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地方財政ダッシュボード

愛媛県四国中央市の財政状況(2016年度)

🏠四国中央市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

全国有数の製紙工業都市として、紙加工業などの紙関連企業も多く、市民の大半が何らかの紙関係の仕事に従事している。活発な地場産業に支えられ歳入総額に占める自主財源の割合は前年度より2.6ポイント減の45.7%となったが、地方税は1.6ポイントの増で比較的財政力に恵まれており、このことは平成28年度決算で財政力指数が0.77と、類似団体平均の0.73や愛媛県平均の0.44より高いことからもうかがえる。しかし、産業構造が「紙」に特化した単一構造のため、原油高や円安と言った外的要因を受けやすく脆さも併せ持っている。第二次総合計画に沿った施策を重点的に実施することにより活力のあるまちづくりを展開しつつ、市財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

平成19年度以降大幅な経常的経費の削減を進めた結果、最も数値が悪かった平成18年度決算の96.4%と比較すると大きく改善されてきた。平成27年度決算では83.7%であったが、平成28年度は前半円高・後半円安へと急激な変動はあったものの、設備投資等が行われるなど業績好調により法人税割は増加傾向にある一方で、公債費の繰上償還や扶助費等増による義務的経費の増加により、昨年度より2.2%上昇している。類似団体平均の91.2%と比べて高い数値となっているが、、今後は合併特例債の元金償還が本格的に始まるほか、さらなる扶助費の増加による義務的経費に圧迫され財政の硬直化が進むことが予想される。合併算定替終了や災害時に備えた財政調整基金の目標積立額68億を平成26年度末に達成したことから、今後減債基金積立へシフトし繰上償還を積極的に行うなど、選択と集中による経常経費の削減を図りながら現在の水準以下を目標に取り組む。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均とほぼ同じ水準である。合併以降、物件費や維持補修費等について削減を重ねてきたたことが要因として挙げられるが、適正な市民サービスや施設の管理運営上はこれ以上の削減は困難な状況となっている。地方公会計への移行に向けて、固定資産台帳整備関連による経費の増により、物件費が増加した。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度比で0.5減の98.3で、類似団体平均の98.4に比べ、0.1ポイント低くなっており、概ね国、類似団体と均衡を保っている。定員適正化計画に基づき適正化を進めてきた結果、採用抑制によって世代間のアンバランス解消が課題となっているが、引き続き人件費の抑制に努め本市の財政状況等を踏まえた給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

合併に伴い一部事務組合職員の身分を新市に引き継いだため、平成16年度は職員数が1,270人と類似団体平均に比べ約200人超過していた。定員適正化計画に基づき適正化をすすめたことにより職員数は減少してきたものの、類似団体と比較しても依然高く推移している。採用抑制や再任用制度の開始により世代間のアンバランスが生じており、将来に渡って安定的に業務を遂行できる職員配置が急務となっている。短期での大幅な減員が見込めない状況にあるが、施設の統廃合・民営化など行政のスリム化により抑制を図る。

実質公債費比率の分析欄

最も数値が悪かった平成19年度決算における実質公債費比率は20.7%であった。平成28年度は10.2%と確実に改善されてきている。しかしながら類似団体平均7.5%と比べると依然高い数値となっている。今後も新市建設計画に基づく大型事業が予定されており、事業実施に際しては一層慎重に行わざるを得ない。継続事業については容易に市債に頼ることなく適正な事業量を執行していくよう努めるとともに、減債基金の積立額を確保し繰上償還を行う等、地方債残高の縮減に取り組み類似団体平均水準を目指す。

将来負担比率の分析欄

平成24年度に三セク債を活用し土地開発公社を解散。平成26年度末には財政調整基金を68億へと積み増しを行った。平成19年度決算において267.2%であった将来負担比率は前年度より22.3%増加したものの、133.2%と大幅に減少しているが、依然として類似団体平均の33.1%に比べると大きく乖離している。これは地方債残高が大きく影響しているが、公営企業債等繰入見込額については、臨海土地造成事業や下水道事業の地方債残高等の減少により着実に改善している。しかしながら、今後も大型事業に係る起債残高が上昇することが見込まれる中で、借入額の抑制や財源の確保を図るとともに、減債基金の積立(平成28年度末現在高12.3億円、前年比-5.3億円)等により財政健全化に努め、類似団体並の将来負担率を目標とする。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

