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地方財政ダッシュボード

秋田県由利本荘市の財政状況(2020年度)

🏠由利本荘市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

前年度同の0.34となっている。これは、類似団体平均を0.19ポイント下回っている。本市の面積は、1,209.59平方キロメートルと行政サービスの範囲が広いことから、行政コストを多く要している。また、第1次産業の就業割合が平成27年国勢調査で11.2%と高く、農家等所得は気象条件や市場価格等の影響を受けやすく、税収の増加は見込めない状況であることから、自主財源比率が低く、類似団体平均を大きく下回っている。今後、歳入では電子部品等の製造業で税収の増加が見込まれているほか、産業振興や移住定住の促進、徴収率の向上等による税収増加に寄与する施策の推進、歳出では由利本荘市公共施設等総合管理計画に則った公共施設の適正な配置による維持管理費の削減等に努め、財政基盤の強化を図っていく。

経常収支比率の分析欄

令和2年度は、経常的補助費等について企業会計への繰出金を従来の繰出金から出資金と補助金に計上したことなどにより13.6億円(+76.8%)となったものの、繰出金が下水道事業繰出金等の減少により-23.2億円(-47.3%)、また会計年度任用職員制度の導入等により物件費が-4.4億円(-11.0%)となり、比率の分子は-0.6%となっている。加えて、比率の分母においては普通交付税が-2.4億円(-1.5%)となるも地方消費税交付金が+3.2億円(+22.2%)、減収補てん債特例分歳入決算額が+10.5億円(皆増)となり分母は+0.8%となった。このことにより比率は92.1%(-1.4%)となった。今後、人口減少による普通交付税の減が見込まれるため、地方債の繰上償還、公共施設管理の合理化等による維持管理費の削減等、経常経費の抜本的な見直しを図り、比率が悪化しないよう財政構造の改善に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

退職手当負担金の増加等により人件費が増加したことに加え、新型コロナウイルス感染症対策事業や給食費公会計化に伴い物件費が増加したため、前年度より26,671円増の205,966円となった。これは、類似団体平均を50,017円上回っている。類似団体平均を大きく上回っている要因として、市の面積が広大であり行政サービスの範囲が広く、多くの施設を有していることから、職員数が多く、維持管理経費が多額となっていることや、除排雪に要する経費が大きいこと等が挙げられる。今後、由利本荘市公共施設等総合管理計画に則った公共施設の適正配置、事務事業の統合・効率化を進めるとともに、業務量に応じた職員の適正配置により経費の削減を図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度より0.3ポイント減の96.3となっている。これは、類似団体平均を1.7ポイント下回っている。本市のラスパイレス指数は、類似団体平均を3ポイントの範囲内で下回った値で推移している。今後も、国の人事院勧告や秋田県の人事委員会勧告に沿った制度・運用の見直しや、人事評価制度を反映した昇格、昇給基準の構築を図りながら、適正な給与水準を保つよう努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

職員数は減少しているが、人口減により前年度同の11.50人となった。これは、類似団体平均を3.30人上回っている。類似団体平均を大きく上回っている要因として、市の面積が広大であり行政サービスの範囲が広く、支所・出張所を多く配置していることが挙げられる。今後、第4次由利本荘市行政改革大綱に沿った機構改革や施設の統廃合、事務の効率化等を図り、第4次由利本荘市定員適正化計画目標により定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

前年度より0.1ポイント減の10.6%となっており、類似団体平均を3.1ポイント上回っている。令和2年度に繰上償還を実施したほか、公営企業債(介護サービス事業)の償還が一部終了したことに伴い繰出金が減少した一方で、由利本荘総合防災公園整備事業や由利総合支所改築事業など近年の大型事業の元金償還が始まったため、公債費は前年度横ばいとなった。今後も、収支の状況を見極めながら積極的な繰上償還の実施に努めるとともに、地方債の新規発行については、元金償還額の範囲内に抑え、地方債に頼らない行財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

