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地方財政ダッシュボード

愛媛県上島町の財政状況(2019年度)

🏠上島町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 簡易水道事業 特定環境保全公共下水道 農業集落排水 特定地域生活排水処理


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

過疎化、少子高齢化により財政基盤が弱く、歳入総額に占める自主財源の割合が低いため、類似団体順位は最下位である。今後は町として定住人口を確保するため、移住定住促進事業を引き続き実施することにより歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

比率99.5%の内、人件費が28.6%を占めている。これは離島であるが故の行政構造による職員数の多さや職員平均年齢が高く、在職年数20年以上を超えるものも多くなっているためである。適正な定員管理による人件費の抑制及び事務事業の見直しによる事業の集約化・効率化を行うことで、今後も更なる義務的経費削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費・物件費等決算合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を大きく上回っているのは、主に人件費の高さが要因となっている。これは職員の平均年齢の高さと離島同士の合併による職員数の多さが要因で、今後は民間で実施可能な業務については委託を行うなど、更なる人件費の節減に努める。また、その他の要因としては、離島であることにより、事務の集約化が図れないことから、類似団体と比べ旅費や委託料等の物件費が嵩むこともあげられる。

ラスパイレス指数の分析欄

本町の指数88.8は類似団体中で最も低く、全国平均も大きく下回っている。今後は、職員の削減に努めるとともに昇格・昇給制度の適切な運用を図り、適正な給与水準確保に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

離島同士の合併及び総合支所・分庁併用方式を採用しているため、職員数は類似団体に比べ多くなっている。令和3年度に岩城橋が開通予定のため、4つの島が陸続きとなる。組織体系の見直しや事務事業の見直し等により、さらなる効率化を図り、より一層の職員削減に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債比率は、ほぼ横ばいで推移していたが、近年は数値が悪化傾向にあることを注視しなければならない。今後は大規模な事業計画の整理・縮小を図り、公債費の抑制を図るとともに、交付税算入のある有利な起債の活用を徹底することで、比率の抑制に努める。また、下水道等公営企業会計については使用料の改定を実施するなど、繰出金を縮減し、類似団体と同程度の水準を保つよう努める。

将来負担比率の分析欄

本町の指標44.2%は、類似団体平均値を上回ってはいるが、将来への負担(地方債残高等)に対して、充当可能な財源(基金や交付税算入公債費)は今のところ確保できている状態である。しかしながら、一般財源の不足に伴う基金の減額が見込まれることから、普通建設事業費の抑制や交付税算入率の高い有利な起債の借入等により比率の抑制に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

離島同士の合併であることから、職員の削減は進まない中にあって、ラスパイレス指数の低率等により人件費のバランスが保たれている。今後は更に厳しく適切な定員管理に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率19.5%は、類似団体平均を4.6ポイント上回っている。離島であるため、陸続きであれば集約できる公共施設(例:学校、斎場等)が各島ごとに設置されているため、維持管理費等の抑制が難しいことが要因の一つである。今後は更なる経常経費抑制や集中管理による物品購入経費の削減等を実施し、徹底した経費節減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率2.0%は、類似団体の中で最も低い比率となっている。この要因は、少子化・過疎化により子ども等に係る経費が少ないことがあげられる。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金の額が多いことが要因である。特に下水道施設の維持管理経費として公営企業会計への繰出金が必要となっていること等が理由であり、今後、下水道事業については独立採算を目標に使用料の見直しが必要となってくる。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率3.7%は、類似団体平均を10.2ポイント下回っている。この要因は、他団体に比べ一部事務組合への加入が少ないことがあげられるが、今後も各種団体補助金の見直し等、経費の抑制に努める。

公債費の分析欄

合併に伴う各種大型整備事業が集中したことにより地方債現在高が増加した影響で地方債の元利償還金が膨らみ、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を12.8ポイント上回っており、類似団体中最下位となっている。今後は、公共施設の統廃合、大規模な事業計画の整理・縮小を行い、公債費の抑制を図る。

公債費以外の分析欄

本町の指標70.2%は類似団体を2.0ポイント下回っている。しかしながら、公債費以外では人件費・物件費などが類似団体平均を大きく上回っているおり、増大傾向にあるため今後も注視していく必要のある項目である。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

