北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

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地方財政ダッシュボード

愛媛県四国中央市の財政状況(2018年度)

🏠四国中央市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

全国有数の製紙工業都市として、紙加工業などの紙関連企業も多く、市民の大半が何らかの紙関係の仕事に従事しており、活発な地場産業に支えられ比較的財政力に恵まれている。平成30年度財政力指数は、法人市民税増収に伴い基準財政収入額が増であったが、基準財政需要額も増となったため前年度と同数値の0.76となっている。依然として類似団体平均や愛媛県平均より上回っている。しかし、産業構造が「紙」に特化した単一構造のため、原油高や円安と言った外的要因を受けやすく脆さも併せ持っている。また、近年低下傾向にあるため、第二次総合計画に沿った施策を重点的に実施することにより活力のあるまちづくりを展開しつつ、行政の効率化に努めることにより、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

平成19年度以降大幅な経常的経費の削減を進めた結果、最も数値が悪かった平成18年度決算の96.4%と比較すると改善されてきた。しかし、平成29年度決算では87.1%であったが、平成30年度は、企業の設備投資等が行われるなど業績好調により法人税割等が増加傾向にある一方で、公債費等の増による義務的経費の増加により、昨年度より0.3ポイント上昇し87.4%となり、比率は年々悪化している。今後、普通交付税合併算定替終了の影響や合併特例債の元金償還が本格化するなど、さらなる財政の硬直化が進むことが予想されることから、積極的な繰上償還の実施や、選択と集中による経常経費の削減を図りながら現在の水準以下を目標に取り組む。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均とほぼ同じ水準である。合併以降、物件費や維持補修費等について削減を重ねてきたことが要因として挙げられる。前年度と比べて、人件費、物件費及び維持補修費が減少したことにより、人口1人当たり人件費・物件費等決算額も1,140円の減となった。引き続き,定員管理及び給与の適正化による人件費の抑制に努めるとともに,民間委託等の推進や指定管理者制度の活用などによる物件費の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度より0.3ポイント低い98.0で、類似団体平均の98.6と比較して、0.6ポイント下回っている。定員適正化計画に基づき適正化を進めてきた結果、採用抑制によって世代間のアンバランス解消が課題となっているが、引き続き人件費の抑制に努め本市の財政状況等を踏まえた給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

合併に伴い一部事務組合職員の身分を新市に引き継いだため、平成16年度は職員数が1,270人と類似団体平均に比べ約200人超過していた。定員適正化計画に基づき適正化をすすめたことにより職員数は減少してきたものの、類似団体と比較しても依然高く推移している。また、採用抑制や再任用制度の開始により世代間のアンバランスが生じており、将来に渡って安定的に業務を遂行できる職員配置が急務となっている。短期での大幅な減員が見込めない状況にあるが、施設の統廃合・民営化など行政のスリム化により抑制を図る。

実質公債費比率の分析欄

最も数値が悪かった平成19年度決算における実質公債費比率は20.7%であった。平成30年度は8.7%と確実に改善されてきているが、類似団体平均6.9%と比べると依然高い数値となっている。今後も新市建設計画に基づく大型事業が予定されており、事業実施に際しては一層慎重に行わざるを得ない。継続事業については容易に市債に頼ることなく適正な事業量を執行していくよう努めるとともに、減債基金の積立額を確保し繰上償還を行う等、地方債残高の縮減に取り組み類似団体の平均水準を目指す。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率を算定する際の分子となる公営企業債等繰入見込額が減少したものの、新庁舎建設事業などの大型事業の実施に伴う合併特例債の発行などによる一般会計等における地方債残高の増加や充当可能基金額の減少などにより、前年度と比較して0.7ポイントの増となった。類似団体平均の25.3%と比較すると依然高い水準であり、今後も大型事業に係る起債残高が上昇することが見込まれることから、借入額の抑制や財源の確保を図るとともに、減債基金や特定目的基金の積立等により財政健全化に努め、類似団体並の将来負担比率を目標とする。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

