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地方財政ダッシュボード

愛媛県上島町の財政状況(2016年度)

🏠上島町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

過疎化、少子高齢化により財政基盤が弱く、歳入総額に占める自主財源の割合は20%を下回っており、類似団体順位は79団体中74位である。今後は町として定住人口を確保するため、雇用増加施策(農業・造船関連施設支援)を引き続き実施することにより歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

比率92.7%の内、人件費が25.0%を占めている。これは離島であるが故の行政構造による職員数の多さや職員平均年齢が高く、在職年数20年以上を超えるものも多くなっているためである。適正な定員管理による人件費の抑制及び事務事業の見直しによる事業の集約化・効率化を行うことで、今後も更なる義務的経費削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費等決算合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を大きく上回っているのは、主に人件費が要因となっている。これは職員の平均年齢の高さと離島同士の合併による職員数の多さが要因で、今後は民間で実施可能な業務については委託を行うなど、更なる人件費の節減に努める。また、その他の要因としては、離島であることにより、事務の集約化が図れないことから、類似団体と比べ旅費や委託料等の物件費が嵩むこともあげられる。

ラスパイレス指数の分析欄

本町の指数89.5は類似団体中で最下位であり、国や県の平均も大きく下回っている。今後は、昇格・昇給制度の適切な運用を図り、適正な給与水準確保に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

離島同士の合併及び総合支所方式を採用しているため、職員数は類似団体に比べ多くなっている。平成22までの定員適正化計画目標数値をクリアするも、組織体系の見直しや事務事業の見直し等により、さらなる効率化を図り、より一層の職員削減に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債比率は、ほぼ横ばいで推移しているが、平成24までは類似団体を下回っていた比率が、近年は上回ってきていることを注視しなければならない。今後は大規模な事業計画の整理・縮小を図り、公債費の抑制を図るとともに、交付税算入のある有利な起債の活用を徹底することで、比率の抑制に務める。また、下水道等公営企業会計については使用料の改定を実施するなどして繰出金を縮減し、類似団体と同程度の水準を保つよう努める。

将来負担比率の分析欄

本町の指数27.8%は、類似団体平均を上回ってはいるが、将来への負担(地方債残高等)に対して、充当可能な財源(基金や交付税算入公債費)が今のところ確保できている状態である。しかしながら、今後は普通交付税の合併算定替分の縮減等により、充当可能基金の減額が見込まれることから、普通建設事業費の抑制や交付税算入率の高い有利な起債の借入等により、比率の抑制に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

離島同士の合併であることから、職員の削減は進まない中にあって、ラスパイレス指数の低率等により人件費のバランスが保たれている。今後は更に厳しく適切な定員管理に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率19.1%は、類似団体平均を5.2ポイント上回っている。離島であるため、陸続きであれば集約できる公共施設(例:学校、斎場等)が各島ごとに設置されているため、維持管理費等の抑制が難しいことが要因の一つである。今後は更なる経常経費抑制や集中管理による物品購入経費の削減等を実施し、徹底した経費節減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率2.1%は、72類似団体中で最も低い比率となっている。この要因は、少子過疎化により子供等に係る経費が少ないことがあげられる。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金の額が多いことが要因である。下水道施設の維持管理経費として公営企業会計への繰出金が必要となっていること等が理由であり、今後、下水道事業については独立採算の原則に即した料金の値上げによる健全化を図る。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率3.7%は、類似団体平均を10.3ポイント下回っている。この要因は、他団体に比べ一部事務組合への加入が少ないことがあげられるが、今後も各種団体補助金の見直し等、経費の抑制に努める。

公債費の分析欄

合併に伴う各種大型整備事業が集中したことにより地方債現在高が増加した影響で地方債の元利償還金が膨らみ、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を10.5ポイント上回っており、類似団体中78位となっている。今後は、控えている大規模な事業計画の整理・縮小をおこない、公債費の抑制を図る。

公債費以外の分析欄

本町の指標66.7%は類似団体を3.7ポイント下回っている。しかしながら物件費については離島であるが故に増加する経費により、類似団体平均を大きく上回っている。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人当たり225,476円となっており、類似団体平均を上回っている。前年度決算と比較すると24.7%増となっており、これは魚島地区情報通信利用環境整備工事や魚島総合支所庁舎改築工事の影響によるものである。衛生費は、住民一人当たり75,582円となっており、類似団体平均を上回っている。離島であるため広域での廃棄物処理が困難であり、町内にあるクリーンセンターの改修にも費用がかかることが影響によるものである。公債費は、住民一人当たり163,829円となっており、類似団体平均を大幅に上回っている。合併に伴う各種大型整備事業が集中したことにより、地方債現在高が増加している影響によるものである