定員適正化計画を進めた結果、平成18年の32.5パーセントをピークに直近3か年は横ばいながら、類似団体平均に近づきつつある。平成25年度は7月から3月まで国家公務員給与減額措置に応じた減額をおこなっていたが、平成26年度に減額分を復元したことより平成28年度も高い推移をしており、類似団体より0.7%下回る数値となった。施設の統廃合やアウトソーシング、事務量の把握と精査による効率的な人員配置を行いながら、給与水準の適正化に努める。

物件費の分析欄

類似団体比較においては概ね中間に位置しているものの、国や県、類似団体と同様に上昇傾向となっている。施設の維持管理経費、アウトソーシング等による委託料、賃金等の増加が見込まれることなどから、類似施設の統廃合、事業の選択と集中を図ることが急務となっている。今後もコスト削減を進めながらもサービス水準の向上を図るため計画的な財政運営に努める。

扶助費の分析欄

依然、全国や愛媛県、類似団体を上回っている。生活保護費や障がい者福祉サービス費、施設型給付費の恒常的な増に加え、平成27年度から実施した子ども医療費の完全無償化の影響や臨時福祉給付金等、社会保障関係の経費が引き続き増加の傾向にある。また、平成29年度より直営である養護老人ホームを民間移譲する予定のため、今後この運営経費が扶助費の増加要因と見込まれる。国の制度に基づくものが大半であるが、資格審査等の適正化を進めていくことで、上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。

その他の分析欄

繰出金については13.7%で前年度比で0.4%増となっている。市直営の特別養護老人ホームが1施設、国保診療所が1施設あり、その財源不足を補填している。特別養護老人ホーム萬翠荘については平成29年4月に民間移譲される予定で、繰出金は減となる見込みだが人件費は特別会計より振り替わるため、指標が増加する要因となる見込みである。介護保険事業や後期高齢者医療事業特別会計の給付費の増加や、国民健康保険事業の加入者の高齢化、医療技術の高度化などに伴う医療費増加によって国民健康保険事業特別会計の財政悪化も懸念されることから、歳入歳出の適正化を図ることにより負担増加を抑制する。

補助費等の分析欄

類似団体との比較では大きく平均を上回っている。これは合併により市町村で構成されていた一部事務組合が解散になり多額の負担金が不要となったことが挙げられる。また、合併した直後から財政の危機的状況を打破するために外部団体の補助金のあり方の検証、行政監査等の取り組みにより、その結果が成果として表れている。また、商工関係の単独補助が類似団体を上回っているが、数値を押し上げている補助が今年度で終了するため、平成29年度以降は類似団体と同程度となることが見込まれる。一方、一部事務組合経費分は人件費、公債費に転じて各指標を押し上げている要因となっている。今後も適正な執行に努める。

公債費の分析欄

公債費については年々改善されてきており、平成28年度は前年度より0.1%減の横ばいで、類似団体の16.2%に比べて依然高い状況にある。今後も新庁舎建設をはじめ新市建設計画に基づく大型事業が予定されていることから、継続事業については安易に市債に頼ることなく適正な事業量で執行するほか、減債基金の積立額を確保し繰上償還を行う等、地方債残高の縮減に取り組み公債費の低減に努める。