平成18年の32.5%をピークに定員適正化計画を進めた結果、類似団体平均に近づきつつあったが、平成25年度の7月から3月まで国家公務員給与減額措置に応じて実施した減額分を平成26年度に復元したことの影響が続いていることや、平成29年度より特別会計閉鎖による職員給の増により、平成30年度は類似団体平均より1.8ポイント下回る数値となっている。施設の統廃合やアウトソーシング、事務量の把握と精査による効率的な人員配置を行いながら、給与水準の適正化に努める。

物件費の分析欄

類似団体内比較においては概ね中間に位置しており、前年度と比較して0.8ポイント減少の14.7%で概ね横ばいに推移している。施設の維持管理経費、アウトソーシング等による委託料、賃金等の増加が見込まれることなどから、類似施設の統廃合、事業の選択と集中を図ることが急務となっている。今後もコスト削減を進めながらもサービス水準の向上を図るため計画的な財政運営に努める。

扶助費の分析欄

依然、類似団体平均を上回り、かつ上昇傾向にある要因として、生活保護費や障がい者福祉サービス費、施設型給付費の恒常的な高止まりに加え、平成27年度から実施した子ども医療費の完全無償化の影響や平成29年度より直営であった養護老人ホームを民間移譲したことによる老人ホーム入所事業費の増などが挙げられる。国の制度に基づくものが大半であるが、資格審査等の適正化を進めていくことで、上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が前年度と比較して2.5ポイント減の12.0%となっている。これは、公共下水道事業の法的化に伴い、一般会計からの繰出金の一部が補助費等に分類されたことにより、繰出金が前年度と比較して2.4ポイント減の11.4%となったことが主な要因である。繰出金については、介護保険事業や後期高齢者医療事業特別会計の給付費の増加や、国民健康保険事業の加入者の高齢化、医療技術の高度化などに伴う医療費増加によって国民健康保険事業特別会計の財政悪化も懸念されることから、歳入歳出の適正化を図ることにより負担増加を抑制する。

補助費等の分析欄

類似団体との比較では大きく平均を下回っている。これは合併により市町村で構成されていた一部事務組合が解散になり多額の負担金が不要となったことが挙げられる。また、合併した直後から財政の危機的状況を打破するために外部団体の補助金のあり方の検証、行政監査等の取り組みにより、その結果が成果として表れている。平成30年度は公共下水道事業の法適化に伴い、一般会計からの繰出金の一部が補助費等に分類されたことによる増などから、昨年度と比較して、2.6ポイントの増となっており、今後も適正な執行に努める。

公債費の分析欄

平成30年度は前年度と比較して1.1ポイント増の19.6%で、類似団体平均の15.8%と比較しても高い状況にある。公債費については、これまで改善傾向にあったが、後年度の元利償還金の平準化を図るために繰上償還を実施したことや新市建設計画に基づく合併特例債を活用した事業の実施により地方債現在高が増加した影響で、地方債の元利償還金が増となった。今後、新庁舎建設事業など大型事業が進行し、これらの償還が公債費を押し上げる見込みとなっていることから、市債の新規発行を伴う普通建設事業を抑制していくほか、減債基金の積立額を確保し繰上償還を行う等、地方債残高の縮減に取り組み公債費の低減に努める。

