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地方財政ダッシュボード

鹿児島県知名町の財政状況(2022年度)

🏠知名町

地方公営企業の一覧

国民宿舎 おきえらぶフローラルホテル 末端給水事業 公共下水道 農業集落排水 特定地域生活排水処理


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

主要産業が農業となっており、製造業等の事業所も少なく、人口減少や高齢化等も進んでいるため、財政基盤が脆弱であり、財政力指数は0.15と類似団体平均よりも低い状況である。離島という地理的条件ゆえ行政コストの削減は非常に難しい課題ではあるが、町税等自主財源の確保、経常経費の削減に取り組み、財政の健全化に努める。

経常収支比率の分析欄

平成17年度に策定した「知名町集中改革プラン」(定員削減・経常経費の削減・事務改善等)の取組みを継続実施しており、平成30年度の94.5%に対し令和4年度は86.7%と改善しているが、前年度の84.7%に比べ2.0ポイント増加した。新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和により、物件費(旅費)等が増加傾向にあり、公債費ピークを迎えたため増加した。自主財源の確保及び交付税措置率の高い地方債の活用により、経常一般財源の確保に努め、事務事業の整理合理化、公共施設の統廃合等により経常経費の削減を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均をやや低い水準であるが、認定こども園などの施設運営を直営で行っているため、今後は、民間でも実施可能な部分については、指定管理者制度を進め、コストの低減を図っていく方針である。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度の89.5から96.0への大幅な増となった。前年度までは大卒25~30年の経験年数階層に、給料月額の低い任期付職員が含まれていたためラス指数の大幅な引き下げ要因となっていたが、今年度は他職員が含まれる階層に上がったことで解消されたため。今後も、引き続き適正な人件費管理に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

離島という地域特性のため、保育所等へ民間企業が参入しづらい状況にあること等により、行政がより多くの住民サービスを提供していることから、類似団体平均よりも高い状況にある。職員数は減ったものの人口が93名減ったため0.03ポイント増加している。社会情勢の変化で住民ニーズが多様化しており、その対応を求められているが、組織機構の再編を図るなど職員数の適正化に努める。

実質公債費比率の分析欄

中学校の屋内運動場の改築及び認定こども園新築等に係る元金償還が始まり、公債費が高止まりの状況であり前年度より1.1ポイント増加した。今後は償還終了事業もあることから改善の見込みである。今後は、新庁舎建設を控えているため、年間の起債発行額の制限を検討するなど、引き続き交付税措置の有利な地方債の活用等により比率の改善に努める。

将来負担比率の分析欄

平成30年度の59.3%から、令和4年度は0.5%と将来負担比率は年々改善されている。これは地方債現在高が減少し、充当可能基金及び基準財政需要額算入見込額がそれぞれ増加したことが主な要因である。今後も後世への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等について総点検を図り、財政の健全化を図る。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費に係るものは、令和4年度については、令和3年度の退職手当負担金の見直しにより1.4ポイント改善されたたものの、総じて高い傾向にある。離島という地域特性のため、保育所等へ民間企業が参入しづらい状況にあることや、行政が多くの住民サービスを提供しているため、職員数が多いことが主な要因である。今後は、民間でも実施可能な部分については、指定管理者制度の導入などを進めているところである。

物件費の分析欄

物件費に係るものについては、類似団体と比較して低い水準であるが、前年度から0.7ポイント増加した。主な要因は、新型コロナウイルス感染症により、自粛していた出張等の旅費が増加したためである。今後も職員の節減意識を高めつつ支出の抑制に努め、リース契約等を必要最小限にとどめるなど、適切な執行に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係るものについては、0.2ポイント増加し、依然として類似団体と比較して高い状況である。今後も少子高齢化及び人口減少のさらなる進行や医療費の増により扶助費の増加が見込まれるが、町民が安心して生活できるよう福祉の充実を図りながら、住民ニーズに合わせた単独扶助費の見直し等を行うなど、適正な執行に努める。

その他の分析欄

その他に係るものについては、前年度比0.1ポイント増加した。主な要因は、維持補修費が17百万円増加したことによるものである。今後も公営企業・一部事務組合も含めて老朽化した施設への対応等により維持補修費・繰出金の上昇が見込まれるため、効率的な公共施設の維持管理に努め、経費の抑制を図る。