公債費以外の分析欄

平成28年度は前年度より2.3%増加しているものの、類似団体平均との比較では大きく上回っている。経常収支比率が85.9%であることから公債費が占める割合が非常に高いことが判る。これまで経費削減のため恒常的に削減を行ってきたため、これ以上の削減が厳しい状況下にあるが、事業の選択と集中を図りながら現在の水準を超えないよう、歳入・歳出両面で財政の質を高めるように努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は住民一人当たりは88,270円で、類似団体と比較して一人当たり27,951円高く、前年度比でも35,135円増加している状況となっている。これは新庁舎建設事業及び市民文化ホール建設事業の大型事業の着工によるものであり、伸率も64.7%と非常に大きな数値となっている。今後も平成30年、31年度の支出が控えており、引き続き高い数値となることが予想される。民生費は全体の約35%を占めており、住民一人当たりは167,117円で、類似団体と比較して一人当たり20,777円高い状況となっている。これは、臨時福祉給付金給付によるものと、平成27年度途中から開始したこども医療費無料化拡大分による増加によるものである。また、こども若者発達支援センター建設事業や放課後児童健全育成施設整備事業の実施もあり、大幅な増加の要因となっている。農林水産費については、住民一人当たり10,328円で類似団体より2,529円抑えている。しかしながら、農業振興センター建設事業や漁港海岸整備事業、農村環境改善センター耐震事業が続き、平成25年度に対し住民一人当たり4,882円押し上げており、住民一人当たりのコストが高止まりしている。土木費については、住民一人当たり48,038円で、類似団体と比較して一人当たり3,362円高い状況にある。平成27年度から引き続き川之江地区整備事業や都市公園事業が高い数値を維持していることと、下水道事業特別会計への繰出金の増加が主な要因でコストが高い状況となっている。教育費は住民一人当たり51,841円で、平成27年度から逆転し、類似団体と比べて6,390円高い状況となっている。義務教育施設の耐震化事業が減少した一方で、公民館新築事業や小学校校舎の増改築事業により、前年度より住民一人当たり1,071円減少したものの高い状況が続いている。ただ、学校施設や公民館の老朽化による新築・建替事業が今後引き続くと想定されるため、大幅なコスト削減は当面見込みめない状況である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり480,594円となっており、前年度に比べ59,724円の増となっている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり73,314円となっており定員適正化計画を進めてきた結果、ピークであった平成18年度に比べ8.8%減少してきてはいるものの、依然類似団体と比べて高い水準にある。物件費は住民一人当たり54,580千円となっており、新地方公会計移行費用により前年度より2,457円増となったものの、類似団体より12,692円低い状況である。維持修繕費は住民一人当たり3,009円でほぼ横ばいで推移しており、類似団体と比較しても一人当たりのコストは低い状況である。扶助費は住民一人当たり85,003円で、類似団体より一人当たり5,822円高い状況にある。これは、近年の認定こども園の増加や公定価格の上昇、生活保護費やこども医療費、障害福祉サービス事業費の増加が主な要因となっているが、平成28年度は臨時福祉給付金があったためこれも一人当たりの費用を押し上げた要因となっている。補助金等は住民一人当たり21,240円で、類似団体比較して一人当たりのコストは22,415円低い状況である。これは補助金のあり方の検証や行政監査の取り組み等による結果が表れている。普通建設事業費のうち更新整備については、新庁舎建設事業や市民文化ホール建設事業、川之江地区整備事業などの大型事業が重複したため、住民一人当たり104,623円で前年度より64,231円の増で、類似団体より76,099円高くなっている。また、これらの事業は平成31年度まで予定されているため、次年度以降についても引き続き住民負担の高い状況が続くことが予想される。公債費は繰上償還を行ったため、住民一人当たり54,177円で前年度より1,460円の増、類似団体より11,254円高い状況となった。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

合併に伴う一部事務組合の正規雇用等による人件費の大幅な増加や合併前の大型事業による公債費の増加によって、平成18年度の経常収支比率は96.4%と硬直した財政状況であった。定員適正化計画による職員削減や補助金の見直し、補償金免除繰上償還の積極的な活用等の行財政改革により平成20年度以降は経常収支比率も改善されてきている。一時約5億円であった財政調整基金残高は平成28年度末には68億円(前年度±0億円)となっている。実質収支についても平成20年度以降は黒字決算が続いているが、平成32年度の合併算定替の終了に向け、事務事業の見直し・施設の統廃合など歳出の合理化等行政改革を推進し健全な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

住宅新築資金等貸付事業特別会計については、これまでの収入未済の積み重ねにより、前年度繰上充用で会計を運営している状況であるが、貸付事業は終了していることから、収入未済額の確保に努めることがもっとも重要な事業となっている。金子地区臨海土地造成事業特別会計については、造成事業は終了しており平成29年度をもって会計を閉鎖する予定である。その他一般会計等の会計は黒字を達成しているが、使用料等の適正な負担額への見直しや事務事業の再点検等、歳入歳出両面から質を高める取り組みを通じ健全な財政運営に努めることとしている。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