公債費以外の分析欄

平成30年度は前年度より0.8ポイント減少しており、類似団体平均との比較では大きく上回っている。経常収支比率が87.4%であることから公債費が占める割合が非常に高いことが判る。これまで経費削減のため恒常的に削減を行ってきたため、これ以上の削減が厳しい状況下にあるが、事業の選択と集中を図りながら現在の水準を超えないよう、歳入・歳出両面で財政の質を高めるように努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は住民一人当たり69,134円、前年度より19,516円増で類似団体より9,148円高い状況である。これは、新庁舎建設事業などの大型事業による普通建設事業費や物件費が増加したことが要因である。なお、これらの大型事業は次年度までの継続事業のため、次年度も類似団体を上回りかつ上昇することが見込まれる。民生費は全体の33.3%を占め、住民一人当たりは158,077円で、類似団体と比較して一人当たり18,679円高い状況となっている。これは、平成27年度途中から開始したこども医療費無料化拡大分による影響や近年の障がい者福祉サービス事業費や児童発達支援事業費が増加していることなどが要因となっている。土木費は住民一人当たり50,110円で前年度より1,166円増で、類似団体より6,551円高い状況が続いている。大きな要因として公園施設長寿命化対策事業や平成27年度からの継続事業である川之江地区整備事業がある。教育費は住民一人当たり56,793円で前年度より2,245円増となっており、類似団体と比較しても依然高止まりしている。学校給食センター建設事業や公民館新築事業などの大型事業が重複したことが主な要因である。今後も各施設の更新や維持管理に係る費用が嵩んでくることが見込まれるため、公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づく事業の取捨選択により、事業の精査を厳にすることで事業費の減少を目指す。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり474,341円となっており、前年度に比べ46,787円の増となっている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり78,632円となっており前年度より553円の増となっている。定員適正化計画を進めてきた結果、ピークであった平成18年度に比べ10.4%減少してきてはいるものの、依然類似団体と比べて高い水準にある。物件費は住民一人当たり50,829円で、地域活動支援センター事業委託料の減などにより前年度より1,358円の減、類似団体より10,874円低い状況である。維持修繕費は住民一人当たり3,003円で282円の減となり、類似団体と比較しても一人当たりのコストは低い状況である。扶助費は住民一人当たり85,970円で、前年度に比べ346円の増となっている。臨時福祉給付金事業が減小したにも関わらず増となっている要因は、養護老人ホームを民間移譲したことによる老人ホーム入所事業費や障がい福祉サービス事業費、障がい児通所扶助費などの増のためである。補助金等は住民一人当たり31,634円と前年度より12,534円の増となったが、類似団体と比較して一人当たりのコストは13,610円低い状況である。これは補助金のあり方の検証や行政監査の取り組み等による結果が表れている。普通建設事業費のうち更新整備については、大型事業費の増で、住民一人当たり88,180円で前年度より31,135円の増となり、類似団体より57,923円高くなっている。これは、新庁舎建設事業等の新市建設計画に基づく大型事業が重複したためで、次年度についても引き続き住民負担の高い状況が続くことが予想される。公債費は住民一人当たり69,718円で前年度より18,704円の増となり、類似団体より28,771円高い状況にある。これは、繰上償還の実施や合併特例債の元利償還金が増となったためで、今後も類似団体を上回ることが見込まれる。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

合併に伴う一部事務組合の正規雇用等による人件費の大幅な増加や合併前の大型事業による公債費の増加によって、平成18年度の経常収支比率は96.4%と硬直した財政状況であった。定員適正化計画による職員削減や補助金の見直し、補償金免除繰上償還の積極的な活用等の行財政改革により平成20年度以降は経常収支比率も改善されてきている。実質収支は平成20年度以降は黒字決算が続いており、令和2年度の合併算定替の終了に向け、事務事業の見直し・施設の統廃合など歳出の合理化等行政改革を推進し、引き続き健全な財政運営に努める。実質単年度収支についても、市税収入等が前年度比増収となったことに加え、経費削減への取り組みに努めていることなどにより黒字となっている。財政調整基金残高は、3億円の取崩しを行ったため1.76%減少した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