補助費等の分析欄

補助費に係るものについては、類似団体と比較して低い水準であるが、前年度から0.6ポイント増加した。主な要因は、各補助交付団体で行うイベント等の再開や一部事務組合に対する補助金が増加したためである。

公債費の分析欄

公債費に係るものについては、前年度から1.8ポイント増加した。今後も老朽化した公共施設の整備に伴い、公債費もさらに上昇する見込みである。交付税措置率の高い、財政上負担の少ない地方債を活用し、施設の統廃合及び集約化等を検討のうえ、起債の抑制に努め財政の健全化を図る。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係るものについては、前年度比0.2ポイント増加した。主な要因は、一部事務組合等に係る補助金が30百万円増加したものである。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・議会費は、主に議員報酬や職員の人件費であるが、類似団体と比較すると高い値となっている。支出の内容について類似団体と比較検討するなど見直しに努め、経費の節減を図り、議員定数の見直し等を行っていく。・民生費は、令和4年度住民一人当たり245,706円となっている。これは、離島ゆえ保育所等に対して民間企業の参入が少ないこと等により、行政が多くの住民サービスを提供していることにより人件費が高くなっている。今後、民間移行を含め検討していく。・農林水産業費は、当町の主要産業である農業振興のため、土地改良、畑かん整備等の基盤整備事業を実施していることから類似団体より高くなっている。・諸支出金は、沖永良部バス企業団に対する負担金が主なものであり、コロナ禍における経営状況の悪化等により増加傾向にある。・公債費は、近年、施設の老朽化に伴い実施した義務教育施設整備事業、認定こども園新築等に要した公債費の元金償還が開始され、今後高い水準で推移するため、行政コストの削減を行う必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり1,291千円となっている。住民一人あたりのコストのうち、類似団体より高い値となっている主なものは、人件費、扶助費、公債費といった義務的経費及び普通建設工事費(うち新規整備)並びに投資及び出資金である。人件費は、職員数の減少により577千円減少したが、類似団体と比べ依然として高い状況である。人件費が高くなる要因は、離島という地域特性から、保育所等へ民間企業が参入しづらい状況にあり、住民サービスを行政が提供しているため、職員数が多くなっている。扶助費については、子育て支援金、子育て世代への施策や、障害児施設給付費の増加及び島内で専門的医療が受けられない方への島外治療に係る扶助費の支給等により類似団体より高い状況にあるが、住民税非課税世帯等臨時特別給付金の減少により21,174百万円が減少した。公債費は、近年、公共施設の整備を年次的に行っているため、上昇する傾向にある。台風の常襲地帯でもあり、塩害等により施設への影響は著しく、施設の整備更新はやむを得ない部分もあるが、公共施設等総合管理計画及び個別施設管理計画に基づき、施設の集約化等を図りつつ、行政コストの削減を行う必要がある。普通建設工事費(うち新規整備)は、新庁舎建設が開始されたことから大幅な増となっており令和5年度まで上昇する見込みである。投資及び出資金は水道事業における建設事業に対する一般会計出資債の増加が主なものである。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金は、繰入による取崩しを行ったが、国債運用利子等の積立により0.26ポイント増となっている。実質収支額の減となった要因は、翌年度に繰り越すべき財源が188万円増加したためである。また実質単年度収支の減になった要因は、単年度収支が184百万円減少したため4.9ポイント減となっている。今後は、大型普通建設事業が控えているため事務事業の見直し・統廃合など歳出の合理化等行財政改革を推進し、健全な行財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

全ての会計で黒字となっており、実質赤字は発生していない。一般会計については、令和4年度は、普通交付税及び地方消費税交付金の増、繰越額の一定額を確保したものの、庁舎建設事業等の翌年度へ繰り越すべき財源が188百万円増加したため1.65ポイント減となっている。今後は、老朽化した公共施設の更新や、子育て支援のための扶助費の増等が見込まれるが、事業の選択や財源の確保をより意識し、健全な財政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度については、算入公債費等が39百万円増加したものの、過去の事業に伴う元利償還金が69百万円及び公営企業債の元利償還金に対する繰入金が7百万円増加したため、実質公債費比率の分子が39百万円増加した。令和4年度が公債費のピークとなるため、今後は減少傾向になると思われるが、今後も交付税措置のある地方債の発行に努めるとともに、地方債発行の抑制を行いつつ、実質公債費比率の減を図る。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

