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地方財政ダッシュボード

秋田県小坂町の財政状況(2019年度)

🏠小坂町

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 末端給水事業 公共下水道 特定環境保全公共下水道


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数の分子である基準財政収入額においては、当町の基幹産業の一つである非鉄金属製錬業の収益に税収が左右される傾向があり、加えて、人口減少や高齢化率の高さにより財政基盤が弱く、類似団体平均を下回っている。令和元年度は、前年度の法人税割が過大算定であったことから、前年度比較において大幅に減収したことにより、基準財政収入額が対前年度から105百万円減少し、財政力指数は前年度から0.03ポイント減少した。今後も引き続き地方税の収納率向上や、地場産品を活用した加工品の販売促進を支援し、産業振興を図り、税収等の確保を行うとともに、職員数の定員管理、緊急かつ必要な事業を峻別し、さらなる行財政改革の実施により歳出の抑制に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率の分子においては、除排雪経費などの減少により維持補修費が大きく減少したものの、電算関連業務や公共施設等関連経費などが増加し、分子全体として前年度と同水準となった。分母においては、前年度普通交付税算定における法人税割の過大算定に係る精算措置などにより、地方交付税全体として121百万円の増加となり、経常収支比率が3.2ポイント改善した。近年は法人税割の推移に応じて比率も増減を繰り返している状況で、支出となる分子は硬直化が続いてる。小坂町公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合や集約を図り、また、さらなる事業の精査などにより、経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費・物件費等の決算額の人口1人当たり決算額は、前年度比で8,052円増加し、類似団体平均を上回っている。人件費においては、人口1千人あたり職員数が類似団体平均と比較し1.43人多いことや、退職手当組合負担金が多いことが要因である。物件費においては、観光関連施設などの公共施設が多く、その維持管理経費や、観光推進施策に伴う旅費など商工費に係る物件費が類似団体平均と比べ高い水準にあることが要因である。引き続き、職員採用計画に基づき職員数の適正管理に努めるとともに、公共施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設の適正管理に努め、維持管理費等の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均と同水準であり、今後も、県内市町村や類似団体・地域状況等を踏まえ、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口が前年から119人減少した一方、普通会計における職員数は前年度から4人増加したことから、人口1,000人当たり職員数は前年度から1.43人増加し、類似団体平均を上回っている。人口減少により自治体規模は縮小していくことから、総人件費が増となることがないよう、職員採用計画に基づき、適切な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

平成23年度からの大規模投資的事業(明治百年通りにぎわい創出事業等)に係る元利償還が平成29年度から始まったことにより公債費が増加しており、実質公債費比率は前年度比0.9ポイント増加し、類似団体平均を大きく上回っている。令和元年度は対前年度比で元利償還金が増加したこと、また、3カ年平均の算定値が大規模投資的事業の元利償還の始まった平成29年度からとなったことにより、15%台となった。今後、十和田湖和井内エリア整備事業の着手に伴い地方債発行の発行を予定していることから、比率も高い水準で推移することが予想される。地方債の償還額と地方債新規発行のバランスに注意し、健全な財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

平成23~29年度にかけて実施した大規模投資的事業(明治百年通りにぎわい創出事業等)に係る元利償還が平成29年度から始まったことにより、地方債残高が減少し、将来負担比率も前年度から10.9ポイント減少した。しかし、依然として地方債残高は高い水準にあることから、類似団体平均を大きく上回っている。今後、十和田湖和井内エリア整備事業の着手に伴い地方債の発行を予定していることから、全体の地方債残高は減少していく見込みであるが、高い水準で推移していくことが予想される。引き続き、緊急かつ優先度の高い事業を峻別し、地方債の発行抑制を図るとともに、基金残高の確保に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

前年度と比較し、職員数が増加したものの、再任用制度への移行や職員年齢構成による総額の減少、退職手当負担金の減、分母となる地方交付税が大きく増加したことなどにより、人件費全体として前年度から1.1ポイント減少し、類似団体平均を下回っている。今後も、時間外手当の抑制、議員期末手当のカット等による削減策を継続するとともに、職員採用計画に基づいた職員定員の適正化・平準化を図り、人件費全体の削減に努める。

