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地方財政ダッシュボード

新潟県村上市の財政状況(2017年度)

🏠村上市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(平成29年度末37.1%)に加え、大規模事業所数が少ないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均をかなり下回っている。平成28年度に策定した「第2次村上市総合計画」に基づき、組織・職員改革や公有財産・公共施設の適正管理等の行財政改革を推進し、活力あるまちづくりを展開しつつ、行政の効率化に努めることにより、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

類似団体平均より下回っているが、前年度比2.5ポイント増となっており、依然として高い水準にある。要因としては、施設の老朽化に伴う維持補修費と物件費の増があげられる。人件費、扶助費、公債費は今後増加することが見込まれるため、行財政改革を推進し、事務事業の休止・先送り・縮小等を図り、義務的経費を含む経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を大きく上回っている要因として、ごみ処理場、し尿処理場の運営及び消防業務を市単独で実施していることがあげられる。今後も、民間でも実施可能な事業等については、指定管理者制度の導入などにより委託化を進め、コストの縮減を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

市町村合併前の旧市町村において類似団体平均を下回っていたことから、現在の指数についても低水準となっている。平成26年度においては、給与制度の総合的見直しに伴う給料表の引下げ率の差により微増したが、その後は例年通りの指数で推移している。今後も、地域の民間企業の平均給与の状況を踏まえ、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口千人当たりの職員数は類似団体平均を大きく上回っているが、要因としては、市の面積が広大なため、本庁の他に支所(4支所)、保育園(14園)に職員を配置し、加えて消防業務を市単独で実施していることがあげられる。今後も、住民サービスを低下させることなく、「職員定員適正化計画」に基づき、職員数の適正化を進める。

実質公債費比率の分析欄

平成29年度の比率は13.3%となり、比率は改善傾向で推移しているものの、類似団体平均と比較すると依然として高い比率となっている。今後控えている大規模な事業計画の整理・縮小を図るなど、緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、起債に大きく頼ることなく償還額以下での地方債発行に努めるとともに、過疎対策事業債などの交付税措置のある地方債を活用し、年平均1%程度の改善を目標に、後年度の財政負担の軽減を図る。

将来負担比率の分析欄

類似団体平均を大きく上回っている要因として、下水道事業における公営企業債等の償還に係る一般会計からの繰出金が考えられる。当市は他団体と比べて面積も広く下水道の敷設に多額の費用を要することから、財源確保のためにも多額の地方債を発行している。財政負担の平準化のためにも、資本費平準化債を活用するとともに、下水道使用料の安定確保や下水道接続率の向上を図ることで自主財源を確保し、基準外繰出金の減少に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

人件費にかかる経常収支比率は、類似団体平均と比べて低い水準にある。今後も「職員定員適正化計画」に基づき、職員数の適正化を進めて、人件費の抑制を図る。

物件費の分析欄

物件費にかかる経常収支比率が年々上昇している要因としては、指定管理制度の導入による人件費から物件費への経費の移行や業務委託の増加があげられる。今後も、全般的な経常経費の削減と物件費の抑制を図る。

扶助費の分析欄

扶助費にかかる経常収支比率は類似団体よりも3.3ポイント下回っているが、生活保護費の増加や医療費助成の拡充などにより比率が上昇傾向にあることから、資格審査等の適正化や各種支援制度の精査を進め、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。

その他の分析欄

その他にかかる経常収支比率は、類似団体よりも11ポイント上回っており、繰出金の増加が主な要因と考えられる。中でも下水道事業特別会計への繰出金が影響していることから、財政負担平準化のため資本費平準化債を活用するとともに、下水道使用料の安定確保や下水道接続率の向上を図ることで自主財源を確保し、基準外繰出金の減少に努める。

補助費等の分析欄

補助費にかかる経常収支比率は、類似団体よりも7.8ポイント下回っている。要因としては、ごみ処理場及びし尿処理場の運営、消防、教育業務等を行っていた一部事務組合が解散し、市単独事業となっていることがあげられる。

公債費の分析欄

公債費にかかる経常収支比率は、前年度比0.2ポイント増加したが、類似団体平均よりも2.3ポイント下回っている。近年は大型事業が重なり地方債発行額が増えたものの、償還額以下での地方債発行に努めており、地方債残高は年々減少している。地方債発行については、引き続き償還額以下での発行に努め地方債残高の減少を図るとともに、交付税措置のある有利な地方債を活用する。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は、類似団体よりも2ポイント上回っており、上昇傾向にある。主な要因としては、物件費やその他の経費(特別会計繰出金)の増額によるものであることから、全般的な経常経費の削減を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