衛生費は、住民一人当たり116,682円となっており、類似団体の2倍近い数値となっている。これは、普通建設事業費(最終処分場整備事業)の増加によるもので、平成30~令和2年度までは類似団体に比べ、高い数値となる見込みである。公債費は、住民一人当たり190,332円となっており、類似団体内でも高い数値となっている。これは、ここ約10年ほど普通交付税措置割合の高い起債充当を行っているが、償還期間が短いため、短期間返済により公債費が高い数値として表れてしまう。農林水産業費は、住民一人当たり66,461円となっており、前年度から大きく増加している。これは、普通建設事業の増(水産物供給基盤機能保全事業等)によるものである。民生費は、住民一人当たり179,257円となっており、前年度から大きく増加している。これは、国民健康保険事業会計への繰出金の増、プレミアム付商品券事業の皆増によるものである。諸支出金は、住民一人当たり6,286円で、前年度から大きく増加している。これは、魚島船舶事業会計繰出金の増によるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人あたり997,793円(+24,479)で昨年度よりも増額している。主な構成項目は人件費、繰出金、物件費、通建設事業費及び公債費である。人口減少の影響が年々大きくなっており、特に人件費や公債費、繰出金の負担が大きい。人件費は、全域離島の自治体であるため、人口規模に比べて職員数が他団体よりも多くなっている。公債費は、住民一人当たり190,332円となっており、類似団体の平均を大きく上回っている。これは、合併に伴う各種大型整備事業が集中したことの影響によるものである。物件費は、離島同士の合併のため類似団体よりも施設の集約化が進んでいないこともあり、維持管理費等の抑制が難しいことが比率割合が高くなる理由として挙げられる。繰出金は、下水道施設の維持管理経費として公営企業会計への繰出金が必要となっていること等が増額の理由であり、今後、下水道事業については独立採算の原則に即した料金の値上げ等により、経営健全化が求められる。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

実質収支については、平成25年度まではほぼ横ばいで推移していたが、平成27年度から普通交付税合併算定替による歳入の減、公債費の増加などにより、平成27~令和元年度まで改善されておらず、減少傾向にある。実質単年度収支は6年連続で赤字となった要因としては、人件費・公債費・繰出金の負担が大きく、一般財源の確保が厳しい状況が続くため、財政調整基金をはじめとする各種基金の取り崩しによる財政運営が強いられるため、徹底した経費削減が必要となる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

連結実質赤字比率については、全会計において黒字であり、赤字比率はない。しかしながら、実質収支比率同様、今後は一般財源の確保(町税、地方交付税等)が厳しい状況となる見込みであり、財政調整基金をはじめとする各種基金の運用による財政運営が求められるため、注視していく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

実質公債費比率は3ヶ年平均12.3%で平成30年度に比べ、0.9ポイントの増となった。これは元利償還金の増額が影響している。今後は普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額の減額等の影響も考えられることから比率の増が見込まれるため、普通交付税算入率の高い辺地対策事業債など、財政運営に有利な地方債の発行に努め、あわせて実施事業の精査を行うことで、公債費の抑制を図り、引き続き低水準を維持する。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

将来負担比率は44.2%で、29年度に比べ、15.1ポイントの増となった。分子の将来負担額は減額(地方債現在高の減等)であったが、それ以上に充当可能財源が減額となったことが増加した要因である。今後は合併算定替の終了及び人口減少に伴い、普通交付税の減額や臨時財政対策債発行可能額の減額等が考えらることから比率の増が見込まれるため、地方債発行の抑制や基金運用の適正化に努める必要がある。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)地域振興基金の積立(1億円)と減債基金の積立(5千万円)はあったが、一般財源の不足に伴う基金の取崩しも発生しているため、昨年に引き続き基金全体としては大きく減額となった。要因としては、公債費など義務的経費の増加が挙げられる。(今後の方針)財政調整基金と減債基金を合わせると約14億7千万円で、標準財政規模からみると標準的な基金残高は確保しているが、大規模災害などの不測の事態に備えて、一定の金額を保つ必要がある。

財政調整基金

(増減理由)公債費などの義務的経費の増加等の理由により一般財源が不足している。そのため、4年連続で取崩しとなった。(今後の方針)標準財政規模からみると標準的な基金残高(約9億6千万円)は確保しているが、大規模災害などの不測の事態に備えて、一定の金額を保つ必要がある。

減債基金

(増減理由)当初計画通り5千万円を積み立てたが、公債費の増加に伴う一般財源の確保のため、年度末に3億円を取り崩した。(今後の方針)今後数年間は公債費が大きく減少する見込みがないため、減債基金を取り崩しながら一般財源を確保していく必要がある。