物件費の分析欄

物件費は、第6次小坂町総合計画策定や町史編さん関連経費、施設管理関連経費が増加したものの、分母である地方交付税も増加したことから、前年度と同水準となった。類似団体と比べ、観光関連公共施設や公営住宅数が多いことから、これらの関係経費は硬直化しており、小坂町公共施設等総合管理計画に基づき、集約化・複合化に着手し、保有施設の総延床面積を減らし、維持管理経費の削減に努める。

扶助費の分析欄

障害者自立支援給付や老人保護費などの増加があったものの、町立保育所の閉所に伴う児童福祉費の扶助費が大きく減少し、扶助費全体として前年度から0.4ポイント減少したが、類似団体平均は上回っている。これは、福祉医療の町単独による県制度嵩上げ、対象者拡大の実施などが要因として挙げられる。高齢化率が上昇しているものの、人口総数及び高齢者数は減少傾向にあるため、中長期的には扶助費は減少が続いていくものと見込んでいる。今後も、介護予防や各種予防接種・検診事業等疾病予防対策の強化により、扶助費の抑制に努める。

その他の分析欄

その他については、前年度から1.3ポイント減少したが、これは維持補修費における除雪関連経費や河川浚渫経費などが前年度と比較し減少したことが要因であるが、類似団体平均を上回っている。水道事業会計における高料金対策経費など、他会計への繰り出しが高水準で推移している。今後も他会計の元利償還への繰出金の増加が見込まれ、比率の上昇が懸念されることから、公営企業には独立採算の原則に基づく料金の見直し等徹底した経営改善を求め、普通会計の負担額を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

前年度と比較し、町税過誤納還付や秋田県町村電算システム共同事業組合負担金(コンビニ納付システム)、プレミアム付商品券事業などの経費が増加したものの、分母である地方交付税も増加したことにより、同水準の推移となった。町単独の補助金については、補助金審査会における適性を審査し、各種補助金の見直しを定期的に実施し、経費の削減に努める。

公債費の分析欄

平成23年度からの大規模投資的事業(明治百年通りにぎわい創出事業等)に係る元利償還が平成29年度から始まっており、元利償還のピーク期にあるが、分母である地方交付税が大きく増加したことにより、前年度から0.5ポイント減少した。元利償還の増加は令和3年度まで続く見込みであり、高い水準で推移すること、今後の十和田湖和井内エリア整備事業に伴う地方債発行が予定されていることから、緊急かつ優先度の高い事業を峻別し、公債費の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

物件費・補助費・公債費が増加してる傾向にあり、行財政改革の実行などにより事業の見直し、公共施設の削減を図っていく必要がある。前年度と比較し、分母となる地方交付税が増加したことにより、2.7ポイントの減少となったが、経常経費の増加が続いていることから、引き続き、徹底した経常経費の削減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費については、住民一人当たり201,901円となっている。第6次小坂町総合計画策定や町史編さん関連経費による増加、法人税割に係る過誤納還付、財政調整基金への積立などにより、類似団体平均を上回っている。労働費については、住民一人当たり4,413円となっている。中小企業従業員退職金等共済事業特別会計における退職給付の増加があったものの、労働金庫預託金を廃止したことにより、前年度比4,256円減少した。農林水産業費については、住民一人当たり32,282円となっている。畑作振興センター施設改修・設備導入事業が令和元年度で整備終了となることから、事業費は減少していく見込みである。商工費については、住民一人当たり48,835円となっている。観光関連施設の指定管理料や、十和田湖和井内エリア整備事業に係る経費が増加し、類似団体平均を上回っている。和井内エリア整備事業は令和5年度までの予定であり、同程度の水準が続く見込みである。教育費については、住民一人当たり108,908円となっている。川上公民館整備事業により、前年度比31,859円増加した。令和元年度で整備終了となることから、事業費は減少していく見込みである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり890,419円となっている。人件費は、住民一人当たり136,601円となっている。前年度と比較し、再任用制度への移行や職員年齢構成による総額の減少などにより、支出額は減少したが、類似団体平均を上回っている。今後も職員採用計画に基づいた職員定員の適正化・平準化を図り、人件費全体の削減に努める。維持補修費は、住民一人当たり27,654円となっている。前年度と比較し、除排雪関連経費などが減少し支出額は減少したが、類似団体平均を上回っている。康楽館などの観光関連施設や公営住宅数が類似団体と比較し多いことから、維持補修費も多い状況にある。特に公営住宅については、老朽化が著しく改修の費用対効果が低くなっていることから、順次解体を行っている。小坂町公共施設等総合管理計画に基づき、適切な維持管理に努めていく。補助費等は、住民一人当たり135,808円となっている。法人税割に係る還付金やプレミアム付商品券事業、中小企業従業員退職金等共済事業特別会計における退職金給付などにより、前年度と比較し支出額が増加し、類似団体を上回っている。地域振興や地方創生施策などによる新規補助金の創設が増えてきており、定期的な補助金審査会の実施により補助金の見直しを図っていく。普通建設事業費は、住民一人当たり102,690円となっている。前年度に整備した七滝活性化拠点センター事業費が皆減となったことにより、類似団体平均を下回っている。今後は、十和田湖和井内エリア整備事業に着手する予定であることから、総合計画や過疎計画などとの整合性を図り、事業の優先度をより厳しく峻別し、事業費の抑制と平準化を図っていく。公債費は、住民一人当たり111,358円となっている。平成23年度からの大規模投資的事業(明治百年通りにぎわい創出事業等)の元利償還が平成29年度から始まり公債費支出は類似団体平均を上回っている。令和3年度まで公債費は上昇していく見込みとなっていることから、地方債の新規発行を抑制し、健全な財政運営に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