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人あたり931,741円で昨年度よりも増額している。主な構成項目は人件費、物件費、普通建設事業費及び公債費である。その中でも、公債費については住民一人当たり163,829円となっており、類似団体の平均大きく上回っている。合併に伴う各種大型整備事業が集中したことにより地方債現在高が増加している影響によるものである。また、普通建設事業では、生名総合庁舎や魚島総合庁舎の改修事業があったため、更新整備が前年度よりも大きく上回っている。今後は控えている事業計画の整理・縮小や、公共施設等総合管理計画に基づいた公共施設等の総量縮減により、公債費の抑制を図る。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

実質収支については、平成25年度まではほぼ横ばいで推移していたが、平成26年度は岩城保育所整備事業等の大規模な建設事業により普通建設事業費が増大したため悪化し、平成27~28年度も改善されていない。実質単年度収支は3年連続で赤字となった。今後は、普通交付税の合併算定替えの縮減により、一般財源の確保が厳しい状況となり、財政調整基金をはじめとする各種基金の取り崩しによる財政運営が強いられるため、徹底した経費削減が必要となる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

連結実質赤字比率については、全会計において黒字であり、赤字比率はない。しかしながら、実質収支比率同様、今後は普通交付税を含めた一般財源の確保が厳しい状況となる見込みであり、財政調整基金をはじめとする各種基金の運用による財政運営が求められるため注視していく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

実質公債費比率は3ヶ年平均10.0%で26年度に比べ、0.1ポイントの増となった。これは、普通交付税の減額により分母が減ったことが要因である。今後は普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額の減額等の影響に伴い比率の増が見込まれるため、普通交付税算入率の高い辺地対策事業債など財政運営に有利な地方債の発行に努め、あわせて実施事業の精査をおこなうことで、公債費の抑制を図り、引き続き低水準を維持する。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

将来負担比率は27.8%で、27年度に比べ、2.6ポイントの増となった。これは分母の標準財政規模の減額が主な要因であり、また充当可能財源等の減により分子も増額になったことが影響している。今後は普通交付税の減額や臨時財政対策債発行可能額の減額等に伴い比率の増が見込まれることから、地方債発行の抑制や基金運用の適正化に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は全国平均よりも低く、建物の老朽化は進んでいないが、岩城橋開通(平成33年度予定)を見越した公共施設の適正配置を早期に検討し、個別施設計画(公共施設等総合管理計画)の策定を進めていきたい。

債務償還可能年数の分析欄

ここに入力

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率は類似団体よりも低く、公共施設の大規模改修等はすぐに必要な状況ではないが、将来負担比率の高さを見ると、公共施設の拡張や増加を検討できる余力はない。岩城橋開通(平成33年度予定)により弓削島・佐島・生名島・岩城島の4つの有人島が陸続きとなるため、人口規模や財政規模に見合った公共施設の適正配置を早期に検討していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