前年度より1.7ポイント減の105.3%となっており、類似団体平均を76.8ポイント上回っている。令和2年度に羽後本荘駅周辺整備事業や給食センター整備事業等を実施したことに伴い地方債を新たに発行したが、一方で繰上償還を実施したことにより一般会計の地方債残高は減少し679.8億円(-1.9%)となった。また、介護サービス事業の償還の一部終了により公営企業債の繰入見込額も減少しており、総じて比率は105.3%(-1.7%)となった。今後、元金償還額以内の新規地方債発行、後年度の負担に備えるための充当可能基金の積増等により、比率の減少に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

職員数の減少や選挙が行われなかったことによる時間外手当の減少などの一方で、退職手当負担金の増加や会計年度任用職員に係る経費の性質移行(物件費から人件費へ移行)などにより、前年度より2.7ポイント増の25.5%となっており、類似団体平均を0.4ポイント上回っている。今後、第4次由利本荘市定員適正化計画に基づき、業務量に応じた職員数を適正に管理するとともに、指定管理者制度の導入、施設の民営化や各種業務の民間委託の推進による定員管理により、比率の低下に努めていく。

物件費の分析欄

会計年度任用職員制度の導入や給食費公会計化(全額特定財源)により、経常収支比率は前年度より1.6ポイント減の12.5%となった。これは、類似団体平均を1.1ポイント下回っている。物件費については、本市の広大な面積に点在する公園、公民館に加え、観光、農業、教育の各施設の管理費が大きな割合を占めている。今後、由利本荘市公共施設等総合管理計画に則った公共施設の適正配置、事務事業の統合・効率化を進め、経費の削減を図っていく。

扶助費の分析欄

福祉医療支給事業費や生活扶助費の減、前年度実施したプレミアム商品券事業の皆減などにより、前年度より1.0ポイント減の7.4%となった。これは、類似団体平均を2.8ポイント下回っているが、扶助費については、子育て支援策の充実による福祉医療費の拡充、高齢化社会の進行による介護・訓練等給付費の増、生活保護費の増等により、年々増加傾向にある。今後は、社会保障・税一体改革の動向等を注視し、医療、子ども・子育て支援施策等の推進による社会保障の充実を図りながらも、既存事業の見直し等を行い、比率が上昇しないように努めていく。

その他の分析欄

令和2年度から下水道事業が法非適から法適に移行したことに伴い、下水道事業への繰出金が補助金と出資金に分類されたため、前年度より6.2ポイント減の14.2%となった。これは、類似団体平均を1.1ポイント上回っている。今後は、特別会計における投資事業の平準化を図ることにより、普通会計の負担軽減を図り、比率の改善に努めていく。

補助費等の分析欄

前年度より4.8ポイント増の11.1%となっており、類似団体平均を0.8ポイント下回っている。これは、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として実施した特別定額給付金の皆増など新型コロナウイルス感染症対策事業の実施によるもののほか、令和2年度から下水道事業が法非適から法適に移行したことに伴い、下水道事業への繰出金が補助金と出資金に分類されたことによるものである。今後、市単独補助金の見直し等を行い、比率の上昇を抑えていく。

公債費の分析欄

前年度より0.1ポイント減の21.4%となっており、類似団体平均を3.2ポイント上回っている。これは、平成19年度過疎対策事業等に係る償還が完了したことによるものであるが、今後は由利本荘総合防災公園整備事業などの大型建設事業に係る地方債の元金償還開始に伴い、公債費が増加する見込みである。1市7町の合併市である本市は、地方債現在高が多い状況が続いているが、積極的な繰上償還、地方債の新規発行の抑制を行い、公債費に係る経常収支比率の改善に努めていく。