○財政調整基金残高及び実質単年度収支個人町民税及び地方交付税の増収により、剰余金が発生し、財政調整基金を積み増ししたことから、基金残高が前年度比1.48ポイント増加し、実質単年度収支も赤字から黒字に転換した。○実質収支額地方交付税の増収及び翌年度繰越財源が前年度より大きかったため、0.71ポイント増加した。標準財政規模における比率は2~6%の範囲での財政運営が望ましいと考えている。自主財源確保のため、引き続き地方税の収納対策強化と使用料等の定期的な見直し、維持管理経費の削減を図っていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

○現状小坂町水道事業会計については、高料金対策に要する経費分として、100百万円を一般会計から繰り入れ黒字となっている。人口減少による給水収益の減少や砂子沢ダム浄水場建設による減価償却費の増加により、一般会計からの繰り入れがないと高水準の料金設定をせざるを得ない状況であるが、定期的な料金体系見直しと、費用削減を実施し、安定的な経営を図っていく。一般会計については、公債費や補助費等の増加があったものの、地方交付税の増収が黒字額増加の要因として挙げられる。小坂町国民健康保険特別会計については、平成30年度からの国民健康保険広域化に向けて、平成28年度に保険税率の改正を行ったことにより、安定的な運営が図られている。小坂町介護保険特別会計については、地域支援事業費にかかる県負担金が次年度に交付されることとなったことにより、赤字が生じたが、翌年度において繰上充用を行い赤字を補填している。○今後の対応各会計において、引き続き必要な事業を峻別し、経費の削減を図り、適正な財政運営、企業経営を行っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

○元利償還金平成23年度からの大規模投資的事業(明治百年通りにぎわい創出事業等)に係る地方債の元利償還が平成29年度から始まったことにより増加傾向にある。償還額の増加は令和3年度まで続く見込みである。○公営企業債の元利償還金に対する繰入金小坂町水道事業会計において、統合簡水事業に係る元利償還金の基準内繰入が続いており、令和3年度までは同水準となる見通しである。○算入公債費等大規模投資的事業に借り入れた地方債は、そのほとんどが過疎対策事業債であり、元利償還金の増加に伴い算入公債費も増加している。○今後の対応元利償還金については、今後も増加していくことが予想されるため、財政の健全性を維持するためにも借入と償還のバランスに留意し、計画的な事業執行を図っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

