中で類似団体内より高額になっている事業費をみると、議会費は本村が離島であることから賃金や旅費といった経費が類似団体と比較しても増えている状態であり、総務費は沖縄振興特別推進交付金事業や沖縄離島活性化推進事業等による増である。農林水産業費は、農畜産物出荷施設の整備及び修繕工事や製糖工場施設の修繕、製糖工場宿舎整備工事等による増である。教育費においては教員宿舎建替事業によるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

性質別歳出の人件費については、会計年度任用職員による増、補助金及び普通建設事業費(うち新規整備)、公債費については、教員宿舎建設やフェリーターミナル整備事業、定住促進住宅整備事業等の工事による増である。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高は平成24年度からの沖縄振興特別推進交付金事業や沖縄離島活性化推進事業等の補助金を活用したハード事業等の実施により基金残高は減少傾向になっているが、令和5年度の標財比78.62%(594百万円)となっており、前年度と比較すると11.36ポイント上回り、104百万円増加した。これは特別会計歳出削減を行った事による一般会計から特別会計への繰出金の見直しが影響したと考えられる。実質単年度収支は-27.34ポイント減のとなった。歳入・歳出予算の適切な計上に取り組み、適切な財政運営に努めたい。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

一般会計が令和4年度と比較すると-4.15%となっているため、歳出抑制を図り減少傾向とならないように、経営改善に努める。簡易水道事業特別会計で老朽化した配水管の更新が平成29年度~37年度にかけて行われている。新規発行額が増額し、公債費の増加が見込まれることから、各公営企業の経営改善に努めることで歳出抑制を図っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

新規発行債について、ハード事業の増加により増加傾向にあることから、実質公債費率の分子となる額もまた増加傾向にある。新規事業について優先順位を査定し起債メニューを精査、同年度に多数の起債発行をしないよう起債抑制をはかり低水準の維持に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担比率が令和4年度と比較し横這いとなっている。主な要因として、新規にて教員宿舎建設やフェリーターミナル整備事業、公営企業会計に係る借入れによる。今後も、地方債発行の抑制や基金の運営等適正な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)令和4年度より増加している主な要因として、財政調整基金である。(今後の方針)今後、公債費の増額が見込まれるが、歳入の確保並びに歳出の抑制を図っていくことで、積立金の財源確保に努める。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金残高は平成24年度からの沖縄振興特別推進交付金事業や沖縄離島活性化推進事業等の補助金を活用したハード事業等の実施により基金残高は減少傾向になっているが、令和5年度の標財比78.62%(594百万円)となっており、前年度と比較すると11.36ポイント上回り、104百万円増加した。これは特別会計歳出削減を行った事による一般会計から特別会計への繰出金の見直しが影響したと考えられる(今後の方針)今後、公債費の増額が見込まれるが、歳入の確保並びに歳出の抑制を図っていくことで、積立金の財源確保に努める。