住宅新築資金等貸付事業特別会計については、これまでの収入未済の積み重ねにより、前年度繰上充用で会計を運営している状況であるが、貸付事業は終了していることから、収入未済額の確保に努めることが、もっとも重要な事業となっている。その他一般会計等の会計は黒字を達成しているが、使用料等の適正な負担額への見直しや事務事業の再点検等、歳入歳出両面から質を高める取り組みを通じ健全な財政運営に努めることとしている。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成19年度以降、政府資金の公的免除繰上償還や高利率の起債の積極的借換、公債費負担適正化計画等の実施により公債費の低減を図ったことにより着実に改善されてきていたが、新市建設計画に基づく合併特例債を活用した大型事業が集中したため元利償還金が増加となっている。また、算入公債費等についても合併特例債や臨時財政対策債等の交付税算入率の高い市債借入により増加となっているが、結果として実質公債費比率の分子は増となっている。今後も選択と集中により事業費の抑制を図るとともに、基準財政需要額の算入率が高い起債の活用、減債基金を増額し計画的に繰上償還を行うなど実質公債費比率の低減に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成30年度の将来負担額は、地方債残高が増加傾向にあるものの、公営企業債等繰入見込額が減少したことから、前年度と比較して減少している。充当可能財源等は、基準財政需要額算入見込額は増加したものの、財政調整基金や減債基金の取り崩しなどにより充当可能基金が大幅に減少したため、前年度と比較して減少している。将来負担額及び充当可能財源等はいずれも減少しているが、充当可能財源等の減少幅が大きいため、将来負担比率の分子は前年度と比較して微増となっている。将来負担比率は、平成19年度267.2%であったが、政府資金の公的免除繰上償還や高利率の起債の積極的借換、土地開発公社を三セク債を活用し解散する等、着実に改善されている。しかしながら依然として他市町に比べて非常に高い数値となっているのは、一般会計地方債現在高や地方債償還元金繰入見込額が大きいことが将来負担比率の分子に影響しているためである。合併特例債を活用した大型事業の実施により、今後、公債費比率を押し上げることが予想されるが、将来負担解消には長期的な視点で財政の硬直化を招かないよう取り組む必要がある。今後、新規事業採択や施設の更新等にあたっては、統廃合を含め長期的に判断することが肝要であり、事業内容及び経費の精査と最適化により地方債への依存を最小限に抑制するとともに、普交合併算定替終了が指標の分子・分母双方の悪化要因となることにも留意しつつ、一般財源の確保及び充当可能基金の計画的な積立てや繰上償還を積極的に行い、財政の健全化に努める。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)普通交付税の合併算定替の縮減額の増加や事業実施に伴う財源対応等に「財政調整基金」を3億円、後年度の地方債償還の平準化を目的とした繰上償還の財源として「減債基金」を12.5億円、新庁舎建設事業の実施に伴い「新庁舎建設基金」を3億円、市民文化ホール建設事業の実施に伴い「文化ホール建設基金」を4.8千万円を取り崩したこと等により、基金全体としては約18億7千万円の減少となっている。(今後の方針)新庁舎建設や市民文化ホール建設の事業実施に伴い特定目的基金の取り崩しや普通交付税の合併算定替による特例措置の適用期限終了及び老朽化が進む公共施設の整備更新等に伴う財政調整基金の取り崩しなどにより、基金残高については中長期的に減少傾向にある。

財政調整基金

(増減理由)普通交付税の合併算定替の縮減額の増加や施設の整備更新事業実施に伴う財源対応等による減少。(今後の方針)災害等に備えるための基礎的な積立額とする38億円に加えて、普通交付税の合併算定替の縮減に備えた激変緩和措置や施設の整備更新等に要する財源として38億円とした積立方針に基づき平成26年度までに積み立てを行い、平成28年度までは歳出削減や歳入確保により取り崩しを回避し基金残高68億円を維持してきたが、平成29年度より減少傾向にある。中長期的に普通交付税の合併算定替による特例措置の適用期限終了などにより、減少していく見込み。

減債基金

(増減理由)「半年賦元金均等及び満期一括償還併用方式」により借入を行った市債について、数年後より満期一括分の償還を迎えることから、その一部を繰上償還するため12億5千万円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)令和3年度に地方債償還のピークを迎えるため、それに備えて繰上償還を行うための財源として取り崩す予定であり、減少していく見込み。

その他特定目的基金

(基金の使途)・合併振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興を図るための事業・ふるさと応援基金:福祉及び医療の充実、教育環境の整備及び文化振興、地場産業の振興並びに生活環境の改善に関する事業その他市政発展に必要な事業・地域福祉基金:高齢者等の保健福祉の増進(増減理由)・新庁舎建設基金:新市建設計画に基づく新庁舎建設事業の財源として3億円を充当したことにより減少。・文化ホール建設基金:新市建設計画に基づく市民文化ホール建設事業の財源として4.8千万円を充当したことにより減少。(今後の方針)・新庁舎建設基金:平成28年度から令和元年度で新庁舎建設工事を実施、事業終了年度である令和元年度までで取り崩し、事業費に充当。・文化ホール建設基金:平成28年度から令和元年度で市民文化ホール建設工事を実施、事業終了年度である令和元年度までで取り崩し、事業費に充当。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市の有形固定資産減価償却率は類似団体平均に比べて低い比率となっている。これは各施設の老朽化を調査し、施設の適正な維持管理を進めてきた結果である。今後、減価償却が進むにつれ、施設の老朽化が顕著となることが予想されるため、公共施設等の長寿命化や複合化、集約化及び機能転換等も含め、公共施設等の適正配置と有効活用など計画的な資産管理を進めていく。