○一般会計等に係る地方債残高平成23~29年度にかけて実施した大規模な投資的事業(明治百年通りにぎわい創出事業等)に係る元利償還が平成29年度から始まったことにより、地方債残高は減少傾向にある。今後、地方債を財源とする投資的事業(十和田湖和井内エリア整備事業)に着手することから増加が見込まれる。第6次小坂町総合計画などの中長期計画の毎年度見直しを実施するとともに、優先度の高い事業を峻別し、地方債の発行抑制を図る。○公営企業債等繰入見込額小坂町水道事業会計において、県営砂子沢ダムに係る浄水場、配水管等の減価償却と償還利子が反映され、平成23年度以降増加傾向にあったが、平成27年度をピークに減少傾向にある。今後は、統合簡易水道事業に係る元利償還分や高料金対策に要する経費が増加することが予想される。○組合等負担等見込額消防庁舎及び消防救急デジタル無線整備を実施したことにより増加していたが、平成26年度をピークに減少している。○将来負担比率の分子比率を構成している各要素が減少し、財政調整基金の積み増しにより、前年度から289百万円減少した。○今後の対応地方債の発行や公営企業債等繰入見込額の動向に充分注意し、町税や地方交付税の変動に対応し、安定的な財政運営を堅持していくため、継続して基金の積み増しを行っていく。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)歳計剰余金の処分等により財政調整基金に379百万円を積み立てた一方、財政調整のため356百万円を取り崩し、残高1,042百万円の前年度比23百万円の増となった。減債基金積み増しやふるさと納税による寄附金を未来創生基金に積み立てた一方、地方債元利償還のため減債基金、中小企業従業員退職金等共済事業特別会計に係る退職給付のため取り崩しを行った。基金全体としては、残高1,715百万円の前年度比35百万円の増となった。(今後の方針)公債費や公共施設等の維持管理経費・改修等の増加が見込まれ、各基金を取り崩しての財政運営が必要となることから、経常経費の一層の削減と、景気の動向による法人町民税や普通交付税の増加年度には決算剰余金の発生するため、財政調整基金・減債基金を中心として積み増しを行っていく。

財政調整基金

(増減理由)平成30年度普通交付税算定に係る法人税割の過大算定による精算措置などにより、普通交付税が対前年度で増収となり、積み増しを行った。(今後の方針)当町基幹産業の一つである非鉄金属製錬業からの法人町民税が、町税歳入全体の割合として大きいこと、また、法人町民税の増減が基準財政収入額に与える影響も大きく、その結果普通交付税交付額が年度間において大きく変動する特徴があることから、安定的な財政運営を堅持していくために、10億円程度を維持できるよう考えている。

減債基金

(増減理由)地方債償還のため、46百万円を取り崩した一方、今後の償還額の増加に備え55百万の積み増しを行った。(今後の方針)平成23年度からの大規模投資的事業(明治百年通りにぎわい創出事業等)に係る財源の多くは地方債であり、今後も償還額が増加していくことから、剰余金発生年度においては積み増しを行っていく。取り崩しにあたっては、当面は大規模投資的事業に充当した地方債のうち、普通交付税算入外相当額を取り崩していく予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)康楽館運営基金:康楽館を後世に保存し、多目的な利用により、地域の活性化に役立てる。未来創生基金:小坂町総合計画の基本理念に基づいたまちづくり事業の推進に役立てる。新総合教育エリア振興基金:小坂町新総合教育エリア構想に基づき、小・中・高の連携を図るとともに、地域振興に繋がる事業に役立てる。中小企業従業員退職金等共済基金:中小企業従業員退職金共済制度菅原ヤヱ奨学基金:奨学資金制度(増減理由)未来創生基金:ふるさと納税による寄付12百万円の積立、寄付目的事業への充当5百万円の取崩により、7百万円の増加中小企業従業員退職金等共済基金:掛金2百万円の積立、退職給付9百万円の取崩により、7百万円の減少(今後の方針)未来創生基金:ふるさと納税による寄附が多く占めており、寄附目的に沿った事業の財源として取崩を予定している。康楽館運営基金・新総合教育エリア振興基金:康楽館や小学校の改修時期に取崩を予定している。中小企業従業員退職金等共済基金:加入者の退職期に取崩を予定している。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は59.6%であり、類似団体平均を3.5%下回っている。道路などのインフラ資産減価償却率は30%台となっているが、建物などの事業用資産減価償却率は60%を超えている。定期的な更新を行っている道路等と比べ、公共施設などの更新や長寿命化については、多額の費用が必要であることから、耐用年数に近づいている施設が多い傾向にある。今後は、公共施設等総合管理計画並びに個別施設計画に基づいた除却・統廃合により資産更新費用の削減を図るほか、公共施設等総合管理基金の積み増しを行い、計画的な老朽化対策に取り組んでいく。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は849.4%であり、類似団体平均を345.9%上回っている。前年度と比較し大きく減少しているが、分子である地方債残高が減少したことや分母である普通交付税が増加したことが主な要因となっている。平成24年度からの明治百年通りにぎわい創出事業や新総合教育エリア整備事業などの大型事業に伴う地方債の借入により、依然として地方債残高が高い水準にあるが、これらの元利償還が始まったことで、本比率は減少していく見込みである。今後も事業の峻別による新規地方債発行の抑制、地方税の収納率向上や減債基金の積み増し等に努め、比率上昇の抑制に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