土木費は、住民一人当たり88,121円で類似団体平均と比較して高い水準にある。これは、村上総合病院移転新築周辺道路整備事業や日本海沿岸東北自動車道整備推進事業など新規大規模事業が重なったことが主な要因である。教育費及び消防費が類似団体平均と比較して高止まりしている要因は、指定管理料と義務教育施設整備事業や防災行政無線整備事業等の普通建設事業費が増加したことと、消防業務を市単独で実施していることが主な要因である。諸支出金が前年度比較増となった理由は、土地取得特別会計で家屋及び土地を先行取得したものである。民生費は、住民一人当たり148,192円で類似団体平均と比較して低い水準にあるが、生活保護費等の扶助費が年々上昇傾向にあることから、選択と集中による施策を進める必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり562,993円となっている。主な構成要因である人件費は住民一人当たり88,375円となっており、ほぼ同水準で推移しているものの類似団体平均と比較し高い水準にある。これは、消防業務を市単独で実施していることが主な要因である。指定管理者制度の導入による人件費から物件費への経費の移行や、業務委託の増により上昇傾向にある物件費、保有する公共施設が多いことや施設の老朽化に伴う維持補修費については今後も増加することが見込まれるため、行財政改革を推進し、また、公共施設等の維持及び更新に係る経費の縮減と平準化を図り、財政健全化を図る。また、普通建設事業費については、住民一人当たり74,915円となっており、類似団体平均と比較してやや高い水準となっている。これは、新規整備にかかる経費の比率が高いことからわかるように、近年大型事業が重なったことに起因する。今後も数年大規模事業が控えていることから、過疎対策事業債等の交付税算入率の高い地方債を発行することで後年度の負担軽減を図る。繰出金は、住民一人当たり91,811円となっており、類似団体平均と比較して41,665円高い状況となっている。主な要因は下水道事業特別会計への繰出金であり、財政負担の平準化のため資本費平準化債を活用するとともに、下水道事業については経費を節減し、独立採算の原則に立ち返った下水道使用料の安定確保や下水道接続率の向上を図ることで自主財源を確保し、基準外繰出金の減少に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

財政調整基金残高は、前年度と比較し4.35ポイント減少しているが、これは、記録的な大雪による除排雪委託料の財源として財政調整基金を取り崩したことによるものである。実質収支額については、前年度と比較し1.78ポイント減少しているのは、約4億円の減額となったためである。実質単年度収支が前年度比3.41ポイント低下しているのは、財政調整基金を9.6億円取り崩したのが主な要因である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

全会計で赤字額は出ていないものの、合併算定替期間が満了することによる普通交付税等の一般財源の確保が困難となることから、更なる行財政改革を進める必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

実質公債費比率は前年度比0.4ポイント改善されたが、大規模事業債の償還開始に伴い元利償還金は増額となり、今後数年程度上昇し続ける見込みである。さらに、公営企業債の元利償還金に対する繰入金についても、依然として増加傾向にある。今後は、過疎対策事業債等の交付税算入率の高い地方債を発行することで後年度の負担軽減を図るとともに、あくまで優良債であっても借入金であることを認識し計画的に利用することで、実質公債費比率の改善に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

平成25、26年度は大規模事業の実施により地方債現在高が増加したものの、平成27年度以降は地方債発行の抑制により減少傾向にある。また、将来負担額の過半を占める公営企業債等繰入見込額はわずかに減少しているものの、下水道整備の進捗により高止まりの傾向が続く見込みである。基準財政需要額算入見込額は減少傾向にあるものの、交付税算入率の高い地方債発行に努めるため、今後も同程度の水準で推移する見込みである。今後大規模事業が計画されているが、事業の選択と集中を推進し、起債に大きく頼ることなく償還額以下での地方債発行に努めるとともに、交付税措置のある地方債を活用し、後年度の財政負担の軽減を図る必要がある。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)平成27年度に村上市新潟県厚生農業協同組合連合会村上総合病院移転新築支援基金を設置し20億円積み立てた一方、旧荒川郷ごみ処理場解体工事に伴い「村上市環境衛生基金」を1.8億円取り崩したこと、「村上市義務教育施設設備整備基金」から老朽化による施設の改修工事等のため1.5億円取り崩したこと等により、基金全体としては14.6億円の減となった。(今後の方針)予算に対する適正な基金の規模を念頭に、基金積増し等による財政の健全な運営に努め、更に基金運用の見直しを図り、基金運用から生ずる収益の増収を図る。また、ふるさと納税において返礼品の魅力向上や納税方法の拡充を図り増収に努める。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金は、平成27年度と比較すると12.6億円の減となっている。これは、記録的な大雪による除排雪委託料が多額の費用を要したこと、震災復興特別交付税返還分の財源として財政調整基金を取り崩したことによるものである。(今後の方針)上述の豪雪のような自然災害等の突発的な歳出不足に対応できるようにするため、額の多寡に関わらず可能な時期を捉え確実に積増ししていく。