公債費以外の分析欄

前年度より1.3ポイント減の70.7%となっており、類似団体平均を3.2ポイント下回っている。減少の主な要因としては、会計年度任用職員制度の導入や給食費公会計化に伴い物件費が前年度より1.6ポイント減となったこと等が考えられる。今後、近年上昇傾向にある扶助費及びその他については、事業の見直しや平準化を行い、更なる上昇を抑えるとともに、人件費及び物件費についても、適正な定員管理を図り、施設管理の効率化と更なる比率の改善に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費の住民一人当たりのコストは182,492円で、特別定額給付金給付事業の皆増や地域雇用創出推進基金等の特定目的基金への積立金の増等により多くなっている。農林水産業費の住民一人当たりのコストは34,218円で、畜産・酪農収益強化総合対策基金等事業の減や法適化に伴う集落排水事業への繰出金の皆減等により少なくなっている。商工費の住民一人当たりのコストは30,653円で、新型コロナウイルス感染症対策支援金事業や中小企業金融支援基金の皆増等により多くなっている。土木費の住民一人当たりのコストは101,556円で、道路延長や、豪雪地帯のため除排雪経費が多いこと等から多くなっている。令和2年度は下水道事業の法適化により繰出金の皆増や例年以上の降雪による除排雪経費の増等により多くなっている。教育費の住民一人当たりのコストは82,723円で、本荘北中学校改修事業の皆増やGIGAスクール構想に伴う市内小中学校の情報通信ネットワーク環境施設整備事業の皆増、西目サッカー場整備事業の増等により多くなっている。今後、由利本荘市公共施設等総合管理計画等の各種計画に則った公共施設の適正配置、事務事業の統合・効率化を進めるとともに、経費の削減を図り、併せて職員の定員管理に努め、経費の節減を図っていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算に係る住民1人当たりのコストは、771,363円である。1市7町の合併市である本市は、面積が広大であり、行政サービスの範囲が広いことから、支所・出張所を多く配置しており、職員数が他団体より多くなっていることから人件費が多額となっている。物件費、維持補修費についても、広大な面積に散在する公園、公民館、農業、教育の各施設の維持管理費が多額となっているが、特に、維持補修費については、例年以上の降雪による除雪費経費増等により前年度と比較し多くなっている。補助費等は、畜産・酪農収益強化総合対策基金等事業が減となったが、特別定額給付金給付事業の皆増や下水道事業の法適化による補助金の増等により大幅に多くなっている。普通建設事業費のうち、更新整備については、羽後本荘駅整備事業の増や本荘北中学校改修事業の皆増、西目サッカー場整備事業の増等により多くなっている。繰出金については、下水道事業の法適化により皆減したことから大幅に少なくなっているが、その影響により、補助費等と投資及び出資金が多くなっている。今後、由利本荘市公共施設等総合管理計画等の各種計画に則った公共施設の適正配置、事務事業の統合・効率化を進めるとともに、経費の削減を図り、併せて職員の定員管理に努め、経費の節減を図っていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

○財政調整基金残高基金に頼らない財政運営を基本とし、標準財政規模の1割程度と考える総額目安に現時点で達していることから、平成26年度以降は、ほぼ同額を維持してきたが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症対策事業のため、290,763千円を取り崩した。○実質収支額歳入では普通交付税の合併算定替加算が終了したため減少したが、歳出では新型コロナウイルス感染症の影響により事業が実施できなかった影響による減や総合防災公園整備事業の終了等による事業費減により、実質収支額は横ばいとなり、標準財政規模比も横ばいとなった。○実質単年度収支令和2年度は、繰上償還を実施したことにより増加に転じ、標準財政規模比も増加した。○今後の対応令和2年度に普通交付税の合併算定替加算が皆減したことから、今後も歳出の抑制による、一層の財政健全化を図り、引き続き財政調整基金に頼らない財政運営を目指す。財政調整基金は、標準財政規模比の10%を目処に積立を行っていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

○現状一般会計及びすべての特別会計において、黒字となっている。一般会計では、前年度から実質収支額が減少したことにより、黒字割合も減少している。下水道事業会計では、法適化したことにより、皆増となった。国民健康保険特別会計では、国民健康保険事業費納付金が増加したため、黒字割合が減少している。○今後の対応令和2年度に普通交付税の合併算定替加算が皆減したため、歳出の抑制による一層の財政健全化を図る。また、公共施設や水道、下水道施設等の老朽化に伴う更新事業の増加を踏まえると、更新費用と経営状況を的確に把握し、由利本荘市公共施設等総合管理計画に沿った施設の統廃合や更新を行う必要がある。引き続き、各会計で適正な財政運営、企業経営を図っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

