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地方財政ダッシュボード

和歌山県紀美野町の財政状況(2017年度)

🏠紀美野町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、0.21となっており、類似団体内でも低位となっている。これは、町内に代表的な産業がなく、農業や小規模事業主がほとんどであり、産業構造がサービス業主体へと移行できていないことに大きく起因すると考えている。小売業の売上も減少の一途となっており、町内での税収も落ち込んでいる状況である。また人口減少とともに44.3%と高い高齢化率(平成30.1.1現在)が示す人口構造も自主財源の減少に拍車をかける状況となっている。

経常収支比率の分析欄

前年度と比較して1.1ポイント悪化し、類似団体平均よりも5.4ポイント高く、なお弾力性に乏しい比率となっている。悪化した要因としては、普通交付税の合併算定替の縮減の影響と、野上厚生病院への繰出金の増加によるが主なものとなっている。特に合併算定替は段階的に縮減されていることから、引き続き、経常経費の抑制に努めたい。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

合併後の町域が広大であるため、依然類似団体と比較しても多額となっている状況である。定員適正化計画により職員の削減に努めているがどうしても人的労働力に頼る部分が大きく、財政を硬直化する一因となっている。今後は、RPAやAIの活用を検討し、事務効率化を図りながら機構改革を行うとともに、支所・出張所の配置などを見直すことにより、人員の削減に努めたい。

ラスパイレス指数の分析欄

本町は類似団体と比較しても人口千人当たりの職員数が多いため、職員一人当たりの給与が低い状況となっている。今後も定員適正化計画に基づき職員数を削減しつつ、財政状況を勘案しながら、まずは類似団体の平均値に近づくように努めていきたい。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

合併後の広大な面積により、公共施設が点在することから、職員数が多くならざるを得ない状況となっている。これにより類似団体内でも、低位となっている。今後もますます人口減少が予想される中、住民サービスの低下を招かないよう組織・機構の再編を図り、適正な公共施設の配置及び定員の管理を行っていく。

実質公債費比率の分析欄

実質公債比率については、前年度までは順調に減少していたが、29年度では7.7%となっており前年度と比して0.3ポイント高くなった。これは、普通交付税について合併算定替の縮減影響等により減少したことによると思われる。今後も段階的に影響を受けるものであることから、比率が著しく悪化しないよう地方債の借入を計画的に実施していく。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、78.0%となっており前年度と比して5.5ポイントの改善となったが、以前類似団体と比較しても高い水準にある。これは、自主財源に乏しく、どうしても地方債に頼らざるを得ない財政事情があるほか、一部事務組合における施設整備による地方債残高の影響によるものである。今後も計画的な地方債の借入と償還に努め、財政の健全化に努めていきたい。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

平成17年の合併により、一時的に膨らんだ職員数は。第1次定員適正化計画により4名退職1名採用を基準に、続く第2次定員適正化計画では、2名退職1名採用を基準に職員数の適正な維持に努めてきた。現在第3次定員適正化計画を策定し、3名退職2名採用を基準としている中で、徐々に類似団体内平均との差は1.8まで縮まってきている。計画の着実な実施を行っていく。

物件費の分析欄

類似団体の中でも特に構成割合が低いものとなっている。今後は職員数の減少と事務効率の向上から、業務の外部委託、指定管理者制度の活用や臨時職員の雇用等によるにより増加していくことも考えられる。事務事業の見直しなどを図りながら、引き続き物件費の抑制に努めていく。

扶助費の分析欄

全国的な少子高齢化により、福祉医療費等の扶助費が上昇する傾向にある平成29年度は前年と比較して0.1ポイント減少することとなった。今後も、本町では更なる高齢化が進むことが予想されるため、できる限り予防に力を注ぎ、今後の扶助費の上昇を抑制できるような施策を講じていく。

その他の分析欄

類似団体の平均値に近しい値をとっており、本年は前年度より1.2ポイント減少した。これは国民健康保険事業の運営への繰出金が減少したことが要因となっている。今後は、施設の老朽化対策が控える簡易水道事業会計や農業集落排水事業会計への繰出金の増加が予想される。これらの事業会計ではコスト管理をしっかり行いながら適切な繰出を行うよう努めていく。

補助費等の分析欄

団体等への補助金や一部事務組合への負担金、補助金等の経常経費構成比率については、類似団体の中では中位に位置している。団体の補助金については、今後も適正な規模の補助金の設定を実施していく。本年度は前年度と比べ1.5ポイントの増加となったが、一部事務組合への負担金の増加が主な要因となっている。