明治百年通りにぎわい創出事業などの大型事業に伴う地方債の元利償還が始まったことにより、将来負担比率は減少してきているが、類似団体平均と比較すると高い水準にある。有形固定資産減価償却率については、類似団体平均よりも低い水準にあるが、インフラ資産に比べ事業用資産(建物)の減価償却率が高く、今後の更新・除却・長寿命化に係る財源には地方債の借入が必要となるため、公共施設等総合管理計画並びに個別施設計画に基づき、統廃合や削減を前提とした見直しや、計画的な予防保全による長寿命化を図る。また、今後の財政運営においては、事業の峻別による地方債の新規発行の抑制、基金残高の確保に努め、将来負担比率の上昇抑制に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

明治百年通りにぎわい創出事業などの大型事業に伴う地方債の元利償還が平成29年度から始まったことにより、実質公債費比率が15%台まで上昇している。令和3年度に元利償還のピークを迎えることから、当面は類似団体平均を大きく上回る見込みである。前述の元利償還の開始に伴い、地方債残高が減少していることから将来負担比率は減少傾向にある。両比率ともに類似団体平均と比較して高水準であることから、普通建設事業の平準化並びに厳選化に取り組んでいくとともに、地方債の償還額と新規発行のバランスに十分な注意を払いながら、健全な財政運営を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路及び橋りょう・トンネルの有形固定資産減価償却率については、類似団体平均と比較しそれぞれ32.5ポイント、14.9ポイント低い水準となっている。これは取得価格が不明な昭和60年整備の道路について、取得価格1円・減価償却累計額0円としていること、また、事業用資産と比べ道路などのインフラ資産については、積極的な更新・長寿命化事業に取り組んできたためである。今後も計画的な長寿命化事業に取り組んでいく。学校施設については、小学校及び中学校が1校ずつあり、平成24年度新総合教育エリア整備事業により、中学校を新たに建設したため、有形固定資産減価償却率が類似団体平均よりも低い水準にある。今後も小学校を含め、計画的な予防保全による長寿命化を図っていく。公営住宅については、一人当たり面積が類似団体平均と比べ2.123ポイント高くなっているとおり、住宅戸数を多く保有している状況にある(入居者数500人超/人口4,995)。また、全戸数のうち約80%が昭和32年から昭和46年に建設されていることから、有形固定資産減価償却率が類似団体平均より高い水準にある。個別施設計画等により老朽化の著しい住宅については、退去後順次解体を進め、公営住宅全体の戸数を減らしていく方針である。公民館については、有形固定資産減価償却率が類似団体平均と比較し13ポイント高くなっている。これは町の北部・中央・南部にそれぞれ1館ずつ保有しているが、いずれも建設から一定年数を経過したためである。なお、北部にある公民館の新規建設により、有形固定資産減価償却率は昨年度より減少したが、旧施設の解体については未実施のため、高い水準のままとなっている。その他の施設については、更新ではなく長寿命化による計画的な老朽化対策に取り組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館については、昭和54年建設の図書館が1館あり、有形固定資産減価償却率が類似団体平均と比較し高い水準にある。建物及び設備ともに老朽化が著しいことから他施設との共用等を検討していく。一般廃棄物処理施設及び常備消防施設については、一部事務組合を組織し運営を行っている。一般廃棄物処理施設については、建設から20年以上が経過しており、今後の更新等については、構成団体と協議の上、施設の管理運営を行っていく。常備消防施設については、平成27年度に消防署新庁舎が建設されたことに伴い有形固定資産減価償却率が類似団体平均を下回っている。当面は予防措置に努め維持管理に当たっていく。庁舎については、平成26年に旧小坂中学校の校舎を利用し移転を行っている。移転に当たり、大規模改修を実施したことにより、有形固定資産減価償却率が類似団体平均と比較し低い水準にある。移転に際し庁内各施設へ分散していた部署のほとんどを新庁舎へ集約し、維持管理経費を縮減している。当面は小規模な維持補修費が予想されるが、施設の長寿命化を図るため予防保全型の維持管理に努めていく。保健センターについては、平成5年建設のセンターが1施設あり、一定年数が経過していることから、有形固定資産減価償却率も類似団体平均と比較し高い水準にある。同センターは、老人保健デイサービス施設も併設しており、今後も継続的な施設利用が見込まれることから、計画的な維持補修や更新を行い長寿命化を図っていく。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から△170百万円(△1.3%)と減少となった。金額の変動が大きいものは事業用資産、インフラ資産及び基金となっている。