経営の健全性・効率性について
「①収益的収支比率」については、平成25年度から100%となっており、収支は黒字の状態にあります。しかし、汚水処理の維持管理費と資本費が使用料の収入額に対して高額であるため、年々向上してきてはいるものの、「⑤経費回収率」が類似団体平均値を大きく下回っており、汚水処理費用の約10%しか使用料収入で賄えていない状況です。また、「⑦施設利用率」のとおり、汚水処理施設の処理能力に対して実際の処理量が少なく、処理施設が過大な状態になっており、処理量が少ないため、「⑥汚水処理原価」も類似団体平均値より高くなっています。以上のことから、現在の収支は黒字ではあるものの、経営の健全性と効率性を高めるため、処理施設の規模・能力を現状の規模・状況に改め、維持管理費の低減を図るとともに、水洗化率を向上させ使用料収入の増大を図っていく必要があると言えます。
老朽化の状況について
当施設は、最も古い施設でも平成13年4月の供用開始となっており、現時点では老朽化した管渠は無く、当面更新の必要はありません。処理施設については、平成28年度に改築工事が完了し、現在は改築後の処理施設の機能保全計画の策定作業を進めており、平成30年度には策定できる予定です。
全体総括
当施設は、最も古い施設でも平成13年4月の供用開始で、比較的新しい施設であるため、大規模な老朽化対策は必要なく、老朽化対策費用が経営の健全性に影響を与えることは無いと考えられます。一方で、汚水処理施設の規模が実際の処理量に対して過大な状態で、効率性に課題があることから、維持管理費用の低減を図るため、平成27年度から現状に見合った規模・能力への改築に取り組み、平成28年度に改築工事が完了しました。これにより、平成29年度以降は「⑤経費回収率」、「⑥汚水処理原価」、「⑦施設利用率」において改善が図られる予定です。その他、使用料収入の増収を図る必要がありますが、料金単価は、現状でも市内の他の下水道料金と比較して高く、料金単価の引き上げは困難であるため、下水への接続について勧奨を行い、水洗化率を向上させることで改善を図っていきます。