平成19年度以降、政府資金の公的免除繰上償還や高利率の起債の積極的借換、公債費負担適正化計画等の実施により公債費の低減を図ったことにより着実に改善されてきている。算入公債費等については合併特例債や臨時財政対策債等の交付税参入率の高い市債借入が増加しているためであり、結果として実質公債費比率の分子が大幅に減少している。今後も選択と集中により事業費の抑制を図るとともに、基準財政需要額の算入率が高い起債の活用、減債基金を増額し計画的に繰上償還を行うなど実質公債費比率の低減に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

将来負担比率は平成19年度は267.2%であったが、政府資金の公的免除繰上償還や高利率の起債の積極的借換、土地開発公社を三セク債を活用し解散する等、平成28年度には133.2%へと着実に改善されてきている。財政調整基金は平成28年度末残高68億円(前年度±0億円)を維持し、減債基金も、2事業における繰上償還の充当財源として5.4億円を取り崩したものの、平成28年度末現在高12.2億円(前年比-5.4億円)と一定の水準を維持している。しかしながら依然として他市町に比べて非常に高い数値となっているのは、一般会計地方債残高や臨海土地造成事業特別会計等の地方債償還元金繰入見込額が大きいことが将来負担比率の分子に影響しているためである。平成28年度に着手した市民文化ホール建設事業や新庁舎建設事業等合併特例事業が、今後数年一時的に公債費比率を押し上げることが予想されるが、将来負担解消には長期的な視点で財政の硬直化を招かないよう取り組む必要がある。今後、新規事業採択や施設の更新等にあたっては、統廃合を含め長期的に判断することが肝要であり、事業内容及び経費の精査と最適化により地方債への依存を最小限に抑制するとともに、普交合併算定替え終了が指標の分子・分母双方の悪化要因となることにも留意しつつ、一般財源の確保及び充当可能基金の計画的な積立てや繰上償還を積極的に行い、財政の健全化に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市の有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準にある。これは各施設の老朽化を調査し、施設の適正な維持管理を進めてきた結果である。公共施設等の長寿命化や複合化、集約化及び機能転換等も含め、公共施設等の適正配置と有効活用及び財政負担の軽減・平準化を図り、将来に負担を残さない行財政運営に取り組んでゆく必要がある。

