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地方財政ダッシュボード

愛媛県四国中央市の財政状況(2013年度)

🏠四国中央市

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2013年度)

財政力指数の分析欄

四国中央市は、全国有数の製紙工業都市として、紙加工業などの紙関連企業も多く、市民の大半が何らかの紙関係の仕事に従事しているまさに「紙のまち」である。活発な地場産業に支えられ歳入総額に占める市税の割合が約4割、自主財源の割合が約5割と比較的財政力に恵まれたまちと言え、このことは平成25年度決算で財政力指数が0.81と、類似団体の0.66や愛媛県平均の0.43より高いことからもうかがえる。ただ、産業構造が「紙」に特化した単一構造のため、原油高や円安と言った外的要因を受けやすく脆さも併せ持っている。そのため、第二次総合計画に沿った施策を重点的に実施することにより活力のあるまちづくりを展開しつつ、平成30年度の実質公債費比率を11.4%に改善するなどし市財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

平成19年度以降大幅な経常的経費の削減をすすめたことにより、平成25年度決算で82.7%と過去最高の数値となった。最も数値が悪かった平成18年度決算の96.4%と比較すると大きく改善されてきたことが判る。類似団体の86.6%と比べても高い数値となっているが、合併特例債の元金償還の本格化や、今後さらに扶助費等の増による義務的経費に圧迫され、財政の硬直化が進むことが予想される。今後、選択と集中による経常経費の削減に努め、平成30年度の経常収支比率83.1%を目標とする。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体とほぼ同じ水準である。合併以降、物件費や維持補修費等について削減を重ねてきたたことが要因として挙げられるが、適正な市民サービスや施設の管理運営上はこれ以上の削減は困難であるため、施設の統廃合など行政のスリム化により抑制を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体の97.3に比べ平成25年度98.3と、1.0ポイント上回っている。平成24年人事院勧告を受け、50歳代後半層における給与水準の上昇を抑制するため、昇給・昇格制度の見直しを図ったが、今後も給与表の減額改訂(各級平均2%減)を行うなど、引き続き人件費の抑制に努め給与の適正化を図っていく必要がある。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

合併に伴い一部事務組合職員の身分を新市に引き継いだため、平成16年度は職員数が1,270人と類似団体に比べ約200人超過していた。その後定数適正化計画に沿って人員の削減を進めてきたが、人口千人当たりの職員数は類似団体と比較しても依然高く推移しており、経常収支比率を押し上げ、財政硬直化の要因となっている。施設の統廃合やアウトソーシングによる職員数の純減、人件費総額の削減が重要課題となっている。

実質公債費比率の分析欄

最も数値が悪かった平成19年度決算における実質公債費比率20.7%から平成25年度13.2%と7.5ポイント減少し確実に改善されてきている。しかしながら類似団体の9.6%に比べて依然高い数値となっている。今後も新市建設計画に基づく大型事業が予定されており、事業実施に際しては一層慎重に行わざるを得ない。継続事業については容易に市債に頼ることなく適正な事業量を執行していくよう努め実質公債費比率の低減を図り、平成30年度における実質公債費比率11.4%を目指す。

将来負担比率の分析欄

平成24年度には三セク債を活用し土地開発公社を解散。財政調整基金も6,552百万円へと積み増しを行った。平成19年度決算においては267.2%であった将来負担比率は、130.4ポイント減少し136.8%となったが、依然として類似団体の41.3%に比べて非常に高いものとなっている。これは臨海土地造成事業や下水道事業の地方債残高が大きく影響しているものであるが、昨年度と比べ1,822百万円減少するなど、着実に減少している。今後も借入額の抑制や地方債残高の更なる低減を図るとともに、平成30年度末基金残高が93億円となるよう積み増しを行い、類似団体並の負担率を目標とする。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2013年度)

人件費の分析欄

人件費については、定員適正化計画により職員数が減少していることから前年度比で2.0ポイント減少し、全国平均を下回り類似団体平均と同程度の数値となった。今後は施設の統廃合やアウトソーシング、事務事業評価等による事務量の把握と精査による効率的な人員配置を行いながら、給与水準の適正化(給与表の減額改訂。平均2%減)に努め人件費の抑制を図る。

物件費の分析欄

類似団体比較においては概ね中間に位置しており、横ばいで推移している。合併に伴って公共施設が増えており多額の維持管理費を削減するためにも施設の統廃合を進めることが肝要である。また、今後は人件費抑制のためのアウトソーシングに伴う経費の増加が見込まれることなどから、計画的な財政運営を図る。

扶助費の分析欄

前年度と同じ数値を維持しているが、類似団体平均値8.1%と比較すると1.2ポイント下回る。子ども医療費の完全無償化などにより、今後も社会保障関係の経費が増加していくことが予想されるため、財政バランスを崩すことのないよう抑制に努める。