減債基金

(増減理由)基金利子積立金のみの増加で、ほぼ同額のまま推移している。(今後の方針)将来の起債償還を見据えた決算剰余金の積増しと、財政運営の健全化を図るための償還財源としての取り崩しとを適宜判断しながら運用する。

その他特定目的基金

(基金の使途)・村上市合併特例措置逓減対策準備基金:合併に伴う地方交付税算定の特例措置等の逓減に対し、必要な財源を準備し、もって将来にわたる財政の健全な運営に資するため。・村上市ふるさと応援基金:本市を応援しようとする個人又は団体から「ふるさと納税寄附金」として広く寄附金を募り、これを活用して本市のまちづくりに関する事業を実施するため。(増減理由)・村上市社会福祉基金:市内6保育園のトイレ洋式化及び空調取付改修工事等のため、保育園運営経費として約4千万円を充当したことによる減。(今後の方針)それぞれの基金は、個々の設置目的を達成するための財源の一つであると捉え、より有利な特定財源を模索しつつ運用する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成28年度に「公共施設等総合管理計画」を策定し、急激な人口減少や社会状況の変化に対応しながら、類似施設の集約、低利用施設や老朽施設の廃止・除却などを推進するとともに、更新時期前に長寿命化対策を講じることでコスト縮減を図っている。類似団体と比較すると低い水準にあるのは、これまでの取組の効果が表れていると考えられる。

債務償還可能年数の分析欄

債務償還可能年数は類似団体平均を上回っており、主な要因のひとつに、債務残高がほぼ横ばいで推移しているのに対し、充当可能財源となる財政調整基金の大幅な減少等があげられる。今後は基金積増し等による財政の健全な運営に努めるとともに、経常経費全般で歳出削減を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率が類似団体よりも低い水準まで低下している一方、将来負担比率が類似団体と比べて高い水準にある。これは、平成25年度の村上市新ごみ処理場建設事業や、平成26年度の統合保育園建設事業、平成29年度の村上スケートパーク建設事業や荒川地区公民館建設事業により、新たな施設の建設に係る起債額が増加したためである。今後控えている大規模な事業計画の整理・縮小を図るなど、緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、起債に大きく頼ることなく償還額以下での地方債発行に努めるとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、引き続き施設の老朽化対策に積極的に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率はわずかに下降傾向にあるものの、将来負担比率は類似団体と比較すると高い水準で推移している。これは、下水道事業における公営企業債等の償還に係る一般会計からの繰出金が考えられる。当市は他団体と比べて面積も広く下水道の敷設に多額の費用を要することから、財源確保のためにも多額の地方債を発行している。財政負担の平準化のためにも、資本費平準化債を活用するとともに、下水道使用料の安定確保や下水道接続率の向上を図ることで自主財源を確保し、基準外繰出金の減少に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているものの、公営住宅については、類似団体平均をわずかに上回っている。これは、公営住宅の大半が昭和30年代後半から昭和50年代に建築されたものであり、一部で耐用年数を経過しているものも含まれているためである。その一方で、公営住宅に対する需要は高まってきている状況であり、入居者に良好な住環境を提供できるよう、耐震改修や大規模改修を行いながら公営住宅の長寿命化を推進している。また、既に新規入居募集を停止し、利用不能となっている公営住宅については、順次取り壊しを行い施設の除却を進めることで適正な維持管理に努める。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館、体育館、庁舎であり、特に低くなっている施設は一般廃棄物処理施設である。一般廃棄物処理施設については、平成25年度に老朽化していた村上市ごみ処理場を新たに建設したことにより有形固定資産減価償却率が低くなっている。有形固定資産減価償却率が高くなっている図書館、体育館、庁舎については、公共施設等総合管理計画に基づき、耐震化・大規模改修を行うなど施設の安全性を保ちつつ、更新時期前に長寿命化対策を講じることでコスト縮減を図る。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から3,239百万円の減少(△2.4%)となった。資産総額のうち有形固定資産の割合が91.8%となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。また、負債総額が前年度末から816百万円の減少(▲2.0%)となった。金額の変動が最も大きいものは地方債(固定負債)であり、平成26年度に実施した一般廃棄物処理事業(新ごみ処理場建設事業)に係る地方債の償還が始まったこと等から、地方債償還額が発行額を上回り、740百万円減少した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は32,023百万円となり、前年度比915百万円の増加(+2.9%)となった。そのうち、人件費等が5,175百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は12,388百万円であり、移転費用のほうが人件費等よりも多い。最も金額が大きいのは他会計への繰出金(4,866百万円、前年度比+411百万円)、次いで補助金等(4,136百万円、前年度比△68百万円)であり、移転費用は純行政コストの41.29%を占めている。今後も高齢化の進展などにより、この傾向が続くことが見込まれるため、事業の見直し等により、経費の抑制に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