債務償還可能年数の分析欄

ここに入力

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、類似団体比べ非常に高い水準にある一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも低い水準にある。老朽化した学校施設や消防施設等の公共施設の建替えや耐震化を積極的に進めてきたことにより有形固定資産減価償却率は下がったが、これに比して地方債の発行による市債残高が増加した結果、将来負担比率が高い水準となっている。今後も公共施設等の長寿命化や複合化、集約化及び除却を進めていく計画であり、近年減少傾向であった将来負担比率は地方債残高の増加に伴い、来年度以降は増加に転じる見込みとなっている。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率及び実質公債費比率ともに類似団体よりも非常に高い水準にある。主な要因として、消防防災センターの建設や市民文化ホール建設事業、中曽根保育園や川之江小学校及び三島東中学校の建替え、緊急防災事業による小・中学校の耐震化事業等、大規模な建設事業が続いてきたことによる地方債の発行による将来負担比率及び実質公債費比率が上昇してきていることによるものと考えられる。今後も新庁舎建設事業や子ども若者発達支援センター建設事業、東部学校給食センター建設事業など大型事業が続くことや合併算定替えによる普通交付税の縮減などにより、将来負担比率及び実質公債費比率の大幅な上昇が予想されている。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、公営住宅、港湾・漁港、認定こども園・幼稚園・保育所であり、特に低くなっている施設は、道路、学校施設である。公営住宅については、多くの施設が昭和40年代までに建設されており、耐用年数である47年(構造により38年)を大幅に経過しているか経過しつつあり、また、施設の計画的な統廃合が進んでいないことにより一人当たりの面積についても類似団体と比較して0.955%多い状況にある。また、認定こども園・幼稚園・保育所については、平成19年に中曽根保育園を建替えしたものの、それ以降は大規模な建替え及び改修が進んでいないことが有形固定資産減価償却率を高い水準に押し上げている。今後は、幼稚園・保育所の統廃合を含めた認定こども園への整備を進めていく計画である。道路については、市単道路改良事業や街路事業を計画的に進めている結果として、有形固定資産減価償却率は14.8%と、類似団体と比較して39.0%低い水準となっている。学校施設は川之江小学校や三島東中学校の建替え、妻鳥小学校や松柏小学校、関川小学校及び三島南中学校などの増改築を計画的に行った結果として、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して16.8%低くなっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、庁舎であり、特に低くなっている施設は消防施設である。庁舎については有形固定資産減価償却率が79.5%と、類似団体対と比較して22.0%も高い水準となっている。これは平成16年の2市1町1村合併以降、庁舎の集約化や統廃合を行わずにいるためである。施設の耐震性不足や老朽化に伴う安全性の低下、維持管理費の増大が課題となっており、今後は施設の建替えによる集約化や長寿命化を図る必要がある。消防施設については、老朽化していた新宮分遣所の移転新築や消防本部・消防署・消防団本部を統合した消防防災センターの新築移転が行われたため、有形固定資産減価償却率が類似団体と比較し大幅に低くなっている。しかし、一方で一人当たり面積は類似団体よりも高く、施設全体としての維持管理が今後重要となってくると思われる。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が期首時点から5,288百万円の増加(+3.4%)となった。金額変動の大きいものは事業用資産であり、新庁舎建設事業と市民文化ホール建設事業の本体工事がともに平成28年度に着工されたことが大きな要因である。また、負債総額についても期首時点から3,849百万円の増加(+6.3%)となっているが、主たる要因は地方債(固定負債)の増加であり、なかでも資産形成の要因となった投資的経費に充当された合併特例債の発行額は前年度より4,374百万円増加(+228.5%)となった。上水道事業会計、工業用水事業会計等を加えた全体では、資産総額は期首時点から6,066百万円増加(+2.7%)し、負債総額は期首時点から2,344百万円増加(+1.9%)した。なお、一般会計等と全体の期首時点から増加額を比較した場合、負債については全体の増加額が一般会計等の増加額より△1,505百万円となっているが、これは工業用水道事業会計の地方債償還額が発行額を大幅に上回ったことが主な要因である。連結では、全体と比較して資産総額は2,178百万円増加、負債総額は1,200百万円増加となっており、建物等の事業用資産を有する(株)やまびこ、情報通信機器等の物品を有する(株)四国中央テレビとの連結が主な増加要因である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は31,891百万円、経常収益は1,663百万円となった。経常費用のうち、業務費用が17,905百万円、移転費用が13,986百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多い。近年では資産形成に繋がる新庁舎建設事業等の普通建設事業を多く行っており、今後減価償却費も増加することから、経常経費の見直し、施設の統廃合等も含めた適正管理を推し進め、経費の縮減に努める。全体では、一般会計等と異なり、業務費用が23,213百万円、移転費用が32,877百万円であり、移転費用の方が業務費用よりも多くなっている。この主たる要因は、国民健康保険事業特別会計や介護保険事業特別会計の負担金を補助金等に計上している為であり、補助金等は一般会計より21,602百万円増加している。また、経常収益は8,180百万円と一般会計よりも6,517百万円増加しており、これは上水道事業会計、工業用水道事業会計の水道料金等が主な要因である。連結では、愛媛県後期高齢者医療広域連合の補助金等により、移転費用が43,248百万円となり、連結より10,371百万円多くなっている。