その他特定目的基金

(基金の使途)ふるさと整備基金・・・ふるさとの振興を円滑かつ効果的に行うことを目的としている。地域振興基金・・・町民の連帯の強化又は地域振興に要する経費の財源に充てることを目的としている。ふるさと振興基金・・・行政の広域化の要請に対処し、効率化と均衡のある発展を促進するため今治地区広域市町村圏の振興に関する施策の推進を図ることを目的としている。水と土保全基金・・・土地改良施設の公益的機能を有効に発揮し、集落住民の共同活動を促進することを目的としている。森林環境贈与税基金・・・森林の整備及びその促進に関する施策の支援等を図ることを目的としている。(増減理由)ふるさと整備基金は、地域振興に係る事業の推進により、近年は取崩しによる基金残高が減少している。地域振興基金は、合併特例債を活用して平成29年度に創設した基金であり、令和元年度まで3年間の計画で毎年1億円ずつ積み立てにより増加している。森林環境譲与税基金は、令和元年度に創設された基金であるため、皆増となった。(今後の方針)ふるさと整備基金は、充当対象となる事業を推進し、引き続き財源として活用する。地域振興基金は、合併特例債の償還に合わせて令和2年度から年間約1,000万円を事業の財源に充てる予定である。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は全国平均よりも低く、建物の老朽化は進んでいないが、岩城橋開通(令和3年度予定)を踏まえた施設の最適化を検討していることころであり、公共施設等総合管理計画に基づき、さらなる公共施設の適正管理に努める。

債務償還比率の分析欄

普通会計での公債費の構成比は高いが、その反面、償還は進んでいるため、地方債残高は減少し、将来的な負担は軽減されている。しかしながら、充当可能基金が年々減少していることから、比率は上昇傾向にあるため、今後は地方債の借入額と残高のバランスを見ながら、公債費のコントロールを進めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

充当可能基金残高の減少により毎年度の将来負担比率は増加しているものの、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも低く、老朽化も進んでいないことから、公共施設の大規模改修等がすぐに必要な状況にはない。今後は、岩城橋開通(令和3年度予定)により弓削島・佐島・生名島・岩城島の4つの有人島が陸続きとなることから、公共施設等総合管理計画に基づき、予防保全による施設の長寿命化や公共施設等の適正化に努め、施設更新・管理費用の抑制をするなど将来にわたって、町の持続的な発展のために必要な財源の確保を図る。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