○元利償還金令和2年度に実施した繰上償還による減少要因はあるが、由利本荘総合防災公園整備事業などの大型建設事業の地方債償還開始による増加要素も重なり、前年度横ばいとなった。○公営企業債の元利償還金に対する繰入金介護サービス事業の償還が一部終了したことに伴い繰入金が減少した。○算入公債費等平成19年度過疎対策事業債等の償還終了に伴い減少した。新規発行については、過疎対策事業債や合併特例事業債など交付税算入割合の高い地方債を活用しており、ここ数年は同程度で推移している。○今後の対応元利償還金は平成30年度、令和2年度に繰上償還を実施したことから減少に転じた。今後、由利本荘総合防災公園整備事業などの大型建設事業の地方債償還開始に伴い数年間は増加傾向が続くと想定される。そのため、公営企業債の元利償還金に対する繰入金については、整備計画の見直しなどにより新規地方債発行の抑制を図る。また、普通交付税の減などにより、分母の基礎となる標準財政規模の縮小が見込まれているが、収支の状況を見極めながら地方債の積極的な繰上償還の実施や、新規地方債発行の抑制、交付税算入割合の高い地方債の活用を基本とし、比率の改善を図っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

○一般会計等に係る地方債の現在高令和2年度に実施した繰上償還により、前年度に比べて減少した。○公営企業債等繰入見込額下水道事業や集落排水事業などの投資事業の平準化を図ることにより、地方債残高の急増を抑え、公営企業債に対する繰入見込額についても平準化を図っている。○退職手当負担見込額定員適正化計画に基づく職員数の減少により負担見込額も減少している。○充当可能基金令和2年度は、地域雇用創出推進基金及び公共施設等総合管理基金等の取り崩しを行ったことにより減少となった。○基準財政需要額算入見込額地方債の新規発行については、過疎対策事業債や合併特例事業債など交付税算入割合の高い地方債を活用しているが、合併算定替えが終了したことによる需要額の減少に伴い、基準財政需要額算入見込額も減少した。○今後の対応将来負担比率については、地方債現在高が減少しているが、基金の取り崩しの増加により横ばいとなっている。今後、普通交付税の減少等により、分母の基礎となる標準財政規模の縮小が見込まれるが、地方債発行の抑制、交付税算入割合の高い地方債の活用を基本とし、収支の状況を把握しながら充当可能基金の積み増しを実施し、比率の維持・改善を図る。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)新型コロナウイルス感染症対策による経費のために財政調整基金を2.9億円、繰上償還のために減債基金を2.5億円、農業支援補助金などの財源として地域雇用創出推進基金7.9億円、公共施設修繕として公共施設等総合管理基金を5.9億円取り崩した一方、後年度の負担に対応するため地域雇用創出推進基金5.0億円、また、新型コロナウイルス感染症の影響で融資を受けた中小企業に対する後年度の利子及び保証料補給のため中小企業金融支援基金を創設し4.7億円積み立てたこと等から、基金全体としては128億円となり、6.8億円の減となった。(今後の方針)財政調整基金は、現時点では、基金運用収入相当分の積立てを継続する。減債基金は、収支の状況を見極めながら、繰上償還が必要だと判断した場合には、その財源としての積立てを行う。その他の特定目的基金は、それぞれの事業遂行に必要な基金であり、事業の進捗状況を見極めながら対応する。上記のことから、歳計剰余金の処分については、その他の特定目的基金へ積み立てる。

財政調整基金

(増減理由)中小企業金融支援基金(新型コロナウイルス感染症の影響で融資を受けた中小企業に対する後年度の利子及び保証料補給のための基金)への積み立てなど、新型コロナウイルス感染症対策による経費のために2.9億円取り崩したことによる減少。(今後の方針)財政調整基金は、災害等、不測の事態に対応するための経費、財源不足時に対応するための経費として位置づけており、総額の目安は、標準財政規模の1割程度と考えている。現時点でほぼ目安としている総額に達していることや取り崩しを想定していないことから、引き続き、基金運用収入相当分の積立てを継続していく。