公債費の分析欄

自主財源が乏しく、各種事業を行うに当たっては地方債による財源措置が不可欠となっている当町の財政運営の状況では、類似団体平均値と比べても8.9ポイントと大きい状況にある。平成29年度において、数字が1.0ポイント悪化した要因は、平成26年度に実施した一部事務組合の施設整備に要した起債の償還が始まったことによる。今後の償還計画を照らし合わせながら、新規事業の内容を精査し抑制に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体や全国平均と比較しても割合が低く、公債費以外の支出については十分な削減が行われていると考える。今後も、交付金等特定財源を伴わない事業については、十分に協議を行い、経常収支の健全化に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

住民一人当たりのコストとして、民生費、衛生費、消防費及び公債費がの高い状況が続いている。民生費は、特に国保事業特別会計や介護保険事業特別会計への繰出し金の増加により類似団体平均より1.13倍となっている。衛生費は、類似団体平均に比べ2.28倍と乖離が大きい。主な原因は3分の1を占める野上厚生病院への負担金による。消防費は、類似団体でも11位となっており高いものとなっている。これは、町域が広大であるため消防職員や消防団員数が多くなっていることが主な要因となっている。公債費については、類似団体平均や県平均と比べてもほぼ2倍となっている。これは、町の建設事業費や一部事務組合への建設費補助分も地方債を多く活用しているため、公債費の歳出額が多くなっている状況である。今後もこの状況が続くうえ、人口減少も加速していることから、人口一人当たりの公債費は増額傾向は続くと思われる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

住民一人当たりのコストとして、人件費、投資及び出資金、公債費、繰出金などが類似団体や県内平均と比較しても高い状況となっている。人件費は、類似団体比29.3%と前年に比し0.5ポイント改善は見られたが依然高い状況となっている。これは、人口数に対し、職員数が多いためであるが、町域が広大であるために、大胆な減数を行いにくいことに起因している。投資及び出資金は、一部事務組合である野上厚生病院に対する補助が大きいためである。公債費については、自主財源の少ない中、地方債の財源措置に依存せざるを得ない状況から高止まり状態となっている。繰出金については、前年に対し4,039円減少したが、今後簡易水道事業や農業集落排水事業の施設の老朽化対策の実施に伴い増加することが予想される。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

予算編成は普通交付税の合併算定替がなくなった場合を想定して行ってきたが、条件不利地域等への算定などの影響により減少の影響は少なく、実質収支額の財政標準規模比は結果として増加している状況となった。実質単年度収支の標準財政規模比がマイナスとなったのは、災害等に要する経費や一部事務組合への貸付により財政調整基金の取崩し額が増加したことによる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

全ての会計において、赤字は発生していない。この要因は、介護保険事業会計以外のすべての会計において継続的な財政支援を行っていることによる。特別会計のうち、国民健康保険診療所事業会計では、診療所の受診者の減少が影響していることにより一部診療所の廃止・統合も見据え抜本的な改革を実施していく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

平成28年度以降で元利償還金が増加している。これは、昨年度より元金償還が始まった平成25年度、平成26年度の合併特例事業債の償還が影響している。一方、地方交付税の財政措置がある臨時財政対策債や過疎対策・辺地対策・合併特例事業債といった財政運営に有利な地方債の発行により実質公債費比率の分子が増加しないよう努めている。今後も町債発行額の抑制を図りながら、健全な財政運営を行っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

将来支払う一般会計等において地方債額は214百万円、組合等負担等見込額が297百万円減少となり、それに充当できる財源においては減少が少なかったことから結果将来負担比率の分子は前年度より310百万円減少することとなった。今後も全国的に見ても高い住民一人当たりの公債費を減少させるよう、計画的な地方債の活用を行っていく。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金については、全基金のうちの61.9%とそのほとんどを占めている。その他特定目的基金については、総額として増減の乏しい状況となっている。(今後の方針)今後は公共施設の老朽化対策や道の駅整備事業らの大規模事業が控えることから基金残高については減少すると思われる。中長期的な視点を継続し必要な分については取崩しを行いつつも、災害などの緊急的な案件にも対応できるよう備えていく。

財政調整基金

(増減理由)平成27年度からの合併算定替の縮減を見越して、中長期計画を立て取り組んできたところ、支所等経費や地方創生関係の算定もあり減少幅が少なかったことから平成27年度において財政調整基金の金額が増加する要因となった。(今後の方針)標準財政規模の20%を基準として積立額が推移するように考える。現在積立が多い額については、平成32年度を期限として策定する個別施設計画を踏まえ、維持に要する財源として公共施設の維持整備を目的とした特定目的の基金の設置を予定しており、当基金の財源として活用していく。