債務償還比率の分析欄

当市の債務償還可能年数は類似団体平均に比べて高くなっている。これは各施設の老朽化を調査し、施設の適正な維持管理を進めてきた結果である。今後、減価償却が進むにつれ、施設の老朽化が顕著となることが予想される。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、類似団体平均に比べて非常に高い比率にある一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも低い比率にある。老朽化した学校施設や消防施設等の公共施設の建替えや耐震化を積極的に進めてきたことにより有形固定資産減価償却率は下がったが、これに比して地方債の発行による市債残高が増加した結果、将来負担比率が高い水準となっている。近年減少傾向であった将来負担比率は、計画的に公共施設等の長寿命化や複合化、集約化及び除却を進めていることから、地方債残高の増加に伴って増加に転じており、今後も増加傾向となる見込みとなっている。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率及び実質公債費比率ともに類似団体よりも非常に高い水準にある。主な要因として、消防防災センターの建設や川之江小学校及び三島東中学校の建替え、緊急防災事業による小・中学校の耐震化事業等、大規模な建設事業が続いてきたことによる地方債の発行によるものと考えられる。さらに、新庁舎建設事業や市民文化ホール建設事業、東部学校給食センター建設事業など大型事業の実施や合併算定替えによる普通交付税の縮減などにより将来負担比率及び実質公債費比率の上昇が予想されるが、今後増加を抑制するよう、引き続き財政の健全化に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体平均値と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、公営住宅、認定こども園・幼稚園・保育所であり、特に低くなっている施設は、道路、学校施設である。公営住宅については、多くの施設が昭和40年代までに建設されており、耐用年数である47年(構造により38年)を大幅に経過しているか経過しつつあり、また、施設の計画的な統廃合が進んでいないことにより一人当たりの面積についても類似団体平均値と比較して0.988%多い状況にある。また、認定こども園・幼稚園・保育所については、平成19年に中曽根保育園を建替えしたものの、それ以降は大規模な建替え及び改修が進んでいないことが有形固定資産減価償却率を高い水準に押し上げている。今後は、幼稚園・保育所の統廃合を含めた認定こども園への整備を順次進めていく計画である。道路については、市単道路改良事業や街路事業を計画的に進めている結果として、有形固定資産減価償却率は20.4%と、類似団体平均値と比較して38.0%低い水準となっている。学校施設は川之江小学校や三島東中学校、新宮小中学校の建替え、妻鳥小学校や松柏小学校、関川小学校及び三島南中学校などの増改築を計画的に行った結果として、有形固定資産減価償却率は類似団体平均値と比較して16.9%低くなっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体平均値と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は市民会館で、今後、建て替えなどの多額の負担が予想される。庁舎については、平成28年度に81.4%となるなど類似団体平均値より大幅に高かったが、平成30年度は59.3%とほぼ平均値まで低くなっている。これは、本庁舎の建て替えを行っていることなどによるものである。一方、一般廃棄物処理施設や消防施設については、類似団体平均値を下回っている。特に低くなっている施設は消防施設で32.7%となっており、要因としては老朽化していた新宮分遣所の移転新築や消防本部・消防署・消防団本部を統合した消防防災センターの新築移転が行われたためである。また、1人当たりの数値では、体育館・プール面積、消防施設、庁舎が類似団体平均値を上回っている一方、一般廃棄物処理施設有形固定資産(償却資産)額、保健センター・保健所面積は類似団体平均を下回っている。施設全体としては、一人当たり面積が類似団体よりも高く、維持管理が今後重要となってくると思われる。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等は資産総額が前年度末から3,228百万円(+2.0%)の増加となっており、中でも事業用資産及び基金(流動資産)の変動が大きい。事業用資産は新庁舎建設事業や市民文化ホール建設事業等の大型建設事業の進捗により前年度比3,103百万円(+3.4%)の増加、基金(流動資産)については後年度における公債費負担の軽減を図るため、減債基金を活用して繰上償還を行ったことにより前年度比1,547百万円(△18.2%)の減少となっている。全体は前年度末と比べ資産総額が30,095百万円(+12.3%)、負債総額が20,977百万円(+16.5%)の増加となった。