その他の分析欄

維持補修費が0.6%、繰出金が12.5%の内訳となっている。それぞれ前年度比で維持補修費0.1ポイント減、繰出金が0.2ポイント減となっている。今後、介護保険事業や後期高齢者医療事業特別会計の給付費増や、国民健康保険事業の加入者の高齢化、医療技術の高度化などに伴う医療費増によって国民健康保険事業特別会計の財政悪化も想定しておかなければならないことから、歳入歳出の適正化を図ることにより普通会計の負担増加を抑制する。

補助費等の分析欄

類似団体との比較では大きく平均を下回っており、毎年同じ水準で移行している。これは平成16年度に4市町村が合併し、構成していた一部事務組合負担金等、多額の負担金が不要となったことが挙げられる。一方、商工関係の単独補助が類似団体平均値を上回っているが、今後も適正な執行に努める。

公債費の分析欄

公債費については20.9%とやや改善されたが、類似団体の16.8%に比べて依然高い状況にある。今後も新庁舎建設をはじめ新市建設計画に基づく大型事業が予定されており、継続事業については容易に市債に頼ることなく適正な事業量を執行していくよう努め、公債費の低減を図る。

公債費以外の分析欄

平成24年度に比べ2.1ポイント減少し、類似団体平均との比較では8.0ポイントと大きく下回っている。経常収支比率が82.7%であることから公債費が占める割合が非常に高いことが判る。これまで経費削減のため恒常的に削減を行ってきたたが、施設の老朽化等に伴い今後は継続的に増加していくことも想定される。人件費など経常経費の削減に努め、現在の水準を維持できるよう努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2013年度)

分析欄

合併に伴う一部事務組合の正規雇用等による人件費の大幅な増加や合併前の大型事業による公債費の増加により平成18年度の経常収支比率は96.4%と硬直した財政状況であった。財政調整基金は平成17年度に420百万円、平成18年度に880百万円を取崩す等、経費削減による財政改革が急務であったため、平成19年度には決算額で約10%を削減、平成20年度以降も引き続き経費削減を図った。平成17年度に策定した定員適正化計画が目標を上回る170名の減を達成し、大幅に職員を削減できたことなどから、平成20年度以降は経常収支比率も徐々に改善され、ここ数年、財政調整基金(平成25年度末現在高6,552百万円)も着実に積み増しが出来ている。実質収支についても平成20年度以降は黒字決算が続いており、改善の傾向が見られるが、平成27年度以降の合併算定替の終了に向け、より効果的な財政運営が求められる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2013年度)

分析欄

金子地区臨海土地造成事業特別会計については、造成事業が終了。起債償還が終了すれば会計を閉鎖する見込み。また、平成19、20年度と赤字となった国民健康保険事業特別会計については、保険料の改定を重ねたことにより平成21年度以降は改善の傾向にある。住宅新築資金等貸付事業特別会計については、これまでの収入未済の積み重ねにより、前年度繰上充用で会計を運営している状況であるが、貸付事業は終了していることから、収入未済額の確保に努めることがもっとも重要な事業となっている。一般会計を含めたその他の会計についても、合併後6年間の経費削減効果もあり合併当初に比べて改善は見られるものの、今後も健全な財政運営が必要である。

実質公債費比率(分子)の構造(2013年度)

分析欄

合併前に一部事務組合において実施したごみ処理施設の整備や旧団体で実施した大型事業により地方債の元利償還金が増え続ける状態であったが、平成19年度以降は政府資金の公的免除繰上償還や平成21年度に実施した減債基金による繰上償還、高利率の起債については積極的に借換を行ったこと。また、平成18年から平成24年にかけて実施した公債費負担適正化計画等により公債費の低減を図ったことにより着実に改善されてきている。今後も選択と集中により事業費の抑制を図るとともに、合併特例債の活用により財政運営を安定したものにするためにも実質公債費比率の低減(平成30年度11.4%目標)を図っていく必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2013年度)

分析欄

将来負担比率は、平成19年度267.2%から平成25年度136.8%と、年々着実に改善されてきている。しかしながら依然として他市町に比べて非常に高い数値となっている。一般会計地方債残高が高く、また、下水道事業特別会計や臨海土地造成事業特別会計の将来負担額が大きいことが将来負担比率の分子を大きくする要因となっている。平成24年度には土地開発公社を三セク債を活用し解散。財政調整基金も平成20年度末残高493百万円から平成25年度末残高6,552百万円へ積み増しを行った。今後数年、市民文化ホール建設事業や新庁舎建設事業等合併特例事業が一時的に公債費比率を押し上げることが予想されるが、将来負担解消には長期的な視点で財政の硬直化を招かないよう取り組む必要がある。新規事業採択、施設の更新等にあたっては統廃合を含め長期的に判断することが肝要である。事業内容及び経費の精査と最適化により地方債への依存を最小限に抑制するとともに、普交合併算定替え終了が指標の分子・分母双方の悪化要因となることにも留意しつつ、一般財源の確保及び充当可能基金の計画的な積立て(平成30年度93億円目標)に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,