公民館の改築、農産物加工場の整備及び学校の冷房設備設置等改修工事の実施による有形固定資産の増加(289百万円)があったものの、減価償却による資産の減少(△451百万円)が上回ったこと、基金においては、財政調整基金及び減債基金の積増しが取崩しによる減少を上回ったことにより、全体として増加した。インフラ資産と比べ事業用資産の老朽化比率が高くなっていることから、小坂町公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統合や除却を進める等、公共施設の適正管理に努める。水道事業会計、下水道事業特別会計を加えた全体では、資産総額は前年度末から385百万円減少(△2.0%)し、負債総額は前年度末から309百万円減少(△3.1%)した。水道管の布設工事等による資産の増加(198百万円)があったものの、減価償却による資産の減少(△478百万円)が上回ったことから、全体として減少した。負債額はインフラ整備に充当した地方債償還による減少が主なものである。なお、下水道事業にあっては、整備予定地域の90%が終了しており、今後は計画的な維持管理と更新により、費用の平準化と負債額の減少に努める。鹿角広域行政組合、秋田県後期高齢者医療広域連合等を加えた連結においては、資産総額は前年度末から537百万円減少(△2.6%)し、負債総額は前年度末から410百万円減少(△3.8%)した。全体に比べ、一部事務組合が保有する施設に係る資産を計上していることから資産総額は多く、連結団体の借入金等があることから負債総額も多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は3,472百万円となり、前年度比138百万円(△3.8%)の減少となった。そのうち、人件費等の業務費用は2,095百万円、補助金等の移転費用は1,377百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多い。業務費用のうち、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(1,473百万円、前年度比△81百万円)であり、純行政コストの44.1%を占めている。純経常行政コスト、純行政コストともに前年度より減少したものの、過疎対策関連や観光施設等の維持管理、行政事務のシステム化に伴うメンテナンス経費等、新たな行政需要も増えていることから、経常経費のより一層の削減と公共施設の集約化・複合化に努める。全体では、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、純行政コストに占める移転費用の割合が、一般会計に比べ高くなっている。人口減少は後期高齢者層にも及んでいることから、社会保障関連費用は今後少しずつ減少していくことが見込まれるが、上下水道設備の減価償却費や維持補修費は増加していくことが予想されるため、適正管理に努めることにより経費の削減に努める。連結では、一部事務組合の各市町村等からの負担金収入により、全体と比べ経常収益は280百万円多くなっており、秋田県後期高齢者医療広域連合への補助金等により経常費用は1,708百万円多く、純行政コストは1,427百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(3,418百万円)が純行政コスト(3,342百万円)を上回っており、本年度差額が増加したことにより、純資産残高は84百万円の増加となった。これは、地方交付税の増加により、税収等が+136百万円(+4.8%)増加したことが主な要因である。大規模投資事業へ充当した地方債償還が始まっているが、減価償却も進行することから、有形固定資産等については徐々に純資産は減少していくと思われる。税収等における法人税割については、年度により大きく増減を繰り返している実績を考慮し、純行政コストのより一層の削減に努める。全体では、国民健康保険特別会計等の保険税等が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が477百万円多くなっており、本年度差額は65百万円となり、純資産残高は前年度比△76百万円の9,212百万円となった。連結では、鹿角広域行政組合や秋田県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が含まれることから、全体と比べて、税収等の財源(6,039百万円)は1,378百万円多くなっており、本年度差額は14百万円、純資産残高前年度比△128百万円の9,506百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は536百万円であったが、投資活動収支については、大規模改修工事等は減少したものの基金の積み増しによる支出が増加したことから△396百万円、財務活動収支は△115百万円となった。これらにより本年度末資金残高は前年度から24百万円増加し、128百万円となった。実質公債費比率が高い水準にあり、今後も地方債償還額が増加していくことから、投資的事業の平準化や峻別、経常経費の削減に努める。