将来負担比率の分子が年々減少している要因は、過去に行った事業に係る償還により地方債の現在高が減少し、交付税措置のある地方債の活用による基準財政需要額への算入、充当可能基金が大幅に増加したこと等によるものである。しかし、今後は庁舎建設等大型普通建設の実施により地方債現在高が大幅に増加することが見込まれる。また類似団体に比べると基金残高は低いため、今後もより一層の経費削減に努め、充当可能基金残高の増を目指すとともに、地方債の残高についても、事業の緊急性・重要性を精査するとともに、単年度毎の地方債発行額に上限を設けるなどして適正な水準になるように努める。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)庁舎建設事業が開始されたため特定目的基金が減少したものの、今後の公債費償還のため減債基金に積立を行ったほか、今後の公共施設の長寿命化、更新及び除却等に要する経費に充てるため公共施設等総合管理基金を創設したことから基金残高合計が前年度と同水準となった。(今後の方針)新庁舎建設、公営住宅の更新、各公共施設の長寿命化等を予定しており、これらの各公共施設の老朽化対策事業の実施、公債費の償還ピークへの対応財源、災害等への対応、高齢化や子育て支援等に係る費用増加に対応するため、支出の抑制及び事業の効率的な執行に努め、基金の積立を適切に行う。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金残高の増加要因は、財源補填のため財政調整基金の取り崩しを行ったものの、法定積立分及び国債運用利子等により3百万円増加した。(今後の方針)各公共施設の老朽化対策事業の実施、公債費の償還ピークへの対応財源、災害等への対応、高齢化や子育て支援等に係る費用増加に対応するため、支出の抑制及び事業の効率的な執行に努め、基金の積立を適切に行う。また、国債運用等を積極的に行う。

減債基金

(増減理由)公債費償還財源として設置しているが、近年は、庁舎建設基金等のその他特定目的基金への積立を優先しており、近年は基金利子分のみ増加していたが、令和4年度においては、今後の償還のため70百万円の積立を行った。(今後の方針)今後しばらくは、施設更新等の財源とするためにその他特定目的基金への積立を優先するが、財政状況等を勘案し追加の積立は行ない、国債運用等の積極定期に行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)・土地改良事業基金は、国営地下ダム建設事業地元負担金に充てることを目的として設置している。・庁舎建設基金は、庁舎建設費用の財源とするためめ設置している。・町が所有する公共施設等の長寿命化、更新及び除却等に要する経費に充てるため設置している。・知名町ふるさとまちづくり基金は、ふるさと納税(寄附金)を財源として、知名町の地域活性化、環境保全、保健・福祉、人材育成、その他に資する事業に充てることを目的に設置している。(増減理由)・土地改良事業基金は、地元負担支払いのため追加で積立(27百万)を行ったため増となった。・庁舎建設事業開始により、300百万円繰入れたため290百万円減となった。・令和4年度に設置し、決算状況を勘案し200百万円の積立を行った。・ふるさとまちづくり基金は、ふるさと納税(寄附額)が増加したことにより増となっている。(今後の方針)土地改良事業基金:地下ダム完成時の地元負担支払いのため令和8年度以降廃止予定(今後追加の積立予定なし)。庁舎建設基金:令和5年度に事業が終了するため令和6年度以降に廃止予定。公共施設等総合管理基金:公共施設等の長寿命化、更新及び除却等の財源とするため決算状況等を勘案し、適宜積立を行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率が、類似団体と比べ低くなっているが、近年、小中学校校舎屋内運動場、校舎等の新築、改修等が計画的に実施されたことによる。新庁舎建設並びに老朽化した公営住宅等の更新も順次予定しているため、公共施設等総合管理計画に基づく適正な固定資産の管理を実施する。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率が類似団体より高くなっているのは、標準財政規模が他団体に比べ小さいことが原因であるが、充当可能な基金が増加したことにより令和3年度より改善しつつある。離島ゆえ行政コストが高いことが要因として上げられるが、経費削減と財源の確保に努めつつ、引き続き充当可能基金の増を図る。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