28年度の将来負担比率は27.8%で、27年度に比べて2.6ポイント増加している。充当可能基金の減額、普通交付税の減額及び臨時財政対策債発行可能額の減額が要因である。また、28年度の実質公債費比率は10.0%で、27年度に比べて0.1ポイント増加している。普通交付税の減額が主な要因である。類似団体と比較すると、将来負担比率や実質公債費率に大きな差が生じ始めており、計画的な財政運営が求められる。普通交付税の減額や臨時財政対策債発行可能額の減額に伴い、比率の増加が見込まれることから、地方債発行の抑制や基金運用の適正化に努めなければならない。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は全体的に低く、各種公共施設の大規模改修等が必要な状況ではない。しかしながら、公民館については老朽化が進んでいるため、更新整備事業に伴い人口規模に見合う適正な配置を検討していかなければならない。また、人口一人当たりの面積や延長が全国平均よりも大きい公共施設(道路・学校施設・公営住宅等)についても、人口規模と施設の維持管理費のバランスを考えながら適切な更新を検討していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は全体的に低いが、各種公共施設(体育館・プール、保健センター、福祉施設、消防施設、庁舎)については、人口一人当たりの面積が全国平均よりも圧倒的に高く、現在の上島町の人口規模に見合っていないことが分かる。上島町は全域が離島のため、地理的条件から人口規模より公共施設の数や面積が大きくなることは避けられないが、平成33年度に岩城橋が開通予定であり、弓削島・佐島・生名島・岩城島の4つの島が陸続きとなることから、役場庁舎を筆頭に人口規模や財政規模に見合った公共施設のあり方を早期に検討していく。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額は、40,794百万円で、事業用資産が18,118百万円、インフラ資産が18,908百万円、基金(固定資産)が1,703百万円である。一般財源の不足による基金の取り崩し等があり、基金(固定資産)は減少している。また、減価償却が進んでいる施設もあり、集約化・複合化を早期に検討し、公共施設のあり方について、町内における意思統一を図らなければならない。一般会計等において、負債総額の大半を占めるのが、地方債(固定資産)である。上島町では今後、最終処分場整備事業(H29~H31)等の大型事業に係る地方債償還を控えているため、地方債(固定資産)は上昇する見込みである。水道事業等を加えた全体の資産総額は44,433百万円である。管路等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等より多くなっている。また、愛媛県市町村事務組合や(株)いきなスポレク(第三セクター)等を加えた連結では、資産総額が44,931百万円となる。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は5,623百万円である。上島町は全域離島で構成されているため、人件費・物件費の割合が多く、今後もこの傾向は続く見込みである。そのため、定員管理に沿った事業の見直しや公共施設の集約化・複合化に着手しなければならない。また、民間でも実施可能な事業については、指定管理者制度の活用等によりコスト削減に努めていく。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を計上しているため、経常収益が多くなっている。一方、国民健康保険や介護保険が計上されているため、移転費用が2,728百万円となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、純行政コスト(5,365百万円)が税収等の財源(5,232百万円)を上回っているため、純資産残高は133百万円の減少となった。人口減少に歯止めをかけるため、移住者政策等を推進し、税収増加に努める。全体では国民健康保険会計、介護保険会計等の国民健康保険税や介護保険税が含まれることから、税収等が1,351百万円多くなっている。また、連結では愛媛県後期高齢者広域連合が含まれるため、一般会計等と比べて税収等が1,576百万円増加となる。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は919百万円であったが、投資活動収支については、庁舎改修事業等を行ったことから、▲839百万円であった。財務活動収支は地方債償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲95百万円となった。今後は地方債を財源とした大型事業が控えているため、財政活動収支は、地方債発行収入の増加により、プラスに転じる見込みである。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれることから、業務活動収支は一般会計等より228百万円多い、1,147百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲252百万円となった。連結では、業務活動収支は一般会計等より274百万円多い1,193百万円、投資活動収支は、81百万円少ない▲920百万円、財政活動収支は▲252百万円であった。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額(歳入額対資産比率)は、合併後の公共施設の整備により、保有する施設数は類似団体よりも多平均を上回っている。しかしながら、将来の公共施設等の修繕や更新等にかかる財政負担を軽減するために、2021年度完成予定の岩城橋開通を見据え、公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組まなければならない。歳入額対資産比率(年)については、類似団体を上回る結果となった。しかしながら、ここ数年に実施した大型事業に伴う地方債の発行総額の増加により、数値は悪化していく見込みである。有形固定資産減価償却率については、合併以降に整備された資産が多く、類似団体よりも低い水準にある。しかしなが公共施設等総合管理計画に基づき、人口減少を踏まえた公共施設等の適正管理に努めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体を下回っている。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、人件費の削減等により行政コストの削減に努める。将来世代負担比率も類似団体を上回っている。地方債の発行を抑制し、地方債残高を圧縮させ、将来世代の負担減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体を上回っている。人件費・物件費の高さが類似団体と比べて高くなっている要因と考えられる。全域離島という地理的問題はあるが、指定管理者制度の活用や新規に採用する職員の抑制により、人件費削減に努める。また、下水道事業会計への繰出金の負担も大きく、今後の管路耐震化事業も見据え、料金改定の検討に着手しなければならない。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類義団体平均を大きく上回っている。地方債の発行額が影響しており、中長期財政計画等に基づき、地方債残高の減少に努めなければならない。基礎的財政収支について、投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して庁舎改修事業など公共施設の整備を行ったためである。業務活動収支は黒字であるが、経常的支出を抑えるため、今後は人件費の抑制や民間委託の推進により、経費縮減に努めなければならない。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体と同程度であるが、今後、人口減少が確実な状況であるため、2021年度完成予定の岩城橋開通を見据え、公共施設の集約化・複合化や長寿命化を行うことにより経営経費の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,