令和元年度の将来負担比率は44.2%で、前年度と比べて15.1ポイント増加している。また、実質公債費比率は12.3%と前年度から0.9ポイント増加しており、どちらも類似団体数値と乖離していることから、計画的な財政運営が求められる。人口減少により、今後は税収や普通交付税、臨時財政対策債発行可能額などの一般財源が不足していくことが予想され、厳しい財政状況が見込まれることから、将来負担に配慮した計画的な地方債発行や交付税措置のある地方債の優先活用など一般財源における公債費の抑制、また、事務事業の見直しによる財政規模に応じた財政運営に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は全体的に低く、各種公共施設の大規模改修等が必要な状況ではない。しかしながら、公民館については類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が13.3ポイント高く、老朽化が進んでおり、施設の統廃合を検討しているところである。また、人口一人当たりの面積や延長が全国平均よりも大きい公共施設(学校施設・公営住宅等)についても、岩城橋開通(令和3年度予定)により弓削島・佐島・生名島・岩城島の4つの有人島が陸続きになることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の更新を進める。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は全体的に低いが、各種公共施設(体育館・プール、保健センター、庁舎)については、人口一人当たりの面積が全国平均よりも高くなっている。離島同士の合併による地理的条件から人口規模より公共施設の数や面積が大きくなることは避けられない状況であったが、令和3年度には岩城橋が開通予定であり、弓削島・佐島・生名島・岩城島の4つの島が陸続きとなることから公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、施設の適正化(統廃合)を図る。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産合計は39,146百万円で、対前年度478百万円減少した。主な要因は、人件費・公債費の義務的経費の増加に伴う減債基金の取崩しによる投資その他資産154百万円の減少、財政調整基金の取崩しによる基金140百万円の減少などによる。一般財源の不足による基金の取り崩しは今後も続く見通しであることから、老朽化した公共施設等の統廃合の検討と併せ、組織再編による人員配置の適正化による経費の抑制に努める。負債合計は10,789百万円で、対前年度50百万円減少した。主な要因は、地方債残高減少による地方債386百万円の減、退職手当引当金83百万円の減少などによる。全体会計では、資産合計は43,086百万円で、対前年度465百万円減少した。これは、公営企業にかかるインフラ資産の減価償却が進んでいることによるものである。負債合計は14,002百万円で、地方債の減少により対前年度788百万円減少した。第三セクターや一部事務組合を加えた連結会計では、資産総額は43,779百万円、負債総額は14,598百万円であった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常収益350百万円経常費用5,710百万円、純経常行政コストは5,360百万円と対前年度175百万円増加している。主な要因は、業務費用の物件費等が2,530百万円(+106)移転費用の他会計への繰出金925百万円(+43)となっており、本町が離島で構成されている地理的条件から類似施設を複数管理しているなどによって高い傾向にあり、経常費用の60.5%を占めている。今後もこの傾向は続く見込みであるが、令和3年度に町内の4つの有人島が架橋により陸続きとなるため、今後は、公共施設等の統廃合による経費の抑制に努める。全体では、一般会計等に比べ、特別養護老人ホーム、生名船舶、上水道等の収益を計上しているため、経常収益は819百万円多くなっているが、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が1,013百万円多くなっており、純行政コストは1,623百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等おいては、純行政コスト△5,463百万円が財源の税収等4,408百万円、国県等補助金732百万円を上回ったことによる本年度差額が△323百万円となったが、無償所管換等355百万円の資産増加に伴い、純資産額残高は32百万円の増加となった。全体では、国民健康保険で国民健康保険料等、介護保険で介護保険料等が計上されているため、一般会計等に比べ、税収等が631百万円多くなっており、純資産残高は322百万円の増加となった。連結では、愛媛県後期高齢者医療広域連合が含まれることから、一般会計等に比べ、税収等が1,349百万円多くなっており、純資産残高は294百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等おいては、業務活動収支は640百万円であったが、投資活動収支は最終処分場整備事業等を行ったことから△266百万円、財務活動収支は地方債償還支出が地方債発行収入を上回ったことから△425百万円となっており、本年度資金残高は151百万円となった。全体では、国民健康保険税や介護保険税が税収等収入に含まれることから、業務活動収支は一般会計等よりも380百万円多く、1,020百万円となった。投資活動収支は、下水道事業施設の長寿命化整備を行ったため、△434百万円となった。財務活動収支は、地方債償還支出が地方債発行収入を上回っていることから△652百万円となっており、本年度末資金残高は866百万円となった。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額及び歳入額対資産比率は、離島同士の合併により類似施設を複数管理しており、資産保有量が多いため、平均を上回っている。しかしながら、資産合計が減少しているにも関わらず、住民一人当たりの資産額が人口減によって増加傾向にあるため、今後は、人口の変化や地域の実情を考慮しながら、施設の統廃合や長寿命化を検討し、公共施設等の適正管理に努めなければならない。有形固定資産減価償却率は、前年度よりも増加しているが、類似団体よりは依然として低い数値を保っている。これは、合併以降に整備した公共施設等が多いためであるが、今後とも公共施設等総合管理計画に基づき、施設の経年状況等を比較・分析しながら、中長期的視点から施設の更新を行っていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は前年度と同様に類似団体をやや下回っているが、負債の地方債残高公債費は年々減少が想定され比率は上昇傾向にあり、今後も一定期間はこの傾向が続く見込みであする。将来世代負担比率も、前年度と同様に類似団体を上回っていあるが、上記同様に地方債残高が減少しているため、対前年度より0.8ポイント軽減した。今後も、発行額を元利償還金額より抑える方針で、地方債残高を圧縮させ、交付税措置の有利な起債を充てるなどさらなる比率改善に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは、全域離島という地理的条件から物件費等、人件費などの純行政コストの増加と人口の減少が相まって、依然として類似団体を上回っている。令和3年度に町内の4つの有人島が架橋により陸続きとなるため、今後は、公共施設等の統廃合による経費の抑制、人員配置の適正化により純行政コストの削減に努める。また、下水道事業会計への繰出金の負担も大きく、インフラ資産の大規模な更新等を見据えた料金改定に着手しなければならない。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体を大きく上回っている。これは、合併以降の施設整備に伴う地方債発行が大きく影響しており、前年より負債額は減少しているものの、それ以上に人口が減少しているため、住民一人当たりの負債額は依然高い水準を示している。基礎的財政収支については、前年度と同様に投資活動収支が赤字となっているのは、大規模な公共施設の整備(最終処分場等)を行っているためである。業務活動収支は黒字であるが、今後とも経常的支出を抑制するため、物件費等、人件費の経費削減に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担率は、類似団体を下回っている状況であるが、経常費用、特に施設維持管理費、減価償却費の増加が見込まれることから、公共施設等の統廃合や長寿命化による経常費用の抑制に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,