地域において担っている役割
地方独立行政法人くまもと県北病院は、公立病院であった公立玉名中央病院(302床)と玉名郡市医師会立の開放型病院であった玉名地域保健医療センター(150床)が統合され、402床の総合病院として令和3年3月1日に発足した。当院は、地域医療支援病院、災害拠点病院、基幹型臨床研修病院、熊本県指定がん診療連携拠点病院等の施設認定を受けていて地域の中核病院としての役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
令和2年度は、経常収支比率は、105.7%、医業収支比率83.6%、病床利用率68.2%であったが新型コロナウイルス、病院移転の影響でR元年度より外来患者、入院患者数の減少が著しかった。コロナ関連の補助金で経常収支比率が100%を超えた状況であった。また、入院単価については、単価を上げる加算の取得、病棟機能の適正化ができておらず単価も低い状態である。職員給与費対医業収益比率は、コロナ関連の補助金で医業収益が確保されたため類似病院より職員給与費医業収益比率が低い結果となった。また、材料費は、コロナと病院移転の患者減少の結果材料費の減少もあり類似病院より低い結果となった。
老朽化の状況について
当院は、令和3年3月1日に新病院へ移転しているため有形固定資産減価償却率は、類似病院より低い割合となっている。器械備品減価償却率についても同様である。1床あたりの有形固定資産について類似病院より低い資産額となっているため402床の病院として過剰な投資は行っていない。
全体総括
現在当院は、402床の内77床をコロナ専用病床として運用している。アフターコロナを見据えて新規入院患者を増やす取り込みを行う必要がある。また、入院単価を上げるため加算の取得や病床機能の変換、入院料の引き上げなどを行なっていき収益の最大化を行っていく。コスト削減については、材料費の節減や費用の無駄などにも取り組み、経常黒字を維持していく。