地方債現在高の減少及び充当可能基金、基準財政需要算入見込額の増により、将来負担比率は他団体と同程度まで減少したが、有形固定資産減価償却率は他団体より低い水準にあるものの増加傾向にある。今後、庁舎建設や他の施設更新により有形固定資産減価償却率は減少していく見込みだが、それに伴う地方債の活用により将来負担比率が増加に転じることが予想されるため、老朽化している施設の統廃合も行いつつ、各年度の起債発行額に制限を設けるなど計画的な施設の更新を行っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

地方債現在高の減少及び充当可能基金、基準財政需要算入見込額の増により、将来負担比率は他団体と同程度まで減少したが、給食センター改修等の元利償還が始まったことにより実質公債費比率は増加した。近年、認定こども園、公営住宅、学校給食センター、各小中学校屋内運動場の新築、改修等を実施しており、今後も老朽化した庁舎、公営住宅の建設、建替等が順次予定されているため、令和4年度以降、施設建設のための特目基金の取り崩しや公債費の増加により、将来負担比率、実質公債費比率が増加すると想定している。単年度毎の地方債発行額に上限を設けるなど、公債費の適正化と年度ごとの発行額の平準化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

「認定こども園・幼稚園・保育所」の有形固定資産減価償却率は低く、一人当たり面積は類似団体と比べ高くなっている。これは幼保一元型認定こども園の新築による統合が図られたことによる。また、公民館の有形固定資産原価償却率も他団体と比べ高くなっているが、平成28年度から各公民館の改修や新築を実施したためであり、将来的には公民館の有形固定資産原価償却率は低下してくると想定している。今後は、建替や統廃合に伴い使用しなくなった旧公民館、旧保育園等老朽化した施設の利活用、除却等を順次進めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