全体において、税収等の財源(41,503百万円)が純行政コスト(43,731百万円)を下回っており、本年度差額は△2,228百万円となり、純資産残高は2,168百万円の減少となった。経常費用の歳出削減による純行政コストの縮減や、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料の徴収業務の強化等により税収等の増加に努める。なお、平成28年度から平成29年度にかけて大きく減額となった、全体会計・連結会計における本年度差額と本年度純資産変動額については、財務書類の作成方法の変更によるもので、他会計への繰出金を内部取引として相殺消去したためのものであり、行政コストが大幅に増加したものではない。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は△362百万円となり、税収等の不足分を補うため、財政調整基金を取り崩したことなどから、投資活動収支は33百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから、△232百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から562百万円減少し、721百万円となった。しかし、行政活動に必要な資金を基金の取り崩しと地方債の発行収入によって確保している状況であり、行財政改革を更に推進する必要がある。なお、平成28年度から平成29年度にかけて大きく減額となった、全体会計連結会計における業務活動収支については、財務書類の作成方法の変更によるもので、他会計への繰出金を内部取引として相殺消去したためのものであり、業務支出が大幅に増加したものではない。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、合併前に旧市町村毎に整備した公共施設があることや、広大な面積を有することによる保有インフラが多いこと等から、類似団体平均を上回っている。しかし、老朽化した施設が多く、前年度末に比べて1.1万円減少している。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、今後の取組として公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均と同程度であるが、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少し、昨年度から2.5%減少している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、物件費の削減などにより、行政コストの削減に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っており、また、昨年度に比べても増加している。特に、下水道事業特別会計への繰出金が類似団体平均を上回る要因となっていると考えられる。資本費平準化債を活用するとともに、独立採算の原則に立ち返った下水道使用料の安定確保や下水道接続率の向上を図ることで自主財源を確保し、基準外繰出金の減少に努める。また、生活保護受給者が増加傾向にあることなどから、社会保障給付についても増加しているため、資格審査等の適正化や各種支援制度の精査を進め、社会保障給付の増加傾向に歯止めをかけるよう努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

基礎的財政収支は、業務活動収支及び投資活動収支ともに赤字であったため、△1,178百万円となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、村上スケートパーク建設事業や荒川地区防災行政無線再整備事業など公共施設等の整備を行ったためであるが、業務活動収支が赤字になっているのは、経常的な支出を税収等の収入で賄えていないためであり、基金等に依存する形になっている。次年度以降も計画的な地方債発行に努め、地方債残高の縮小を図るとともに、新規事業については優先度の高いものに限定するなどにより、赤字分の縮小に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を上回っている状況にある。その要因としては、職員数の減により退職手当引当金が減少したことによるものと、中小企業振興資金預託金元金収入について新たに経常収益に含めたことによる。この預託金収入は経常収益の約35%を占めており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっているため、公共施設等の使用料の見直しを行うとともに、公共施設等の利用回数を上げるための取組を行うなどにより、受益者負担の適正化に努める。また、経常費用増加の主な要因は、稀にみる大雪による除排雪費用の増額であり一過性によるものであるが、今後も引き続き、行財政改革への取組を通じて経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,