また経常収益は9,435百万円であり、連結よりも1,255百万円増加しており、この要因は、第三セクターの事業収益の増加である。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(31,607百万円)が純行政コストを上回ったことから、本年度差額は1,389百万円となり、純資産残高は1,440百万円の増加となった。財源のうち国県等補助金は7,354百万円であり、このうち投資活動収入は1,355百万円であるが、資産増加による行政コストの計上は減価償却により後年度となる為、純資産が増加していることが考えられる。全体では、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計等の国民健康保険料や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が13,535百万円多くなっており、本年度差額は3,563百万円となり、純資産残高は3,727百万円の増額となった。連結では税収等、国県等補助金の財源が全体より10,757百万円増加しているものの、行政コストもほぼ同額増加している為、純資産変動額は全体より76百万増の3,803百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は3,428百万円であったが、投資活動収支については、新庁舎建設事業や市民文化ホール建設事業以外にも合併特例事業を行っており、財源に合併特例債等の地方債を充当している為、△7,803百万円となっている。よって、財務活動収入のうち地方債等発行収入は8,799百万円(うち臨時財政対策債1,532百万円)となり、財務活動収支は4,102百万円となった。なお、地方債償還支出については前年度から453百万円増加し、4,693百万円となった。全体では、国民健康保険料や介護保険料が税収等収入に含まれること、工業用水事業会計の給水収益が使用料及び手数料収入となることなどから、業務活動収支は一般会計等より4,051百万円多い7,479百万円となっている。財務活動収支では、工業用水事業会計で△2,149百万円(地方債等償還支出2,149百万円、地方債等発行収入0百万円)となっており、一般会計等より1,978百万円減少し、2,124百万円となり、本年度末資金残高は7,391百万円となった。連結では全体と比較して各収支に大きな変動はないものの前年度末資金残高の差額により、本年度末資金残高は8,360百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人あたりの資産額は、類似団体平均値を若干上回っているが、これは新庁舎建設事業や市民文化ホール建設事業等、合併特例債の活用により資産形成に繋がる投資的経費が増大したことが要因の一つである。歳入額対資産比率は、類似団体平均値を若干下回っているが、近年投資的経費が増大しており、歳入以上に資産の増加が見込まれ、今後は増加傾向になることが想定される。有形固定資産減価償却率については、類似団体平均値より約10%ほど下回っているが、合併特例債を活用した施設更新、道路改良を多く行っていることが要因と考えられる。仮に施設等更新費用3,000百万円が償却済資産の更新に支出されなかったと仮定すると、1.8%上昇する。(減価償却累計額+3,000百万円、有形固定資産増減なし)平成16年度の合併以降、施設の統廃合が思うように進展していない状況であり、人口が減少している中、施設の維持管理、老朽化対策が大きな課題であり、施設保有数の適正化に取り組みたい。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均値を大幅に下回っており、将来世代負担比率は類似団体平均値の2倍近くある状況である。これは地方債残高が多いことが要因であり、将来世代へ負担を先送りしている状況にある。なお、平成16年度の合併後、13年経過した平成28年度末における地方債残高58,740百万円のうち合併特例事業債の残高は28,752百万円(48.9%)を占めている。また臨時財政対策債は18,109百万円(30.8%)である。今後の人口減少、少子高齢化が進む中で、適切な資産更新を行ううえで、世代間のバランスを考慮し、新規債の発行を抑制するなどの検討が必要であります。また、高利率の地方債の借換えや繰上償還を行うなど、将来世代の負担軽減に努めたい。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均値と同程度であるが、平成28年度に特筆すべきコスト増減要因がないことから、今後も同水準以上で推移するものと思われる。行政コスト増加要因としては、合併特例事業を進める中で、市民文化ホール建設等の大型事業により、維持管理経費等の増加分が見込まれている。人口減少、少子高齢化社会の中では、水道・下水道事業への繰出金や社会保障給付費等の移転費用を削減は難しく、行財政改革による人件費の抑制や公共施設等総合管理計画による施設の統廃合を進め、維持管理経費の削減に努めたい。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人あたり負債額は類似団体平均値よりも大幅に上回っているが、主な要因は合併特例事業債残高の増加によるものである。平成28年度の新規債発行額8,799百万円のうち合併特例事業債は6,289百万円と約7割を占めている。今年度より新庁舎建設等の大型事業の工事に着手しており、当市の合併特例事業終了年である平成31年度までは同様の傾向である。基礎的財政収支については、業務活動収支は黒字となっているものの投資活動収支の赤字が多くマイナスに転じている。今後も地方債を財源とする合併特例事業が計画されているが、平成32年以降は地方債残高の削減も踏まえた上で、投資活動収支の赤字減少に努めたい。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値と同程度である。経常費用については、合併特例債を活用した大規模な普通建設事業を複数行っており、減価償却費は今後増加する見込みである。また、経常収益に係る使用料及び手数料については、算定方法を明確化し、公平かつ透明性のある算定方式となるよう協議を進めているところである。今後、老朽化した施設の維持管理費等の増加が懸念されていることから、類似性、近似性の観点からも統廃合などの施設の適正管理に努め、経費の縮減に努めたい。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,