減債基金

(増減理由)増減なく推移している。(今後の方針)当面の間は繰り上げての償還を行うことがないこと、償還額が一時的に増加することがないよう計画的な起債を心がけていることから、現状のまま推移するものと思われる。

その他特定目的基金

(基金の使途)その他特定目的基金の87.5%を占める合併振興基金については、合併後の町民の連携強化及び地域振興を図る事業に充当するものである。地上デジタル放送中継施設基金は、町が運営する中継施設の維持管理等に係る経費に充てられるものである。上芝貞雄文化・教育振興基金は文化・教育の振興を図るための経費に充てられるものである。中山間ふるさと・水と土保全対策基金については、ため池や用水路当の機能を維持するための住民活動の促進するための経費に充当するものである。福祉基金は福祉活動の促進等に充てるものである。(増減理由)その他特定目的基金で増減のあるものは利息の再積によるものが多いが、地上デジタル放送中継施設基金については、毎年施設の維持に要する経費を繰入を行っているため年々減少している。(今後の方針)合併振興基金については、償還が済んだ額から平成31年度における保育所移築事業等の一部に充当を予定。また地上デジタル放送中継施設基金については、今後大規模な設備更新を予定しており減少する見込み。一方で、公共施設の維持整備を目的とした基金を平成32年度に設置する予定とし、必要額の積立てを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当町の有形固定資産償却率は64.0%で、全国平均及び和歌山県平均、類似団体平均を上回っており、保有資産の老朽化が進行していると見受けられる。今後の方針としては、老朽化した施設の修繕・除却・新設の見極めを各施設ごとに行い、財政的な負担を毎年度平準化していくことが求められると考えられる。

債務償還可能年数の分析欄

当町の債務償還加納年数は、6.7年と類似団体に比べ1.9ポイント高いものとなっている。これは自主財源に乏しい財政事情から交付税算定の高い地方債に依存しているため、地方債残高が高く将来負担額もおのずと高くなることに起因している。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

29年度単年であり、かつ、類似団体の将来負担比率が0.0ということで組み合わせでの推移の比較は難しいが、有形固定資産減価償却率は高い状態となっており老朽化の進行が見受けられることから、計画的な修繕・除却・新設の検討を実施していく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

地方債残高の減少により、将来負担比率と実質公債費率の双方で減少傾向をとってきた。しかしながら平成29年度では普通交付税の合併算定替えの縮減により減少したことにより実質公債費において前年度に比し、0.3ポイント悪化し類似団体との比較においても0.5ポイント高いものとなった。一方の将来負担比率では類似団体との乖離は大きいが、値が.0.0と比較は難しい。今後も、普通交付税が減少する見込みであり、それを踏まえた計画的な地方債の発行を行っていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

各施設類型別の有形固定資産減価償却率については、【橋梁・トンネル】及び【児童館】で全国平均及び県平均を大きく上回っている。特に【児童館】に関しては、類似団体と比較しても26.3ポイントと高くなっており老朽化が進んでいるとおもわれる。一方、【認定こども園・保育所・幼稚園】に関しては全国平均及び県平均を下回っており、子育て施策の充実を図った結果が出ていると考えられる。今後は、老朽化の度合いや利用状況等を総合的に判断し、除却や集約も視野に含めた適切な運用を行う必要があると考える。【道路】では一人当たりの延長が類似団体の1.9倍と高くまた、全国平均及び県平均を大きく上回っている。これは、山間部が多く、集落が散在する地域性によるものと思われる。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

各資産の有形固定資産減価償却率については、【消防施設】で、1人当たり面積については、【市民会館】・【保健センター・保健所】において全国平均及び県平均、類似団体平均を大きく上回っている。特に、【消防施設】は、類似団体平均より26.5ポイントも高くなっているため、施設の老朽化が進んでいると考えられる。【消防施設】は地域医療や救急の観点から不可欠な施設と考えるため、既存建物の改修または移転新築等を行う必要性がある。一方、【保健センター・保健所】の1人当たり面積については、類似団体平均より0.201ポイント高くなっており、福祉施策の充実を図っている結果がでていると考えられる。【庁舎】についても、有形固定資産減価償却率が類似団体平均より3.8ポイント高く、県平均の1.3倍になっていることから、今後修繕等に多額の費用がかかることが予想される。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,