減債基金

(増減理由)繰上償還のために2.5億円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)減債基金は、起債の償還財源と位置づけており、特に、繰上償還時の財源と考えている。財政運営上、収支の状況を見極めながら、繰上償還が必要だと判断した場合には、その財源としての積立てを行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域雇用創出推進基金:地域で直面している課題に対し知恵を活かしながら市の未来につながる事業を展開するための経費に充てるため・公共施設等総合管理基金:公共施設等の総合的かつ計画的な保全等に充てるため・中小企業金融支援基金:新型コロナウイルス感染症の影響で融資を受けた中小企業に対する後年度の利子及び保証料補給のため(増減理由)合併市町振興基金では庁舎建設基金への積み替えのため1.3億円、公共施設総合管理基金では清掃センター定期整備補修事業などの公共施設修繕に5.9億円、地域雇用創出推進基金では農業支援補助金などの財源として7.9億円、ふるさとさくら基金1.7億円、行政改革に伴う人件費平準化基金では民営化施設(保育園)などへの派遣職員人件費分として0.9億円をそれぞれ取り崩したが、翌年度実施事業及び後年度の負担に対応するため、地域雇用創出推進基金を5.0億円、庁舎建設基金を2.3億円、ふるさとさくら基金2.3億円、行政改革に伴う人件費平準化基金基金1.0億円積み立てたことにより増加した。(今後の方針)特定目的基金の内、雇用創出推進基金、公共施設等総合管理基金は、予算編成時の財源として、建物の維持や雇用関係事業に充当しているため、一定額の確保を目指している。その他の特定目的基金は、それぞれの事業遂行に必要な基金であり、事業の進捗状況を見極めながら対応する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市では、平成28年度に策定した由利本荘市公共施設等総合管理計画において、20年間で棟数25%、面積21%を縮減する目標を掲げ、施設の統合、廃止のほか、譲渡や売却に取り組んでいる。有形固定資産減価償却率については、令和元年度に「道路」の耐用年数を10年から国の基準である50年(開始時のみ)に見直ししたため大幅に減少となった。類似団体平均と比較してもやや低い水準にあるが、老朽化、耐用年数の超過などにより今後上昇傾向になることから、今後も由利本荘市公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、資産の効率的な管理、効果的な利活用を進めていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