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収入等に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があること等から、業務活動収支は一般会計等より186百万円多い722百万円となっている。投資活動収支では、下水道整備事業等を実施したため△67百万円となっている。財務活動収支は、地方債償還額が地方債発行収入を上回ったことから△258百万円となり、本年度末資金残高は前年度から+1百万円増加し、415百万円となった連結では、業務活動収支について、一部事務組合の各市町村等からの負担金収入により、税収等収入を含む業務収入(6,541百万円)は1,653百万円多く、業務支出(5,828百万円)は1,661百万円多くなっており、全体と比べて△9百万円となっている。投資活動収支は、投資活動支出が公共施設等整備費支出及び基金積立金支出等により+25百万円多く、投資活動収入は、基金取崩し収入により+13百万円多くなっており、全体と比べて△12百万円となっている。財務活動収支について、地方債等償還額支出は+13百万円多く、地方債等発行収入は+10百万円多くなっており、全体と比べて△3百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は、減価償却費の増加や大型投資事業実施に伴う地方債償還に充当するため基金を取り崩していること等により、類似団体平均と比較して31.9万円低くなっている。また、歳入額対資産比率は類似団体平均と比べ0.84年下回っている。歳入においては地方交付税が増加し、歳入全体として前年度比+76百万円と増加したが、資産総額においても減価償却費の増加により総額が減少し、比率は前年度比較では減少となった。有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較して△3.8%下回っているが、取得価格が不明な昭和60年に取得した道路について、取得価格1円、減価償却累計額0円としていることによる。建物等については、耐用年数に近づいている公共施設が多いため、減価償却累計額は前年度末より460百万円増加している。今後も減価償却率は上昇していくことから、小坂町公共施設等総合管理計画に基づき、適正な資産管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率が類似団体平均を12.7%下回っており、前年度末と比較し0.8%増加した。平成24年度から実施した明治百年通りにぎわい創出事業などの大型投資事業に伴う地方債借入等により負債の比率が高いことによる。将来世代負担比率は、負債の比率が高いことにより、類似団体平均を11.8%上回っている。現状の事業費規模を縮小し、地方債の新規発行を抑制し、純資産残高の改善と将来世代の負担の抑制に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体平均を5.7万円上回り、前年度末と比較し0.7万円減少している。費用で最も金額が大きいのは、減価償却費等を含む物件費等(1,473百万円)であり、純行政コストの44.1%を占めている。人口減少により削減となる経費もあるが、有形固定資産に関わる経費や、過疎対策振興に関わる経費などは、人口減少を食い止めるため必要となる経費であり、第6次小坂町総合計画や小坂町公共施設等総合管理計画などに基づき、自治体規模に見合った計画の進行等に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体平均を25.0万円上回っている。人口減少率が2.4%前後で推移していることから、今後も増加していくことが見込まれる。なお、平成24年度から実施した大型投資事業に充当した地方債の借入により、負債総額が大きくなっているが上記事業の地方債償還が進むことで、負債総額は減少していく見込みである。よって、公共施設の老朽化対策に当たっては、小坂町公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な更新と施設数の削減を進め、地方債発行による負債総額の増加を抑制していく。基礎的財政収支は、前年度末と比較し改善がみられ、類似団体平均を上回った。大型投資事業の終了により投資活動収支が改善したことによるものである。基金取崩額の抑制と投資事業の抑制により、地方債残高を減少させ、さらなる行財政改革の実施により、赤字の縮小に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均と比較し2.6%低く、前年度末より0.8%減少した。これは、経常費用について、人件費及び物件費の支出が減少し前年度比△138百万円(△3.8%)となったものの、経常収益について、住宅使用料に変動はないが、諸収入が減少により、前年度比△34百万円(△22.4%)であったため減少したものである。経常収益にあっては、人口減少により今後の収入額減少が見込まれることから、公共施設等における総延床面積の削減や経常経費のより一層の削減に向けて、事業の見直しを図っていくく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,