保健センター・保健所、福祉施設、庁舎の有形固定資産減価償却率が類似団体と比べ高くなっているが、保健センター・保健所は、保健センター(昭和54年建築)、福祉施設は、老人ホーム(昭和45年建築)の他、各施設も老朽化が進んでおり、庁舎(昭和38年建築)の老朽化も著しいが、今後各施設の建替、解体の予定でいるため減少すると見込んでいる。今後は、支出の抑制に努めるとともに適確な基金、地方債の運用を図り、各施設の更新、利活用、除却等を計画的に実施していく。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から238百万円の減少(-0.6%)となった。資産総額のうち有形固定資産の割合が89.3%となっており、これらの減価償却により減少した。資産は将来の維持管理・更新等の支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。また、負債総額は前年度末から91百万円の減少(-1.0%)となり、金額の変動が最も大きいものは退職手当引当金(固定負債)(49百万円の減少)であった。下水道事業会計等の特別会計を加えた全体では、資産総額は前年度末から130百万円減少(-0.3%)し、負債総額は前年度末から106百万円減少(-0.9%)した。資産総額は、下水処理施設等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて6,871百万円多くなるが、負債総額も施設や工作物の更新及び長寿命化対策事業に地方債(固定負債)を充当したこと等から、2,962百万円多くなっている。一部事務組合、第3セクターを加えた連結では、資産総額は前年度末から189百万円減少(-0.3%)し、負債総額は前年度末から414百万円減少(-2.7%)した。資産総額は、おきえらぶフローラル株式会社が保有しているホテル施設や一部事務組合の各施設に係る資産を計上していること等により、一般会計等に比べて13,825百万円多くなるが、負債総額も沖永良部衛生管理組合の借入金等があること等から、5,984百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は6,137百万円となり、前年度比118百万円の減少(-1.8%)となった。ただし、業務費用の方が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(2,469百万円、前年度比30百万円の減少)であり、純行政コストの41.8%を占めている。施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。全体では、一般会計等に比べて、下水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が224百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が1,274百万円多くなり、純行政コストは1,569百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が3,179百万円多くなっている一方、人件費が430百万円多くなっているなど、経常費用が6,682百万円多くなり、純行政コストは3,258百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源(5,755百万円)が純行政コスト(5,896百万円)を下回っており、本年度差額は△141百万円となり、純資産残高は前年度末から147百万円の減少となった。地方税の徴収業務の強化等により税収等の増加に努める。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が578百万円多くなっており、本年度差額は△18百万円となり、純資産残高は前年度末から24百万円の減少となった。連結では、鹿児島県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が3,290百万円多くなっており、本年度差額は△109百万円となり、純資産残高は前年度末から224百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は1,179百万円であったが、投資活動収支については、庁舎建設事業、デジタル田園都市構想事業等により△1,011百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから△49百万円となっているが、収支としては前年度に比べ254百万円増加した。以上より、本年度末資金残高は前年度から120百万円増加し、383百万円となった。来年度以降も、引き続き老朽化に伴う公共施設整備等大型事業を予定しており、地方債発行収入が多くなると考えられるが、行政活動に必要な資金を基金の取崩しと地方債の発行収入によって確保している状況であり、行財政改革を更に推進する必要がある。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、下水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より291百万円多い1,470百万円となっている。投資活動収支では、下水処理施設の耐震化工事、公営企業会計法適用支援業務執行等のため、△1,247百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから、△146百万円となったが、業務活動収支が前年度よりも194百万円増加、本年度末資金残高は前年度から77百万円増加し、643百万円となった。連結では、おきえらぶフローラル株式会社におけるホテル宿泊料等の収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より854百万円多い2,033百万円となっている。本年度末資金残高は前年度から1百万円増の2,673百万円となった。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、類似団体平均を上回っている。これは、文化ホールなどの大型施設や各集落の公民館等、保有する施設が多いためと考えられる。歳入額対資産比率については、前年度より0.57ポイント減少している。これは、前年度と比較して、減価償却による資産の減少及び庁舎建設事業による地方債の発行総額の増等によるものと考えられる。有形固定資産減価償却比率については、各小中学校の校舎及び体育館等の施設を更新したほか、幼稚園や保育所を統合し、認定こども園の建設を行ったことにより、類似団体平均を下回る結果となった。しかし、老朽化している施設も多いため、今後は公共施設等総合管理計画に基づき、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化、更新、統廃合を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均と同程度である。純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少、減価償却等により資産合計が減少した結果、純資産比率としては昨年度から0.1%増加している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、今後も新規に発行する地方債の抑制を行うなど、地方債残高を縮減し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を上回っているが、前年度から1.7万円減少している。これは老人ホーム建設補助金の皆減による純行政コストの減少によるものと考えられる。経常費用のうち40%は物件費等(減価償却費、物件費、維持補修費)、40%は移転費用(補助金等、社会保障給付等)が占めている。今後、老朽化した施設の維持補修費の増加、高齢化等による社会保障給付の増加が見込まれる。公共施設等の更新、統廃合、長寿命化を計画的に行うことで維持補修費、減価償却費の縮減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っており、前年度より0.9万円増加している。これは負債合計としては退職手当引当金(-14.4%)、1年内償還予定地方債(-4.0%)が減少しているが、人口も減少(-1.6%)しているためと考えられる。人口の減少は避けられないため、今後も新規に発行する地方債の抑制や利率が高い地方債の繰上償還を行うなど、地方債残高を縮減し、一人当たりの負債額の減少に努める。業務活動収支は、子育て世帯臨時特別給付金給費事業の減や、税収等収入の増加により、昨年度より192百万円の増となっている。基礎的財政収支は業務活動収支の黒字分が投資活動収支の赤字分を上回ったため、199百万円となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、新庁舎建設事業等を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っているが、前年度より0.6%増加した。。その要因としては、経常収益の増加(+18.8%)及び経常費用の減少(-1.8%)のためと考えられる。経常費用は、前年度より117百万円減少しているが、減価償却費や維持補修費を含む物件費等の割合が高いことから、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の適正管理を行うことで、今後も経費の縮減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,