合併当初からの統合等による学校建設事業、文化交流館建設事業などの事業が終了し、将来負担額は減少傾向にあるものの、総合防災公園整備事業、羽後本荘駅東西自由通路整備事業などの大型事業が続いたことから、債務償還比率も類似団体平均に比べると高くなっている。今後も本荘地域の学校施設整備事業等の大型事業が実施されていくが、引き続き地方債発行の抑制に努めながら、基金への積立を積極的に行い、債務償還比率の低減を図る。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、類似団体平均より高い水準にあるが、繰上償還による地方債現在高の減少及び退職手当組合負担金見込額の減額等により、前年度と比較し令和2年度も減少している。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均よりもやや低い水準にあるものの、認定こども園・幼稚園・保育所、公営住宅、体育館・プール、福祉施設は70%を超え、類似団体平均よりもそれぞれ高い水準にあり、老朽化が進み、耐用年数を超えている施設もある。今後は公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、施設の廃止等を進めながら、存続施設については長寿命化対策に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、類似団体平均より高い水準にあるが、繰上償還による地方債現在高の減少及び退職手当組合負担金見込額の減額等により、前年度と比較し令和2年度も減少している。実質公債費比率は、総合防災公園整備事業など大型事業の元金償還が始まったことで公債費が増加したことに加え、比率の分母において合併特例加算の終了により普通交付税が減少したが、地方消費税交付金や森林環境譲与税などの増により標準税収入額が増加したため標準財政規模が増加した。本荘地区学校建設事業等の大規模事業が続くことから、今後数年は比率の増加が想定される。今後も引き続き、由利本荘市公共施設等総合管理計画を踏まえた個別施設計画に基づき、将来負担の軽減を図るとともに、地方債発行の抑制や交付税算入割合の高い地方債の活用を基本とし、比率の改善に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率について、類似団体平均と比較して特に比率が高い施設は「認定こども園・幼稚園・保育所」、比率が低い施設は「港湾・漁港」となっている。「道路」については、令和元年度に耐用年数を10年から国の基準である50年(開始時のみ)に見直ししたため、有形固定資産減価償却率は大幅な減少となった。「認定こども園・幼稚園・保育所」について、保育所は平成28年度までに全て民間社会福祉法人へ譲渡をしている。また、幼稚園の施設も譲渡する予定となっていることから将来的に市が保有する施設は無くなる見込みである。「学校施設」について、有形固定資産減価償却率は類似団体とほぼ同水準であり、今後も由利本荘市公共施設等総合管理計画に基づいた計画的な統合や施設改修を行い、既存施設の長寿命化を図りながら適切な維持管理を行っていく。「公営住宅」については、施設の多くが更新時期を迎えていることから、策定阿恵川まえかわ済の各「長寿命化計画」を基に、人口動向に応じた解体や計画的な長寿命化を推進し、今後の施設整備及び改修内容について検討を重ねていく。「児童館」については、令和元年度に子育て支援センターと学童保育を複合した施設を整備したことにより、有形固定資産減価償却率は大幅な減少となった。「公民館」については、有形固定資産減価償却率が類似団体よりやや高い水準であるが、由利本荘市公共施設等総合管理計画により老朽化が著しい近隣施設や類似施設との集約や廃止を行っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、「保健センター・保健所」であり、特に低くなっている施設は「消防施設」である。「図書館」、「保健センター・保健所」については、有形固定資産減価償却率が類似団体よりやや高い水準であるが、建築から20年以上経過した施設が多く老朽化が進んでいることが要因である。今後は個別施設計画に基づき利用状況に応じて集約や統合の検討を行う。「福祉施設」についても有形固定資産減価償却率が類似団体よりやや高い水準であるが、デイサービスセンターなどの高齢者福祉施設は大規模修繕が必要な時点で廃止をし、福祉会館は耐用年数まで存続をするものの、それ以降は新たな投資を行わないなど由利本荘市公共施設等総合管理計画により集約や廃止を行っていく。「消防施設」については、老朽化していた消防本庁舎、各地域の分署について、近年、計画的に改築を進めた結果、有形固定資産減価償却率が類似団体より低くなっている。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産のうち有形固定資産が、前年度比で53億67百万円の減少(△2.03%)となったほか、流動資産は、現金預金が4億88百万円増加したものの基金が5億38百万円減少するなど、資産合計では前年度末から45億13百万円の減少(△1.60%)となった。負債では、固定負債について地方債が18億13百万円の減少(△2.85%)となったこと等により、前年度末から19億91百万円の減少(2.85%)万円となっている。全体においては、資産が、一般会計等に加え上下水道事業、ガス事業等のインフラ資産を計上したことによって、3,713億31百万円となり、前年度末から60億31百万円の減少(△1.60%)となっている。負債額は、上下水道事業、ガス事業等の財源として地方債を充当していることや、下水道事業及び集落排水事業の公営企業法適用により、1,567億35百万円となり、前年度末から243億13百万円の増加(+18.36%)となっている。連結においては、本荘由利広域市町村圏組合、株式会社鳥海高原ユースパークや株式会社岩城等の第三セクターでのインフラ資産や負債が加わり、資産総額が全体に比べ84億97百万円の増加となっている