変動が大きいものはインフラ資産等の有形固定資産及び地方債であり、主な要因は平成30年度より法適用へと移行した公共下水道事業会計を追加したことによるものである。連結では全体と比較して資産総額で2,544百万円(+0.9%)、負債総額で1,473百万円(+1.0%)多くなっており、建物等の事業用資産を有する(株)やまびこ、情報通信機器等の物品を有する(株)四国中央テレビとの連結が主な要因である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の経常費用は31,138百万円、前年度比348百万円(△1.1%)の減少となった。変動が大きいものは移転費用で、平成29年度に実施した国民体育大会開催事業や臨時福祉給付金給付事業の終了による補助金等の減少等により、前年度比188百万円(△1.4%)の減少となっている。また、経常収益は退職手当負担金の戻入が発生したことにより、その他が前年度比398百万円(+72.4%)の増加となり、純経常行政コストは前年度比△730百万円(△2.4%)の29,378百万円となった。なお、西日本豪雨災害等により災害復旧事業費が前年度比219百万円(+755.2%)増加しており、純行政コストは前年度比△341百万円(△1.1%)の29,738百万円となっている。全体では移転費用が業務費用を上回っているが、主たる要因は国民健康保険や介護保険の事業運営による補助金等であり、補助金等は一般会計より20,010百万円多くなっている。また、経常収益は公共下水道事業会計を追加したこともあり、前年度比+1,106百万円の8,588百万円となった。連結では愛媛県後期高齢者医療広域連合の補助金等により、移転費用が41,756百万円と全体より10,811百万円(+34.9%)多くなっている。また、経常収益は(株)やまびこ等の第3セクターの事業収益により、全体より749百万円(+8.7%)多い9,337百万円である。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等は税収等の伸び(前年度比+115百万円、+0.5%)に加え、人件費、物件費等や移転費用を要因とした純行政コストの減少(前年度比△341百万円、△1.1%)により、本年度差額が2,477百万円(前年度比+502百万円、+25.4%)、純資産残高は97,166百万円(前年度比+2,624百万円、+2.8%)となった。全体では本年度差額が3,890百万円(前年度比+669百万円、+20.8%)となっている。国民健康保険制度運営の都道府県化による影響から、税収等が前年度比5,534百万円(△14.3%)の減少、国県等補助金が前年度比4,449百万円(+32.7%)の増加と大きく変動しているほか、純行政コストが前年度比1,754百万円(+3.6%)増加している。また、前年度、西部臨海土地造成事業特別会計において固定資産台帳の修正を行ったことに伴い資産が増加した影響を受け、純資産変動額が4,037百万円(前年度比△8,640百万円、△68.2%)と大きく減少している。連結では税収等、国県等補助金の財源が全体より11,225百万円(+21.9%)多くなっているものの、純行政コストもほぼ同額の増となっているため、純資産変動額は全体と比べて9百万円(△0.2%)減の4,028百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、西日本豪雨災害等により臨時支出が前年度比219百万円(+755.2%)増加した一方で、国民体育大会開催事業や臨時福祉給付金給付事業の終了による補助金等の減少等により、業務支出が前年度比444百万円(△1.6%)減少し、業務活動収支は4,644百万円(前年度比+315百万円、+7.3%)となった。投資活動収支は繰上償還を実施したことにより基金取崩収入が前年度比1,465百万円(+330.7%)増加した一方で、大型建設事業に係る支出額の増加により公共施設等整備費支出が前年度比2,982百万円(+62.1%)増加し、△4,779百万円(前年度比△795百万円、△20.0%)となっている。財務活動収支は投資活動支出に伴う地方債発行収入の増加により、前年度比1,289百万円(+795.7%)の増加となっている。全体では国民健康保険料や介護保険料が税収等に含まれること、工業用水事業会計の給水収益が使用料及び手数料収入となることから、業務活動収支は一般会計等より5,068百万円(+109.1%)多い9,712百万円となった。財務活動収支では、法適用に移行した公共下水道事業会計を追加したこと等により、地方債等償還支出が前年度比1,340百万円(+16.2%)、地方債等発行収入が前年度比1,835百万円(+24.9%)の増加となった。連結における本年度末資金残高は(株)やまびこや愛媛県後期高齢者医療広域連合などの資金により、全体より1,061百万円(+10.2%)多い11,501百万円(前年度比+2,473百万円、+27.4%)となっている。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