減債基金

(増減理由)増減なし(今後の方針)今後、公債費の増額が見込まれるが、歳入の確保並びに歳出の抑制を図っていくことで、積立金の財源確保に努める。

その他特定目的基金

(基金の使途)①庁舎建設整備基金(平成28までふるさと創生事業基金):新庁舎建設に要する基金②農山漁村活性化基金:農水産業の担い手対策等の助成に要する基金③育英基金:高校や大学の就学支援に要する貸付金④地域福祉基金:高齢化社会に伴う地域福祉活動に要する基金⑤ふるさと農村活性化基金:農地の土地改良施設の機能の維持及び強化に係る活動を推進するための基金(増減理由)①庁舎建設整備基金は令和5年度に活用したため、令和4年度より-67百万円(積立0円)となった。その他②~⑤の基金については活用実績が少ないことから増減はない。(今後の方針)公債費等の負担軽減に向けて可能な限り積立てを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準にあり、現在老朽化率が90%を超えている役場庁舎についても建て替えを行っている最中である。公共施設等管理計画に基づき老朽化率の高い施設については適切な対応を行っていく。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体より高い水準にあり、これは粟国村小中学校の建て替え、フェリーの更新と大きな施設整備等が立て続けに来ているためとためと考えられる。現在も庁舎の建て替えを行っているが、これが終わると大きな更新は少なくなる。その後は、起債を厳選し債務償還比率を低く抑えるよう努力していく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体と比べて高い水準にあり、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも低い水準にある。これは、粟国村小中学校等古い施設の更新に係る起債額が増加し、現在も役場庁舎の建て替えを行っているために、将来負担比率は高くなっていく状況にある。一方、老朽化した施設の更新が進んでいるため、有形固定資産減価償却率は低い状況になっている。一時的に将来負担が増加しているものの、今後、公共施設等の維持管理に要する経費が減少することが見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は類似団体と同水準にあり、将来負担比率については高い水準にある。将来負担率が高い主な要因としては、粟国村小中学校の建て替えや新造船建設をおこない、多額の地方債を発行したことが考えられる。また、現在役場庁舎の建て替えも行い多額の地方債を発行する予定なので、これも将来負担比率を上げる要因になる。これらの地方債の償還年限に達すると、実質公債費比率が上昇していくことが考えられる。老朽化した施設の更新がある程度進んでいるため、多額の地方債を起こす機会は減っていくと思われるが、事業の選定を行い公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているものの、公民館については、類似団体平均を上回っている。これは、粟国村中央公民館が耐用年数を経過しつつあるためである。こちらについては、建て替えや撤去について、公共施設等総合管理計画に基づき対処を行う。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率としては、消防施設、市民会館、庁舎の四つが類似団体平均を下回っている。消防施設は、消防車格納庫が老朽化率75%となっており耐用年数を注視しつつも使用している状況である。市民会館については、離島振興総合センターの老朽化率が高くなっている。現在は長寿命化にむけて補修を行っている。庁舎については、現在建て替え工事を行っている。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度の8,915百万円から102百万円の増加(+1%)の9,017百万円となった。事業用資産のうち建設仮勘定の増加が最も大きな要因で令和4年度の26百万円から505百万円増加し、531百万円となった。インフラ資産については、工作物減価償却累計額が△2,518百万円から△113百万円減少の△2,631百万円となった。また、基金においては財政融資資金が491百万円から103百万円増加し、594百万円となったことも増加要因として挙げられる。航路事業特別会計等を加えた全体会計においては、総資産額は前年度の12,352百万円から62百万円増加(+0.5%)の12,414百万円となった。沖縄県市町村総合事務組合等を加えた連結会計では、総資産額は前年度の12,639百万円から54百万円増加(+0.4%)の12,693百万円となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経営費用は221百万円増加し、1709百万円となった。人件費等の業務費用は1,235百万円、補助金や社会保障給付費等の移転費用は474百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多い。業務費用の中で最も金額が大きいのは減価償却費(407百万円)となっている。経営費用のうち物件費は21%を占めており、今後は老朽化の進んだ離島振興総合センター等の建替えも控えていることから減価償却費の経営費用の占める割合が大きなる見込みである。全体会計において経営費用は2,348百万円、その内、業務費用は1,929百万円、移転費用は419百万円となり、最も金額が大きいのは減価償却費(639百万円)、次いで物件費(574百万円)となっている。連結会計においては、経営費用は2,603百万円、その内、業務費用は1,982百万円、移転費用は621百万円となり、最も金額が大きいのは全体会計と同様に減価償却費(639百万円)、次いで物件費(579百万円)となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(1,662百万円)が純行政コスト(1,578百万円)を上回っており、本年度差額は84百万円となり、純資産残高は77百万円の増加となった。一般会計等の本年度差額増加の大きな要因は、離島活性化交付金事業を含む国庫支出金の総額が120百万円から418百万円と298百万円増加したことである。全体会計では国民健康保険特別会計の保険税(料)が税収等に含まれることから、財源は一般会計等と比べて348百万円多く、2,010百万円となっている。本年度差額は30百万円となり、総資産額は22百万円の増加となった。連結会計では財源は2,267百万円、純行政コストは2,234百万円となり、本年度差額は33百万円、純資産額は26百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は+144百万円であり、投資活動収支については、大きな基金積立がなく取崩しの方を多く行ったため、△215百万円となった。財務活動収支については、地方債発行収入が地方債の償還額を上回っていることから、+20百万円となっているが、本年度末資金残高は前年度から51百万円減少し、269百万円となった。全体会計においては、業務活動収支は+232百万円であったが、投資活動収支については△264百万円となった。財務活動収支については、+34百万円となっており、本年度資金残高は前年度から3百万円増加し、353百万円となった。連結会計においては、業務活動収支は256百万円であったが、投資活動収支については△285百万円となった。財務活動収支については、+34百万円となっており、本年度末し金残高は前年度から5百万円増加し、366百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は類似団体を上回っており、歳入額対資産比率も上回っている。財政的な規模という観点から見ると資産形成度が類似団体より低く効率的な施設整備がなされていると考えられる。また、有形固定資産減価償却率は類似団体に対して低いが、近年整備した学校施設や製糖施設と老朽化が進んだ本庁舎等の2曲か状態となっている。今後も公共施設等の整備を進めつつ、施設保有量の適正化に取り組む必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体を下回っており、将来世代負担比率は類似団体を上回っていることから、将来世代の負担は類似団体に比べて重い状況となっている。今後も将来世代への負担率を軽減するため、公共施設を適正に管理し、整備を進めるよう努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

一人当たりの純行政コストは類似団体平均値を上回っている状態が続いている。その要因として減価償却費の高さであると思われる。(製糖工場・小中学校の2施設で一般会計減価償却費の約20%である状況が続いている。)

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体平均値を上回る状態が続いている。大型施設の整備による地方債発行が要因と考える。今後は施設整備の優先順位等を検討しながら、地方債残高の縮小に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は令和4年度より大きく増加しており、平均値が類似団体より上回っている。住民一人あたり行政コストが類似団体平均値と比べ高い傾向である影響が強く、経営費用の高さ(減価償却費の高さ)が大きな要因であると思われる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,