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用が、526億36百万円となり、前年度比79億27百万円の増加(+17.73%)となった。その中でも補助金等が9,919百万円増加しており、理由としては新型コロナウイルス感染症対策事業等の実施によるものである。業務費用の方が移転費用より多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(214億67百万円、前年度比+1百万円)であり、経常費用の約40%を占めている。総合支所機能の維持や管理する施設の多さなどから、今後もこの傾向が続くものと思われるが、由利本荘市公共施設等総合管理計画を基に、積極的に指定管理制度を導入するなど公共施設の適正管理に努め、経費の削減に努める。全体については、一般会計等に比べ、上下水道使用料や手数料を計上しているため、経常収益は38億28百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を計上しているため、業務費用が69億68百万円増加、移転費用が64億51百万円増加したことにより純行政コストは97億33百万円多くなっている。連結では、全体に比べ、連結対象企業の事業収益を計上し、経常収益が8億88百万円多くなっているが、本荘由利広域市町村圏組合や秋田県後期高齢者医療広域連合への分担金の増加により補助金等が185億33百万円多くなっており、純行政コストは、204億83百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(486億95百万円)が純行政コスト(528億30百万円)を下回ったことから本年度差額は△41億35百万円となり、純資産残高は、34億25百万円減少となった。全体では、国民健康保険税、介護保険料が税収に含まれることから、一般会計等と比べ税収等が24億6百万円多くなっており、本年度差額が△39億50百万円となった。また、下水道事業及び集落排水事業の公営企業法適用により、純資産残高は303億44百万円の減少となった。連結では、秋田県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が税収等に含まれることから、全体に比べ税収等が115億16百万円多くなっており、本年度差額は△38億93百万円となり、純資産残高は300億6百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、前年度と比較して業務活動収支が補助金等支出等の増加により17億41百万円増加した。投資活動収支は、基金積立金支出が減少したものの、公共施設等整備費支出が増加したこと等により赤字額が16億98百万円の増加となった。財務活動収支は、地方債償還額の増加分が地方債発行による収入増加分を下回ったことなどから、2億37百万円赤字額が減少している。本年度末資金残高は前年度比で20百万円増加し、20億55百万円となった。全体では、業務支出である補助金等支出も増えるが、業務収入において国民健康保険税や介護保険料が税収等収入、水道料金等の使用料及び手数料収入が含まれるため、業務活動収支は一般会計等と比べ27億87百万円上回る103億78百万円となっている。また、投資活動収支は前年度から13億5百万円減少して△68億13百万円となっており、財務活動収支は、下水道事業等で地方債の償還額が地方債発行収入を上回っていることから、△30億70百万円となり、本年度末資金残高は前年度同額の46億47百万円となった。連結については、連結資金収支内訳の記載省略が許容されていることから記載していない。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、合併以前に各団体が整備した施設が多いことや、人口減少により、類似団体の平均値を大きく上回っている。有形固定資産減価償却率は、一昨年に市管理道路の一部の耐用年数を変更したことに伴い減価償却累計額が減少し、インフラ資産の末償却残高が増加したこと等により、類似団体平均値を下回った。今後も将来の公共施設の維持補修に係る財源負担を軽減するため、平成28年度に策定した由利本荘市公共施設等総合管理計画に基づき、施設保有数の適正化に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均値を上回ったものの、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから、前年度と比べて純資産が減少し、昨年度から0.1%減少している。将来世代負担比率は類似団体を0.3%上回っているが、平成28年度の比率と比較すると8%減少している。これは、総合防災公園事業が終了するなど大規模な事業による地方債の新規発行額が減少したためである。今後も新規に発行する地方債の抑制を行うとともに、高利率の地方債の借換えを行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値を15.3万円上回り、かつ、一般会計等でも新型コロナウイルス感染症対策事業等の実施により純行政コスト(528億30百万円)が増加したため、税収等(293億88百万円)の財源を上回っている。「第4次由利本荘市行政改革大綱」、「第4次定員管理適正化計画」などに基づく行財政改革を着実に進め、行政コストの縮減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を42.4万円上回っている。負債の内訳では、合併特例事業債や過疎対策事業債などの地方債償還に係る費用が普通交付税に算入される割合が高い地方債が残高全体の50%以上を占め、財政力の低い本市にとっては、有効な財源となっている。基礎的財政収支を見ると、投資活動収支は△66億94百万円だが、業務活動収支が78億93百万円の黒字であったため、全体で11億99百万円の黒字となった。財政構造が地方債に依存する形になっていることから、「第4次由利本荘市行政改革大「綱」の推進や、大規模事業を由利本荘市総合計画「新創造ビジョン」(発展計画)に沿った事業展開に限定し、赤字縮小に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、前年度から0.3%減少し、類似団体と同程度となっている。経常収益は前年度より2億20百万円の増額となったが、経常費用が物件費等で1百万円増額、新型コロナウイルス感染症対策事業等の実施により補助金等で99億19百万円の増額などにより79億27百万円の増となっている。今後は、由利本荘市公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化や複合化等に取り組み、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,