歳入額対資産比率については3.63年(前年度比△3.3年、△8.3%)となり、類似団体平均値を下回っている。前年度、建設事業に係る支出が抑制的であったことにより、地方債発行収入が抑えられていたため歳入総額が減少していたが、建設事業に係る支出額の増加に伴い、地方債発行収入が増加したことが要因である。有形固定資産減価償却率は47.1%で前年度より0.6%上昇したものの、類似団体平均値より約12%程度下回っている。資産の減価償却を上回るペースで施設整備や道路改良を行っていることが類似団体平均値を下回る要因の一つであると考えられる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均値72.7%を下回る59.6%、将来世代負担比率は類似団体平均値の2倍近い27.6%となっている。これは平成16年の市町村合併以降、合併特例事業債を活用した建設事業を進めてきた結果、地方債残高が著しく増嵩していることが要因で、将来世代へ負担を先送りしている状況にある。なお、平成30年度末の地方債残高59,729百万円のうち、合併特例事業債の残高は29,996百万円(50.2%)を占めており、将来世代負担率を算出する地方債残高の74.4%を占めている。平成30年度以降は合併特例事業債を活用した大型建設事業が終盤を迎える中、新規債の発行を抑制するなど健全な財政運営を行う必要があり、公債費負担軽減のため計画的な繰上償還を行うなど、将来世代の負担軽減に努めたい。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を1.2万円下回る34.0万円となった。国民体育大会開催事業や臨時福祉給付金給付事業の終了等により経常費用が減少したことに加え、退職手当負担金の戻入が発生したことにより、純行政コストは前年度比34,047万円減少となったが、人口減少もあり前年度比+0.1万円の微増となっている。前年度と比べると社会保障費が逓増しているほか、維持補修費が前年度比で225百万円減少しているものの、今後は新規整備施設や老朽化した施設の維持管理費の増加が懸念されることから、施設の維持管理費の削減を一層進めるとともに、人口減少に対応した施設の集約化に努めていきたい。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人あたり負債額は75.3万円(前年度比+1.7万円、+2.3%)であり、類似団体平均値47.0万円を大きく上回っている。主たる要因である地方債の平成30年度末残高は59,729百万円(前年度比+1,131百万円、+1,9%)で、うち合併特例事業債29,996百万円、臨時財政対策債8,848百万円と、地方債残高全体の約8割を占めている。今後は後年度の公債費負担を軽減するための繰上償還や、投資的経費の抑制により新規債の発行を減少させるなど、財政健全化に向けた取り組みに努めたい。基礎的財政収支は公共施設等整備費支出が前年度比62.1%増加したこと等により、投資活動収支の赤字額が増加し、業務活動収支の黒字分を上回り赤字となっている。なお、次年度においてもその傾向は継続する見込みである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

退職手当負担金の戻入が発生したこと等により、経常収益が昨年度と比較して383百万円増加していることに加え、経常費用では移転費用等の減少により総額で前年度比△348百万円の減少となったことから、受益者負担率は前年度比+1.3%と類似団体平均値を上回った。経常費用のうち維持補修費が前年度比で225百万円減少しているものの、公共施設の集約化等の適正管理が進展しなければ増加していくことが見込まれるため、今後は公共施設の使用料の見直しも含め、施設の利用状況を考慮したうえで集約化に努めていきたい。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,