小林市：小林市立病院【地方財政ダッシュボード】

経営比較分析表（2018年度）

地域において担っている役割

西諸医療圏の中核病院として位置づけられ、救急告示病院や感染症指定医療機関、災害拠点病院等の役割を担っている。また、地域医療支援病院として、かかりつけ医を支援する後方支援の役割が求められている。近年では医療圏で唯一分娩を取り扱っていた病院が分娩の受入れを取りやめたことに伴い、15年ぶりに産婦人科での分娩を再開することとなるなど地域に不足する診療科や不採算医療の提供も担っている。

経営の健全性・効率性について

入院患者及び外来患者の1人1日あたりの収益は増加傾向であり、費用に対する経常収支比率も増加傾向である。しかし、医業収支比率は減少傾向である。背景として平成30年度は医師不足や医師の高齢化に伴う患者数の減少を皮切りに入院患者数が減少となったが、DPC制度の導入に伴い、入院収益が昨年度と比較し、増加となっている。しかし、分娩再開による職員採用等により人件費が高騰したため医業収支比率は減少となった。

老朽化の状況について

平成21年に改築した当院施設も11年目を迎え、建物には災害等による修繕が多く見られ、医療機器についても経年劣化による機器の入れ替えが著しく、年々経費がかさんできている。また、診療報酬改定等により、ケア・ミックスでの病棟運営に舵をきったことから、リハビリテーションの充実を図るための施設更新等固定資産が増加傾向にある。

全体総括

産婦人科分娩再開に伴い、妊婦健診等の外来患者数は増加したが、医師不足、医師の高齢化に伴い、入院患者数は減少となった。平成30年度からDPC制度を導入し、収益は増加したが、人件費も高騰したため、収支はマイナスである。今後は長年の課題でもある医師不足解消に向けた関係機関との連携や多職種連携に伴う、業務効率化が肝要である。また、病院改築後11年目を迎え、医療機器の経年劣化が多々見られる。補助金等を活用しながら、地域のニーズに合わせた病院運営が不可欠である。今後ますますの高齢化や少子化による人口減少により、急性期医療に加え、地域包括ケアシステムを視野に入れた病院運営が必要となる。

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